三ツ廣 政輝(みつひろ まさき、1995年8月2日 - )は、毎日放送(MBS)のアナウンサー。
苗字の三ツ廣は、「日本国内で20人程度しか付けていない」とされるほど珍しい[1]もので、ツの表記はカタカナの大文字である。また、新聞などの番組表で、「三ツ広」という略字が用いられることがある。
経歴
東京都稲城市の出身で、明治大学付属中野八王子高等学校を経て、明治大学経営学部[2]に進学。学生時代には、小学4年時から野球を始める一方で、日本国内においてヒッチハイクを何度も体験していた。特技はハンドスプリング。
高校時代には硬式野球部へ所属。3年時(2013年)夏の全国高等学校野球選手権西東京大会では、控えの内野手ながら、準々決勝進出を経験している[3]。明治大学への在学中には、体育同好会連合会(体同連)軟式野球部 へ所属。左利きであることから、主に一塁を守っていた。3年時の2016年には、東京六大学軟式野球の春季リーグ戦で優勝を経験[4]。秋季リーグ戦では2位に終わったものの、優秀選手とベストナイン(一塁手部門)に選ばれた[5]。4年時には主将も務めている[6]。
その一方で、林正浩のようなスポーツアナウンサー[7]として野球を実況すること[6]を主な目標に、学内のマスコミクラブなどでも活動[2]。就職活動中には、毎日放送をはじめ、TBSテレビなど8局のアナウンサー試験を受けた[8]。結局は毎日放送から採用の内定を得たが、林が2016年に定年を迎えるまで勤務していたTBSテレビの試験でも、最終面接の1つ前の段階まで残ったという[9]。
大学卒業後の2018年4月1日付で、辻沙穗里と共に、アナウンサーとして毎日放送へ入社。同局によるアナウンサーの採用は、2015年の玉巻映美・藤林温子・森本尚太以来4年振りであった。
テレビ(MBSテレビ)では、2018年7月26日(火曜日)に放送された特別番組『ちちんぷいぷい×VOICE みんなでとびだせっ!夏の5時間ぶち抜きスペシャル』で、辻と揃って番組デビュー[10]。同年10月から2019年3月までは、母体番組の『ちちんぷいぷい』で、金曜日を中心に「フィールドリポーター」として生中継やロケに出演していた。2019年4月からは、『ちちんぷいぷい』の後枠で新たに編成された総合情報番組『ミント!』で、「フィールドキャスター」として生中継リポートを随時担当している。
2018年10月から、スポーツアナウンサーとしての修業を開始。入社1年目の最後(2019年3月下旬)に迎えた選抜高等学校野球大会では、関連会社のGAORA(CS放送)やインターネット向けの中継ながら、新卒採用のアナウンサーとしては異例の早さで実況デビューを果たした[7]。さらに、同年のプロ野球シーズン中から、GAORAやラジオ(MBSラジオ)で阪神タイガース戦中継の実況を担当。2019年世界陸上競技選手権大会期間中および前後(同年9月下旬 - 10月上旬)には、「Meets HERO in 世界陸上2019ドーハ」(自身の苗字にちなんだ『ちちんぷいぷい』の周辺取材企画)でリポーターを務めた。2020年4月4日から2021年12月25日までは、『サタデープラス』(毎日放送の本社で制作するTBSテレビ系列全国ネット向けの生放送番組)でプレゼンター(進行役)を担当。
MBSラジオでは、2019年11月1日からは、辻や1年後輩のアナウンサー(清水麻椰・野嶋紗己子)と共に『ばんぱく宣言 われら21世紀少年団』(毎日放送の本社がある大阪市内で開催される2025年日本国際博覧会の応援番組)のパーソナリティを担当。2025年中までの6年間にわたるレギュラー放送があらかじめ約束されている異例の番組で、三ツ廣は「21世紀少年団」の「団長」としても活動する[11]。
プライベートでは、毎日放送への入社に伴って関西地方での生活を始めたことを機に、同年代(20代)が中心の草野球チームへ2019年7月から参加。野球実況の自主練習を兼ねながら、学生時代に経験していなかった投手として完封勝利を挙げた経験を持つほか、外野手としても活躍している[3]。
なお、新日本放送時代の1959年3月1日からテレビ放送事業とラジオ放送事業を兼営してきた毎日放送は、2021年4月1日付でラジオ放送事業をグループ会社の「株式会社MBSラジオ」へ移管。毎日放送は移管を機にテレビ単営局へ移行したが、三ツ廣はアナウンス職のまま同社の総合編成局(移管と同時に新設)へ在籍する一方で、株式会社MBSラジオが制作・放送する番組にも「MBSアナウンサー」として出演している。移管当日の午後には、「株式会社MBSラジオ」として初めて制作する野球中継(第93回選抜高等学校野球大会決勝戦のラジオ中継)で実況を担当。その一方で、テレビでは『水野真紀の魔法のレストラン』のロケ企画を4月7日放送分から進行している。2021年の10月からは、『西乃風ブラン堂』(西日本の地方創生を目的にテレビとラジオで放送する情報バラエティ番組シリーズ)にも進行役で出演中。
スポーツアナウンサーとしては、毎日放送への入社6年目で迎えた2023年の日本シリーズ(阪神タイガースとオリックス・バファローズが第7戦まで対戦)で、毎日放送グループが全国向けに制作したテレビ・ラジオ中継へ連日出演。第3戦(10月31日)と第6戦(11月4日)のテレビ(毎日放送とTBSテレビの共同制作による全国ネット)中継ではベンチリポート(第6戦ではヒーローインタビューの担当を兼務)、第4戦(11月1日)と第7戦(11月5日)のラジオ(MBSラジオの制作による)中継で実況を任されていた。さらに、京セラドーム大阪で催された第7戦(オリックス対阪神戦)では、阪神が1985年以来38年振りのシリーズ制覇を成し遂げた瞬間をラジオ中継(ニッポン放送との2局ネット)で実況。阪神のセントラル・リーグ優勝決定(9月14日)の深夜および、日本シリーズ第7戦の深夜に開かれた阪神の優勝記念祝勝会(ビール掛け)では、毎日放送(テレビ)を代表して首脳陣や選手へのインタビューを担当した。
出演番組
現在
- MBSニュース(テレビ・ラジオとも不定期)
- 選抜高等学校野球大会中継(2019年から一部の試合でGAORA・インターネット向けに実況やインタビュアーを担当)
- プロ野球中継(テレビ・ラジオとも、2019年からベンチリポートを中心に担当。ラジオのみ同年から実況担当も兼務)
- 毎日放送が在阪局でいち早く国際連合の「SDGメディア・コンパクト」へ参加していることを背景に、テレビ・ラジオ兼営局時代の2020年10月からは、国際連合が定める「SDGs17の目標」を啓発するアナウンサー企画にも参加している。
- 「SDGsのススメ」(2020年10月19日から2021年3月1日まで『ちちんぷいぷい』で毎週月曜日に放送されていたロケ企画)では、4番目の目標(「質の高い教育をみんなに」)関連の取材を担当。『ちちんぷいぷい』の終了後は、後継番組の『よんチャンTV』内で5秒間放送される「みんなでやろう!SDGs」で、4番目の目標達成に向けた標語紹介のVTRに登場。
テレビ
- 痛快!明石家電視台(不定期)
- 2018年10月29日に放送された「実際どうなん!?MBSアナウンサー15人」で、アナウンサーゲストの1人として、辻と揃って初出演。TBSテレビのアナウンサー試験での失敗談を明かした[9]。
- 水野真紀の魔法のレストラン(2021年4月7日放送分からロケ企画の進行を担当)
- 西乃風ブラン堂(2021年10月12日 - )
- 全国高校ラグビー(2021年度の第101回大会から木下彩音と共にハイライト番組のMCを担当)
- ハイライト番組MCへの就任時点でラグビー中継の実況を経験していないが、2020年度(第100回)以前の大会でも、ハイライト以外の関連番組へ随時登場していた。
- 第99回大会期間中の2020年1月6日には、ハイライト番組用スタジオからの生中継で『S☆1』(TBSテレビ制作のスポーツニュース)へ出演。前日(1月5日)に花園ラグビー場で催された準決勝2試合の模様を、大畑大介・小島瑠璃子(いずれもハイライト番組の前任MC)と共に伝えた。ちなみに、小島は『サタデープラス』のMCで、2020年度から2021年の第101回大会開幕直前(12月25日)まで共演。出演の時点では、『S☆1』本編のMCも兼務していた。
- よんチャンTV
- 生中継のリポートなどを不定期で担当した後に、2024年度から、川地洋平・大村浩士(いずれも後輩のスポーツアナウンサー)と交互に「月よんスポ」(月曜日のスポーツ関連パート)を進行。
ラジオ
以下の番組にはいずれも、不定期で出演。
- 松井愛のすこ〜し愛して♥
- 通常はシフト勤務の一環で、番組内の『MBSニュース』を随時担当。2022年11月8日・15日(いずれも火曜日)放送分で、全編のパーソナリティ代理を務めた。先輩アナウンサーでもある松井愛が胆石症の入院加療へ専念していることに伴う代演で、パーソナリティ代理を立てる回の通例に沿って、代演した回は『三ツ廣政輝のすこ~し愛して♥』というタイトルで放送された。
- コトノハ
- 「コトノハ」(言葉)にこだわった毎日放送アナウンサー室制作の事前収録番組で、2021年10月4日から『ばんぱく宣言』の後枠(2023年9月25日までは毎週月曜日の21:45 - 22:00 → 同年10月2日以降は21:30 - 21:45)に放送。放送週によっては、同番組に続いて出演することがある。
過去
テレビ
- ちちんぷいぷい
- 前述した『ちちんぷいぷい×VOICE みんなでとびだせっ!夏の5時間ぶち抜きスペシャル』でのロケ取材を経て、2018年10月19日から金曜日のフィールドリポーターを担当[14]。他の曜日でも、ロケ企画のリポーターを務めることがあった。
- 『ミント!』の放送開始後は出演の機会が途絶えていたが、TBSテレビが日本国内でのテレビ放送権を保有している2019年世界陸上競技選手権大会の期間中および前後には、「Meets HERO in 世界陸上2019ドーハ」のリポーターとして開催地のドーハへ派遣されている。
- 2020年4月の改編で「嗚呼!花の応援マン2020」(スポーツに携わる全ての人々を応援するコーナー)が月 - 木曜日に新設されたことに伴って、同年3月30日(月曜日)放送分からレギュラー出演を本格的に再開。「フレ!フレ!スポーツ」への改称後の同年8月には、関西地方から2020年甲子園高校野球交流試合へ招待された高校への取材も担当していた。
- 放送最終週に当たる「フィナーレウィーク」(2021年3月8 - 12日)では、毎日放送の「これから」を担うアナウンサーの1人として、「あれから生中継」(入社前の放送で先輩アナウンサーが取材した人物や場所を改めて紹介する企画)のリポーター[15]に起用。「フィナーレウィーク」第2日(9日)の生中継リポートで、最後の出演を果たした。
- オールザッツミュージック(2018年12月29日、ナレーター)
- ミント!
- 放送を開始した2019年度に、フィールドキャスターとして火曜日を中心に出演。前述したように、2020年4月から『ちちんぷいぷい』のレギュラーに復帰したが、火曜日の16時台に放送される特集のリポーターとして同年10月から出演を再開していた(先輩アナウンサーの森本尚太と交代で隔週にリポートを担当)。
- コトノハ図鑑→「へぇ~のコトノハ」(不定期)
- 所属する毎日放送アナウンサー室の企画で、2018年7月から2020年3月まで『コトノハ図鑑』(事前収録のレギュラー番組)として放送された後に、2020年4月改編から「へぇ~のコトノハ」(『ちちんぷいぷい』月・水曜日→水曜日のレギュラーコーナー)へ移行。『コトノハ図鑑』には、入社1年目の2018年8月31日放送分から出演していた[16]。
- 花園を目指す君へ ラグビーW杯戦士からのエール(2019年12月16日、毎日放送の制作でTBS系列全国ネット向けに放送された第99回全国高校ラグビー関連番組)
- あす開幕! みんなの甲子園スペシャル~出場32校の笑顔を集めました~
- 2020年甲子園高校野球交流試合の開幕直前に編成された特別番組で、毎日放送では開幕前日(8月9日)の15:00 - 17:00に関西ローカルで生放送(関連会社のGAORAでは当日の夜と翌10日の第1試合直前に編成)。招待校の1つである明石市立明石商業高等学校からの中継リポートを担当した(『ちちんぷいぷい』の「フレ!フレ!スポーツ みんなの甲子園」でも同校を取材)。
- 2018年10月から2019年3月までは、放送予定のテレビ番組を紹介する関西ローカル向けスポットCMのオープニング映像にも、自己紹介を兼ねて登場していた(2018年内は辻とのコンビ、2019年1月以降は単独で登場)。
- サタデープラス(プレゼンター、2020年4月4日 - 2021年12月25日)
- 2015年4月4日の番組開始以来続いていた生活情報路線から、スポーツの面白い話題を紹介する路線へ変更することを機に、テレビ・ラジオを通じて初めて全国ネット番組にレギュラーで出演[17]。
- 2022年の初回放送(1月8日)からは、自身と同時にプレゼンター(ロケ企画「ひたすら試してランキング」のリポーター)へ起用されていた後輩アナウンサーの清水麻椰が、同企画への出演と並行しながら三ツ廣の役割(毎日放送本社スタジオでの進行役)を引き継いでいる。もっとも、清水に新型コロナウイルスへの感染が確認されたことに伴って、同年1月29日・2月5日放送分でスタジオ進行を再び担当。
- 三度の飯よりアレが好き!(不定期)
- 放送期間(2022年度)において毎日放送での社歴が5年目以下(自身と辻は5年目)のアナウンサーが、スタジオMCやロケリポートを交互に担当していた番組。
- THE TIME,(TBSテレビがJNN全国ネット向けに制作する平日早朝の生放送番組)
- 全国ネットパートでは、「列島リアルタイム中継」(JNN全28局が分担している生中継企画)の毎日放送制作分(近畿広域圏・徳島県からの中継)で、2022年2月3日(木曜日)・2月7日(月曜日)に中継のキャスターを務めた[18]。
- 日 - 木曜日で深夜から翌日の早朝まで宿直勤務に入る場合には、勤務の一環で「エリア情報」(JNN加盟各局のローカル差し替え枠)内の関西ローカル向けニュース・天気予報を担当している。
ラジオ
出演映画
- 『正体』(2024年11月29日公開予定、松竹) - 劇中でテレビから流れる架空の生中継番組のリポーター役
脚注
外部リンク