七つの子『七つの子』(ななつのこ)は、野口雨情が作詞、本居長世が作曲した歌である。 1921年(大正10年)、児童文学雑誌『金の船』の7月号に発表された。また兵庫県たつの市の童謡の小径には、全国公募した「あなたの好きな童謡」の上位8曲の一つとして歌碑が在る。 楽譜歌詞
『七つ』の謎
『七つ』という言葉が「7羽」を指すのか「7歳」を指すのかは明らかになっておらず[1]、度々論争の種となっている。カラスは一度に7羽もの雛を育てることはなく、7年も生きたカラスはもはや「子」とは呼べないためである。 この謎を扱った作品として『天才柳沢教授の生活』があるが、作中でも明確な結論は出されなかった。
また、この歌の元歌である「山烏」という詩が、1907年頃に作られており、その中でも「可愛(かわい)七つの、子があれば…」と書かれていることからも野口雨情自身の母への思慕の情や実体験からくる子供への思いが歌のなかで「七つ」という言葉が一つのキーワードとしてあてられているのではないかと思われる。 なお、日本語の「七つ」という言葉はしばしば「多い」の意味で使われる。 歌碑雨情の母校である北茨城市立精華小学校には、1961年(昭和36年)に寄贈された歌碑がある[2]。歌碑自体にはひらがなを多く用いた歌詞が刻まれているが、陰に別にある副碑には原詩同様に漢字を用いて刻まれている[3]。また、和歌山県すさみ町の日本童謡の園にも歌碑がある。 録音した歌手替え歌1980年初頭にザ・ドリフターズの志村けんがTBSで放送された人気テレビ番組『8時だョ!全員集合』の中で、「カラス なぜ鳴くの カラスの勝手でしょ〜」という替え歌を歌ったことから子供達を中心に流行した。この替え歌は前半コント(中場またはオチがつくところで出ることが多い)、少年少女合唱隊、後半コントのいずれかの場面で登場していた。当時の子供たちにとって影響力が強すぎたため、これを正式歌詞として認識している人も多い。志村自身が飽きて番組で披露を止めた所、抗議電話が殺到して止む無く続けた程の社会現象だった。 なお、この替え歌の歌詞については志村けんの作ではなく、笑福亭鶴光がDJを務めたニッポン放送のラジオ番組『鶴光のオールナイトニッポン・サンデースペシャル』の中の替え歌コーナーが発祥との説がある[4]。志村けんの著書では、自身の作ではなく近所の小学生が歌っていたのを番組で歌ってみたと語られている。 1990年代後半には、英会話教室NOVAのテレビCMで、山崎一演じる「鈴木さん」が、この歌を歌いながら会社を退勤し、ドアを出ると同時に歌詞が英訳に変わる場面が人気を呼んだ。 また、森繁久彌がかつて盲学校を訪問した際、この歌を歌うことになり、1番はつつがなく歌ったものの、2番を歌っている最中に盲目の生徒に対して「まるい目をした」という歌詞をそのまま歌うのを憚り、その場で機転をきかせて若干の遅れはあったものの「まるい顔した、いい子だよ」と歌ったという[5]。 ドラマ「受験の神様」(日本テレビ)の中にもこの替え歌が登場している。 その他1989年(平成元年)に「『日本のうた・ふるさとのうた』全国実行委員会」がNHKを通じて全国アンケートにより実施した「あなたが選ぶ日本のうた・ふるさとのうた」で、本曲が第8位を獲得した[6]。 2003年(平成15年)にNPO「日本童謡の会」が全国約5800人のアンケートに基づき発表した「好きな童謡」で第6位に選ばれた[7]。 2006年(平成18年)に文化庁と日本PTA全国協議会が「日本の歌百選」に選定した[8]。 北島三郎の曲「帰ろかな」では間奏に本曲を組み込んだバージョンがあり、NHK紅白歌合戦などの歌番組で披露されている。商品化はされていない。 『名探偵コナン』の黒ずくめの組織に登場する「あの方」のメールアドレスは「♯969♯6261」とされており、携帯音のプッシュ音が七つの子に似たメロディラインになっている(詳細は黒ずくめの組織#黒幕を参照)。 常磐線の磯原駅では、2002年5月24日より発車メロディーとして使われている。なお、フルコーラスが64秒と大変長く、車掌の裁量で鳴らすため途中で切られることが多い。 グレッグ・アーウィンによる英訳詞「Seven Little Babies」が存在し、アーウィン自身の歌唱により1997年4月21日発売のアルバム『ハッピー・チャイルド!〜英語でうたおう こどものうた みんなのうた〜』、1999年発売のアルバム『英語でうたう日本の童謡2』(共にビクターエンタテインメントから発売)に収録された。 脚注
外部リンク
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