レーロース
レーロース(ノルウェー語で Røros)は、1838年1月1日に設立された自治体である。1926年に4つの自治体に分割されたが、1964年1月1日、再び4つの自治体が合併し現在に至っている。ソール・トロンデラーグ県に所属している。 由来レーロースの名前の由来は、レーロースという農場の名前にちなむ。町は、その農場の上に建設された。レーとは河川の名前であり、ロースは、河口という意味であるが、レーの由来はよく分かっていない。 歴史ノルウェーでは、レーロース(銅)とコングスベルグ(銀)が重要な鉱山都市として17世紀から発達してきた。スコーネ戦争が勃発した1678年から1679年の間には、スウェーデン軍の攻撃を受け、一旦、廃墟となったことがある。 大北方戦争が展開された1718年、レーロースは、再び、スウェーデン軍の占領を受けた。スウェーデンは、レーロースにおいて、銅の生産を実施、産出された銅は、戦争に用いられた。しかし、1718年11月30日、カール12世がフレッドリクステン (en:Fredriksten) で暗殺されるとスウェーデン軍はレーロースから撤退した。この撤退のときに、悲劇は起きた。撤退の準備が不十分であったスウェーデン軍は厳しい天候のために、レーロース北東の山中で命を失った。その数は3,000人以上である。 レーロースの名前が再び有名になったのは、ヨハン・ファルクベルゲト (en:Johan Falkberget) が、社会階層の最下級にいる鉱夫の視点から、鉱山における生活を描いたことにある。 17世紀から残る木造建築が評価され、1980年にユネスコの世界遺産に登録された。 地理レーロースは海抜 630 m の高原に位置する。また、シラカバやマツといった木々を見受けることができる。 レーロース北部には、ノルウェーで3番目に大きい湖がある。レーロースにある湖沼群は、カヤックや釣りをするのに十分に適している。 気候レーロースの気候はやや大陸性の気候である。降雨量に関しては年間を通して約 500 mm であり、2月から3月にかけては乾燥する。1月の平均気温は、-11.2 ℃ であるが、レーロース南部のフィンマルクでは1914年に -50.4 ℃ を記録したことがある。冬は冷涼かつ乾燥しているため、スキーを行うには最適であり、2月から4月がスキーシーズンである。 夏は日較差が大きく、6月の1日の平均気温は、11.4 ℃ であるが、昼間は暖かいが、夜になると空気は冷気を帯びることもある。 文化レーロースマルトナンと呼ばれる伝統的な市場が冬の間、開催される。毎年、6万 - 7万人の観光客がレーロースを訪れる。この市場は、2月の最終火曜日に始まり、5日間続く。また、レーロースでは1994年から、大北方戦争時のスウェーデン軍撤退の悲劇をモチーフにした野外芸術祭が開催されている。 交通レーロースは、首都オスロからレーロース鉄道とレーロース空港で結ばれている。また、道路では、南のティンセット、北西のトロンハイムと結ばれており、また、東に行く道路ではスウェーデンに入ることも可能である。 世界遺産この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
外部リンク |
Portal di Ensiklopedia Dunia