ラディアホールディングス・プレミア
ラディアホールディングス・プレミア株式会社(英称:Radia Holdings Premier, Inc.)は、かつて存在していたラディアホールディングス(旧 グッドウィル・グループ、現 テクノプロ・ホールディングス)の中間持株会社。2007年5月1日から2008年9月30日まで社名は、株式会社グッドウィル・プレミアだった。その前身は人材派遣、業務請負大手、株式会社クリスタル(グループ)。 概要傘下には多数のグループ会社がある純粋持株会社。2006年10月31日、グッドウィル・グループに約880億円で買収された。詳細は買収の項目に記載するが、ラディアホールディングスの当該項目も参照のこと。 かつてはクリスタルショップやクリスタル観光バス、クリスタルタクシー(タクシー事業)などの会社も保有していた。いずれの会社も2007年4月に売却され、グループから離脱している。 2010年4月30日株主総会の決議により解散。5月21日に東京地方裁判所から特別清算の開始決定を受け、同年11月23日付で特別清算終結決定となり、消滅した。 会社情報2007年5月現在。 グッドウィルの買収前は、グループ全体で見れば、スタッフサービスやテンプスタッフ、パソナなどの同業大手を凌駕する売り上げがあったにもかかわらず、従業員数の割りに各社の資本金が異常に少ないのが特徴である。株式会社の最低資本金規定だった1,000万円程度だったケースが多く、現在でも数万人をかかえているところでも数千万円になっている会社がほとんどである。 業界団体である日本人材派遣協会や日本生産技能労務協会には加盟しておらず、会計が不明瞭ゆえか、企業ランキングや業界地図などからは除外されており、会社四季報未上場会社版にも掲載されていなかった(グループ内数社が個別に掲載されていたにとどまる)。会計は現在は上場企業であるグッドウィル・グループの連結対象であり、比較的明瞭になっている。 朝日新聞は2008年春の株式上場を目指していると報じていた[1]が、グッドウィル・グループへの取り込みに近い形のグループ再編が進んだ上、系列となったコムスンおよびグッドウィルの行政処分の影響もあり実現可能性はなくなった。 事業所沿革創業1974年(昭和49年)5月、林純一が綜合サービスを設立して業務請負業として人材派遣を始める。 グッドウィルによる買収直前まで株式の9割弱を保有する典型的企業オーナーで、業界団体に加盟せず、京都経済界の会合にも出席せず、同業関係者とも顔を会わさないなどと週刊東洋経済2003年2月号などで喧伝されている。 分社化路線1986年頃から全国展開するも、京都本社は地場の同業他社に競合負けが続発したため、営業所を拠点ごとに分社して決裁や求人採用決定の迅速化を図り新規取引を拡大する。分社後は各々の営業地域でグループ社同士の複数競合も多々見られる。1994年頃、吉澤正登が社長に就任すると、グループの業績は倍々で拡大していく。 問題表面化グループ業績の進展に伴い2000年代はテレビCM放映などで認知度は向上するも、子会社ネクスターが訴訟問題、ニコンの意向に沿った対応に終始して7月にニコンも含む民事訴訟へ発展して以降、「闇夜のカラス」や「異形の帝国」などマスコミなどで揶揄される。 グループ再編2004年頃から人材業界の成長鈍化に加え裁判事案やスピンオフによるライバル会社設立や従業員引き抜かれなどが影響し、一般管理費に比して低資産と評価されたため、2005年頃からグループ内同業社を合併や統合して管理費抑制を図る。 グループ売却へ2005年暮れ頃からグループ全体や複数子会社の売却が計画されていると、東洋経済2006年11月号は記事している。 社長の吉澤は取引がある三和銀行のOB2人に依頼して全株式を投資ファンド(コリンシアンパートナーズ)へ売却を提案し売却。2006年10月31日にグッドウィル・グループがクリスタル社株を保有する投資ファンドへ系列人材投資ファンドから出資して連結子会社化した後11月1日に役員(菊地・折口・川上)を就任させるが、不透明取引疑義について東京証券取引所から報告を求められている、とFACTA2007年8月号は記事している。 買収後グッドウィルは「株式会社クリスタル」を東京へ移転、各社名変更、介護部門と労働者派遣事業以外を売却してクリスタル系列各社の再編を図り、2007年5月1日に「株式会社クリスタル」から「株式会社グッドウィル・プレミア」へ社名変更している(以下、プレミア、傘下各社はプレミア系と記する)。 2007年6月に兄弟会社コムスンの行政処分が影響して介護事業を廃止し、子会社プレミア・メディカルケアの子会社で孫会社に当たる日本シルバーサービスへ事業譲渡を企図するも成就せず第三者法人へ譲渡し、経営赤字のプレミア系介護事業もグループから離脱している。 2007年11月1日に主力のハイラインとシースタイルを合併[要曖昧さ回避]してプレミアラインになる。 2007年12月1日に六本木ヒルズ森タワー35階から、赤坂ミッドタウン・タワー28階へ本社を移転する。 2008年10月1日に「ラディアホールディングス・プレミア株式会社」へ社名変更する。 ラディアホールディングス・プレミアの終焉2007年6月にグループ主要会社コムスンが介護保険法違反で厚生労働省から業務改善勧告を、2008年1月にグッドウィルが労働者派遣法違反で厚生労働省から業務停止命令を、それぞれ受けるなどグループの規範意識欠如が大きく取り沙汰される。 2008年10月にグッドウィル・プレミアから現商号へ変更して再建を図るも、2009年9月にラディアホールディングスが事業再生ADR適用を申請する。ラディアホールディングス・プレミアはラディアホールディングスグループの1社だが、同年12月に第三者から担保権を執行されてラディアホールディングスの連結対象除外になり、2010年4月30日に株主総会決議により解散し、5月21日に東京地方裁判所から特別清算開始の決定を受け、11月23日付で特別清算終結が決定して完全消滅する。負債は推定90億円。 問題グッドウィルによる買収以前には、以下の点が問題視されていた。 以下の記述はこれまでの報道・公的情報を要約して箇条書きにしたものであり、詳細は後述の各報道記事および公的情報源を参照のこと。また、すべて買収以前のものであり、いくつかは解消に向かっている可能性がある。
報道経済系雑誌クリスタル批判の先鋒を切ったのは「週刊東洋経済」である。同誌は2003年2月と6月の2度にわたり、「異形の帝国」なる表現を用いて、同社の異常な体質が綴られた記事を掲載した。2004年12月、「週刊ダイヤモンド」にも同様の記事が掲載され、隠し撮り写真が掲載されたことで関係者に衝撃を与えた。2005年8月に行政処分について掲載した。 2004年から2005年にかけて「週刊エコノミスト」が業界全体を問題視する形で、「日経ビジネス」も高速バス関連の記事で、間接的に本グループにそれぞれ触れている。 その後、東洋経済は続報を掲載してこなかったが、2006年9月16日号の特集にて間接的に、また編集後記でも名誉毀損裁判のことに関して実名は出していないが触れている。コラボレートの行政処分発令にあわせて2006年10月14日号にてクリスタルの実名入り記事を掲載した。 経済系雑誌の中でまったく触れることのなかった日経ビジネスは2006年10月16日号にてクリスタルを名指しで批判する記事を掲載した。ここでコラボレートが処分を受けた受け入れ先企業が明らかとなっている。 買収に関する記事を2006年11月末に東洋経済とダイヤモンドがそれぞれ記事にしている。東洋経済は写真を初掲載、この買収を関係者の言葉を借りて「どうやって買収資金を回収するのか疑問」と評している。東洋経済、ダイヤモンドとも「問題山積」と懸念しつつも、クリスタル、ひいては業界の健全化への第一歩と、一定の評価をしていることは行間からうかがえる。 新聞報道しんぶん赤旗がたびたび取り上げている。2005年1月7日と12月31日に毎日新聞が特集記事を掲載している。毎日新聞では、子会社社長に配布した内部資料に「業界ナンバー1になるには違法行為が許される」との記載があったことを取りあげて、企業倫理の無さを問題視していた。 2006年1月6日付サンケイスポーツにて、クリスタル観光バスにおいて飲酒問題が発覚したと報道がされている。 後述する「コラボレート事業停止命令決定へ」との報道が2006年9月30日付読売新聞・朝日新聞各紙にてなされ、共同通信を通して各地方紙にも配信された[2]。読売新聞大阪版はさらに処分へいたる背景まで記事にした[2]。10月3日に正式な処分発令がなされるとほぼ同様に処分内容についての報道がなされた[2]。いずれの報道もほとんどの機関で“「クリスタル」グループの「コラボレート」”という形での報道だった。 2007年4月現在、各新聞が大きく取り上げたのは以下の通り。
裁判原則として2011年10月現在。一部出典:グッドウィルの事業計画書より 被告として計3件抱えている(1件敗訴確定)。いずれも個人が原告である。かつては、クリスタル観光バスの雇用条件をめぐる訴訟を3件抱えていたが、グループ離脱のため除外された。
原告として計7件抱えている。
行政処分本グループの複数の子会社が以下の行政処分を受けている。2005年の2件については「週刊ダイヤモンド」に取り上げられた。
社会貢献活動等2004年に発生した新潟県中越地震ではアプロやバンテクノ等、クリスタルグループ構成各社で募金活動が行われた。 グループ企業2014年9月1日現在。 国内技術
障害者雇用
海外アメリカ
ヨーロッパ
かつて関連会社だった企業旧クリスタル系
旧グッドウィル・プレミア系
事務
製造
テレビCM交響曲第5番 ハ短調「運命」第1楽章にのせて「クリスタル」と合唱するCMが2004年に放映された。キャッチコピーは「いつも、新しいことを。」。また、2002年から2003年には島木譲二、池乃めだかが出演するCMが放映された。 関連項目脚注・出典
外部リンク
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