メルセデス・ベンツ・Cクラス(5代目)W206/S206型
C200 アバンギャルド AMGライン
C220d ステーションワゴン アバンギャルド
C220d アバンギャルド AMGライン
概要 製造国
ドイツ ブレーメン 工場 販売期間
2021年 - ボディ 乗車定員
5 ボディタイプ
4ドアセダン 5ドアステーションワゴン 駆動方式
FR/4WD パワートレイン エンジン
直列4気筒DOHCターボ モーター
交流同期電動機 最高出力
170 - 476PS 最大トルク
250 - 545N・m 変速機
9速AT(9G-TRONIC) 前
AGILITY CONTROL サスペンション スポーツサスペンション アダプティブダンピングシステム付きサスペンション AMG RIDE CONTROL サスペンション 後
AGILITY CONTROL サスペンション スポーツサスペンション アダプティブダンピングシステム付きサスペンション AMG RIDE CONTROL サスペンション 車両寸法 ホイールベース
2,865mm 全長
4,755mm(セダン、ステーションワゴン) 4,760mm(オールテレイン) 全幅
1,820mm(セダン、ステーションワゴン) 1,840mm(オールテレイン) 全高
1,435mm(セダン) 1,455mm(ステーションワゴン) 1,495mm(オールテレイン) 系譜 先代
W205 テンプレートを表示
W206/S206 は、メルセデス・ベンツ 5代目Cクラス を指すコードネームである。W206はセダン 、S206はステーションワゴン およびオールテレイン を指す。
概要
2021年2月23日、欧州 でオンラインによるワールドプレミアを実施し、5代目モデルが披露された[ 1] 。セダンとステーションワゴンが同時に発表されたのは歴代初(従来はセダンが先行発表された後、少し遅れてステーションワゴンが登場するのが通例であった)。
最新のデザイン哲学である「センシュアルピュリティ(官能的純粋)」に沿ったデザインとなった。フロントオーバーハング を短く、ホイールベース とリアオーバーハングを長くし、ボンネット には力強さを表現するためのパワードームが備わる。サイドウィンドウ下端に近いショルダー部にフロントからリアまでを貫く「キャットウォークライン」 も特徴的である。なお、フロントガラスとパッセンジャーセルは、先代のW205(4代目)から後方へ移動した。
ホイールベース は、従来より25mm、後席レッグルームは21mm伸長され、 後席ヘッドルームも13mm拡張されたため、後席の居住性がさらに向上している。
全車にBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)またはISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)が搭載されたことで、全てのモデルで電動化がなされた。搭載されるパワートレインは、全て4気筒のモジュラーエンジンと、9速AT(9G-TRONIC)に統一され、V6/V8エンジンやMT仕様は廃止された。さらに、ボンネットマスコットを備える「エクスクルーシブ」についても、中国市場のロングボディを除き廃止された[ 2] 。
直感的な操作設定が可能な縦型のセンターディスプレイ(11.9インチ)、直感的な行先案内が可能なARナビゲーション、片側130万画素の超高機能を備える DIGITALライト(ウルトラハイビーム付き)など、フラッグシップモデルであるSクラス (W223)譲りの新技術を多数採用している。
車や歩行者に加え、自転車も検知するよう進化した「アクティブブレーキアシスト」や「緊急回避補助システム」をはじめ、ステレオマルチパーパスカメラと、360度カメラシステムを併用することで、より精密に、車線中央を維持するようになった「アクティブステアリングアシスト」など、最新の安全運転支援システム「インテリジェントドライブ」も搭載されている。
先代で初採用されたエアサスペンション は廃止となり、AGILITY CONTROLサスペンションに統一された。しかしながら、新たに後輪操舵 システム「リア・アクスルステアリング」が設定された。約60km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大2.5度傾け、約60km/h以上では、リアホイールをフロントホイールと同方向に最大2.5度操舵することで、良好な取り回しと優れたハンドリングを実現している。
当代では、従来から設定のあった、セダン・ステーションワゴンに次いで、歴代初のクロスオーバーモデルとなるオールテレインも登場した。ただし、先代に用意されていたクーペ ・カブリオレ は、Eクラス (W214)と同様に、CLE に統合されるかたちとなった。
日本仕様車
2021年6月29日、セダンとステーションワゴンの初期モデル【MP:202201】を公式発表[ 3] 。同年7月下旬より、先行予約を開始したのち、セダンの配車は秋頃より、ステーションワゴンの配車は翌年より開始する予定とした。
同年8月6日、仕様変更を実施。【MP:202202】では、「フットトランクオープナー(トランクリッド/テールゲート自動開閉機能)」の標準設定と、「Burmester®3Dサラウンドサウンドシステム」のオプション設定を停止するとともに、一律3万円の値下げが行われた[ 4] 。加えて、先行予約の開始時期が、同年8月下旬以降に延期された。なお、セダンの「C200 AVANTGARDE」と「C220d AVANTGARDE」は当面、仕様変更前の【MP:202201】と、仕様変更後の【MP:202202】が混在することがアナウンスされる[ 注釈 1] 。
2022年1月18日、オールテレインを追加発表[ 5] 。一般的な機械式立体駐車場 に収まるサイズとしながら、ステーションワゴンよりも最低地上高を40mm高くし、その分車高が40mm高くなっている。サスペンションはCクラスのセダンやステーションワゴンと同じ仕様(前:4リンク式、後:マルチリンク式 )としつつ、車高調整不要でオンロード・オフロード問わずに高次元で走行性能を成立させるセッティングに変更。エンジンやトランスミッション特性をスイッチ操作1つで切り替え可能な「DYNAMIC SELECT」には、オールテレイン専用モードとして、トランスミッションが雪道や悪路での走破性を高めるオフロードモードに切り替わる「OFFLOAD」と、急な下り坂での安定走行をサポートするだけでなく、上り坂の途中で動かなくなった時でもリバースを選ぶと安全に下ることが可能な機能も備えた「OFFLOAD+」の2つのモードを追加している。
同年2月17日、セダンとステーションワゴンにエントリーモデルの「C180 AVANTGARDE」を追加することが発表された(同日より予約注文開始、同年3月より納車)[ 6] 。搭載エンジンは既存の「C200 AVANTGARDE」と同じM254型が搭載されるものの、最高出力が170PS、最大トルクが25.5kgf・mのダウンスペック仕様で搭載される。なお、C180とC200はいずれも「平成30年排出ガス基準50%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得している。
C220d 4MATIC オールテレイン(欧州仕様)
メルセデスAMG C 63 S E パフォーマンス
同年10月20日、セダンとステーションワゴンにスポーツモデルの「Mercedes-AMG C43 4MATIC」を追加発表し、同日より発売された[ 7] 。エンジンには、メルセデスAMGペトロナスF1チームが、F1 で長年採用され実績を上げているシステムを直接のベースとし、量産車では世界初となる、48V電気システムを電源とするエレクトロニック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを採用した、2.0L 直列4気筒エンジン(M139型)が搭載されている。短時間ながら、出力を高めるブースト機能や、セーリングモード・回生ブレーキ機能を備え、マイルドハイブリッド としても機能する、第2世代のBSGを組み合わせた。トランスミッションは、トルクコンバーター に代わって、湿式多板クラッチ を搭載した、9速AT「AMGスピードシフトMCT」を43モデルとして初採用した。また、四輪駆動システムは、前後のトルク配分を31:69と、後輪重視としたパフォーマンス志向フルタイム四輪駆動システム「AMG 4MATIC」を採用している。
同時に、既存モデルの仕様変更を実施。【MP:202301】では、AMGラインとの同時装着が必要であった「リア・アクスルステアリング」のオプション設定が停止された[ 8] 。さらに、非AMGラインのレザーエクスクルーシブパッケージ装着車において、内装色のシエナブラウンが廃止された。
2023年3月22日、仕様変更を実施。【MP:202302】では、世界的な半導体供給不足の影響により、初期モデルを除いて装着できなかった、「リア・アクスルステアリング」と「Burmester®3Dサラウンドサウンドシステム」がオプション装備として復活した。加えて、メタリックペイントのカバンサイトブルー(890U)が、新色のソーダライトブルー(842U)に置き換わった。
同年7月4日、セダンに特別仕様車「C200 Sports Exclusive Limited」が発表された[ 9] 。「C200 AVANTGARDE」をベースに、外観はAMGラインエクステリアと19インチAMGマルチスポークアルミホイールを装備。内装はAMGラインインテリアを採用するとともに、シートにナッパレザー、インテリアにブラウンハイグロスアッシュウッドをそれぞれ採用。装備面ではパノラミックスライディングルーフ、運転席・助手席シートベンチレーター (シートヒーター機能付)、Burmester®3Dサラウンドサウンドシステムが特別装備された。180台の限定販売で、7月31日まではオンラインショールームで先行販売を行い、同年8月1日以降、在庫がある場合は販売店での予約注文も受け付ける予定である。
同年9月28日、仕様変更を実施。【MP:202401】では、セダン・ステーションワゴンともに、エントリーモデルの「C180 AVANTGARDE」がカタログ落ちとなった。また、「フットトランクオープナー」が標準装備になると同時に、ドライバーズパッケージに「アダプティブダンピングシステム付きサスペンション」が新たに設定された。一方で、これまで標準装備であった「アンビエントライトプレミアム」と、DIGITALライト(ウルトラハイビーム付き)がオプション装備となり、実質的な値上げが行われた[ 10] 。
同年10月25日、セダンにスポーツモデルの「Mercedes-AMG C63 S E PERFORMANCE」の追加を発表、同日より発売された[ 11] 。エンジンは「Mercedes-AMG C43 4MATIC」と同じM139型が搭載されるが、最高出力が476PS、最大トルクが545N・mを発生する高出力・高トルク仕様となり、リアにモーターとバッテリーを搭載したプラグインハイブリッド仕様となる。また、四輪駆動システムはCクラスでは初採用となる、前後トルク配分を0:100~50:50の間で連続可変する「AMG 4MATIC+」が搭載される。
同年12月20日、セダンにプラグインハイブリッド モデルの「C350e Sports」と、特別仕様車の「C63 S E PERFORMANCE F1 Edition」、ステーションワゴンにスポーツモデルの「Mercedes-AMG C63 S E PERFORMANCE」が追加された(同日より発売開始)[ 12] [ 13] [ 14] 。C350eは2.0 L 直列4気筒ターボエンジンに、25.4kWhのリチウムイオンバッテリーと95kWの電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドモデルとなる。電気モーターのみで140km/hまで走行でき、走行可能な航続距離は110kmとなっている。また、急速充電器(CHAdeMO )や、6.0kW(30A)の交流普通充電にも対応している。さらに、車両を蓄電池として利用できるほか、車外へ電力を供給できる給電機能(V2H、V2L)も備えている。「C63 S E PERFORMANCE F1 Edition」は、通常モデルでは設定がない特別色 「アルペングレー(ソリッドペイント)」を採用し、AMGロゴとグレーからブラックへのグラデーションからなる専用デカールが施されている。また、F1®メディカルカーを踏襲するように20インチAMGアルミホイール(RRS)にもレッドのリムフランジを施されている。フロントおよびリアエプロンの大型フリックやリアディフューザーなど空力特性を向上させるAMGエアロダイナミクスパッケージと、フロントスプリッター、ドアミラーカバー等のトリム部やエグゾーストエンド、AMG専用グリル、バッジ等をブラックに仕上げるAMGナイトパッケージも標準装備している。
2024年4月25日、仕様変更を実施。【MP:202402】では、ベーシックパッケージから「MBUX ARナビゲーション」を除いた、セーフティビジョンパッケージが新たに設定された。また、レザーエクスクルーシブパッケージに、シートベンチレーター(シートヒーター機能を含む)が追加設定されたほか、再び、アンビエントライトプレミアムが標準装備となった。
同年10月3日、オールテレインに特別仕様車「C 220 d 4MATIC All-Terrain Night Style(ISG搭載モデル)」を発表し、同日よりオンラインショールームにて先行受付を開始[ 15] 。全国限定100台が販売される。外装色は、オブシディアンブラック(メタリック)のみとなる。エクステリアでは、本特別仕様車限定の「ナイトパッケージ」と「19インチアルミホイール」が装着される。インテリアでは、通常モデルに未設定の「レザーARTICO マキアートベージュ/ブラック」と「メタルウィーブインテリア・ センタートリム」を採用したほか、ARTICOダッシュボードとシートヒーター(後席)も特別装備した。加えて、通常モデルではオプション設定の「シートベンチレーター(シートヒーター機能含む)(運転席・助手席)」や「パノラミックスライディングルーフ」、「BurmesterⓇ3Dサラウンドサウンドシステム」も標準装備に含まれる。
グレード
販売期間
エンジン
排気量
最高出力・最大トルク
ハイブリッドモジュール
トルク
変速機
駆動方式
C 180 AVANTGARDE C 180 Stationwagon AVANTGARDE
2022年2月 - 2023年9月
M254型 DOHC 直列4気筒 ターボチャージャー 付
1,494cc
170PS/5,500 - 6,100rpm 25.5kgf・m/1,800 - 4,000rpm
EM0024型交流 同期電動機
21.2kgf・m
電子制御9速AT
後輪駆動 (FR)
C 200 AVANTGARDE C 200 Stationwagon AVANTGARDE
2021年6月 -
204PS/5,800 - 6,100rpm 30.6kgf・m/1,800 - 4,000rpm
C 200 4MATIC AVANTGARDE
四輪駆動 (4WD)
C 220 d AVANTGARDE C 220 d Stationwagon AVANTGARDE
OM654M型 DOHC 直列4気筒 ターボチャージャー付
1,992cc
200PS/3,600rpm 44.9kgf・m/1,800 - 2,800rpm
EM0023型 交流同期電動機
後輪駆動(FR)
C 220 d 4MATIC All-Terrain
2022年1月 -
四輪駆動(4WD)
C 350 e Sports
2023年12月 -
254M20型 DOHC 直列4気筒 ターボチャージャー付
1,997cc
204PS/6,100rpm 30.6kgf・m/2,000 - 4,000rpm
EM0017型 交流同期電動機
後輪駆動(FR)
Mercedes-AMG C 43 4MATIC Mercedes-AMG C 43 4MATIC Stationwagon
2022年10月 -
M139型 DOHC 直列4気筒 ターボチャージャー付
1,991cc
408PS/6,750rpm 51.0kgf・m/5,000rpm
EM0025型スイッチトリラクタンスモーター
5.9kgf・m
四輪駆動(4WD)
Mercedes-AMG C 63 S E PERFORMANCE Mercedes-AMG C 63 S E PERFORMANCE Stationwagon
2023年10月 -
476PS/6,750rpm 55.6kgf・m/5,250 - 5,500rpm
EMA001型 交流同期電動機
関連項目
脚注
注釈
^ セダンの「C200 4MATIC AVANTGARDE」と、ステーションワゴンは、仕様変更モデルの【MP:202202】での発売となる。
出典
外部リンク