ホンダ・RA107
ホンダ・RA107はホンダが2007年のF1世界選手権に投入したフォーミュラ1カーである。参戦ドライバーはルーベンス・バリチェロとジェンソン・バトン。後述の車体カラーリングが話題を呼んだ。 開発ワークスチームとしての参戦再開初年度となった2006年シーズンをコンストラクターズランキング4位で終えたホンダは、新しいフルスケール風洞施設を活用して、RA106に根本的な改良を加えた。 前年をもってメインスポンサーのブリティッシュ・アメリカン・タバコが撤退したため、マシンのカラーリングは一新された。新たな試みとして車体から全てのスポンサー広告を排除し[1]、地球をイメージした「アースカラー」を採用した。ホンダは環境問題をテーマにした「アースドリーム・プロジェクト」を設立し、公式サイトで趣旨に賛同した人々の名前をボディに掲載した。このコンセプトは、芸能マネージャーとして知られるサイモン・フラー (Simon Fuller) の19エンターテインメント社が手掛けたもので、これにより第2回グリーン・アワードでグランプリを獲得した[2]。 しかし、その性能はテスト段階から評価が低く、8戦目にバトンが8位入賞するまでワークスチーム中唯一コンストラクターズポイントがないという有様であった。エンジン供給先であり実質的なBチームであるスーパーアグリにすら16戦目までコンストラクターズランキングにおいて後塵を拝すという有様だった[3]。その緑や青がまだらにペイントされたようなデザインから「ホンダの車には“カビが生えた”」と揶揄されることもあった。 マシンの開発は、中本修平シニア・テクニカルディレクターの指揮の下に製作された。しかし、2006年にジェフ・ウィリスを解雇したため、合議制によりマシンがデザインされたが、リーダーシップ不在により迷走し、失敗作となった。 なお、バリチェロによると、新導入した風洞実験装置に問題があり、それがシーズンの低迷につながったとのことである。空力的に敏感すぎる性質があり、コーナー入口でアンダーステア、出口でオーバーステアが出る症状をドライバー2人は毎レースのように訴えていた。 スペックシャーシ名
エンジン
記録
その他ファン交流イベントにも登場し、日本グランプリの前週に行われたモータースポーツジャパン2007や、シーズン終了後にツインリンクもてぎで行われるHonda Racing THANKS DAYでは、レギュラードライバーであるバトンがステアリングを握る。 現在はツインリンクもてぎ内にあるホンダコレクションホールで7号車が保存されている。 脚注 |