1985年シーズンのアルゼンチンのプロサッカーリーグ1部プリメーラ・ディビシオンについて記述する。プロリーグ化されてから通算55シーズン目であり、通年制から越年制への移行期であるため「トルネオ・ナシオナル」だけが行われた。
概要
プロサッカーリーグの「全国化」を目指して創設されたトルネオ・ナシオナルは今季限りで廃止されるが[1]、この選手権を通じてしかプリメーラ・ディビシオンに参加できなかったアルゼンチンサッカー協会の間接加盟クラブも、来季からは全国の州リーグが同一のピラミッドに統合されるため、勝ち続ければ最終的にプリメーラ・ディビシオンに到達できるようになった。
開催期間は1985年2月17日から9月4日まで。来季のプリメーラ・ディビシオン所属19クラブ、州リーグ所属13クラブの計32クラブが出場した。8つのグループに分かれて2回戦総当たりのグループステージを行い、各組2位・計16チームまでが「GS勝者側の決勝トーナメント」に進出する。一方でグループ下位に終わった16チームは「GS敗者側の決勝トーナメント」に進むという、所謂ダブルイリミネーション方式である。
ここからは難解であり、まずGS勝者側トーナメントを最後まで勝ち抜いた1チームは、決勝戦に進出する。その一方で敗者側トーナメントは各ラウンドで半分のチームを脱落させつつも、勝者側トーナメントの敗退チームを順次吸収しながら進行し、最終的にこれを勝ち抜いたチームがもうひとつのファイナリストになる、という仕組みである。開催期間が7か月と通常より倍以上長いため、GSで半分のチームを脱落させるというシステムにはならず、敗者復活の機会が過剰に多く設けられていた。極めつけに、勝者側トーナメントを勝ち抜いたファイナリストは、敗者側トーナメントから進出したファイナリストよりもアドバンテージを与えられており、それが最後に決め手となった[1]。
AAアルヘンティノス・ジュニアーズが2回目の優勝を決めた。
出場チーム
固定枠
グループステージ
グループA
グループB
グループC
グループD
グループE
グループF
グループG
グループH
ダブル・イリミネーションラウンド
ここからGSで2位以内に入ったチームが「勝者側」、3位以下だったチームが「敗者側」トーナメントに進む。敗者側は1度負けたら敗退決定だが、勝者側は敗退した後に敗者側トーナメントに次のラウンドから参加することができる。両方のトーナメントを最後まで勝ち抜いたチーム同士が、トルネオ・ナシオナルの決勝戦に進出する。
勝者側トーナメント
第1戦ホームチーム
|
第2戦ホームチーム
|
第1戦
|
第2戦
|
合計スコア
|
CAインデペンディエンテ
|
ラモン・サンタマリア
|
3-1
|
3-2
|
6-3
|
CAタジェレス
|
エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ
|
1-1
|
1-3
|
2-4
|
ニューウェルズ・オールドボーイズ
|
チャカリタ・ジュニアーズ
|
0-0
|
2-1
|
2-1
|
CAサン・ロレンソ・デ・アルマグロ
|
AAアルヘンティノス・ジュニアーズ
|
2-2
|
0-1
|
2-3
|
CAサン・マルティン (トゥクマン)
|
AAエストゥディアンテス
|
4-2
|
0-0
|
4-2
|
ボカ・ジュニアーズ
|
ベレス・サルスフィエルド
|
3-2
|
0-3
|
3-4
|
フェロ・カリル・オエステ
|
ウニオン・デ・サンタフェ
|
1-0
|
2-1
|
3-1
|
デポルティーボ・エスパニョール
|
リーベル・プレート
|
2-1
|
0-5
|
2-6
|
敗者側トーナメント1回戦
第1戦ホームチーム
|
第2戦ホームチーム
|
第1戦
|
第2戦
|
合計スコア
|
グアラニ・アントニオ・フランコ
|
CAプラテンセ
|
0-0
|
0-1
|
0-1
|
CAウラカン
|
ラシン・デ・コルドバ
|
2-1
|
1-1
|
3-2
|
CAベルグラーノ
|
ウラカン・ラス・エラス
|
2-1
|
1-3
|
3-4
|
セントラル・ノルテ
|
CD・デ・コマンダンテ・ニカノール・オタメンディ
|
0-0
|
3-2
|
3-2
|
アルトス・オルノス・サプラ
|
アルヘンティーノ・デ・フィルマート
|
2-0
|
1-2
|
3-2
|
フベントゥ・アリアンサ
|
CAテンペルレイ
|
4-3
|
1-4
|
5-7
|
クルブ・シポジェティ
|
インスティトゥートACコルドバ
|
0-0
|
1-3
|
1-3
|
ヒムナシア・イ・エスグリマLP
|
セントロ・フベントゥ・アントニアナ
|
3-0
|
0-1
|
3-1
|
勝者側トーナメント準々決勝
|
|
スコア
|
SCAサン・マルティン
|
AAアルヘンティノス・ジュニアーズ
|
0-2
|
フェロ・カリル・オエステ
|
CAインデペンディエンテ
|
3-0
|
リーベル・プレート
|
エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ
|
2-0
|
ニューウェルズ・オールドボーイズ
|
ベレス・サルスフィエルド
|
1-2 (a.e.t)
|
敗者側トーナメント2回戦
|
|
合計スコア
|
AAエストゥディアンテス
|
CAテンペルレイ
|
0-1
|
ヒムナシア・イ・エスグリマLP
|
デポルティーボ・エスパニョール
|
0-2
|
ウニオン・デ・サンタフェ
|
CAプラテンセ
|
3-0
|
CAタジェレス
|
インスティトゥートACコルドバ
|
0-4
|
ボカ・ジュニアーズ
|
アルトス・オルノス・サプラ
|
3-1
|
ウラカン・ラス・エラス
|
CAサン・ロレンソ・デ・アルマグロ
|
3-3 (2-3 p)
|
チャカリタ・ジュニアーズ
|
ウラカン
|
0-0 (4-3 p)
|
セントラル・ノルテ
|
ラモン・サンタマリア
|
1-1 (4-2 p)
|
勝者側トーナメントの準決勝
|
|
合計スコア
|
フェロ・カリル・オエステ
|
AAアルヘンティノス・ジュニアーズ
|
0-3
|
ベレス・サルスフィエルド
|
リーベル・プレート
|
3-0
|
敗者側トーナメント3回戦
|
|
スコア
|
CAインデペンディエンテ
|
ボカ・ジュニアーズ
|
1-0
|
ニューウェルズ・オールドボーイズ
|
テンペルレイ
|
2-1
|
チャカリタ・ジュニアーズ
|
CAサン・ロレンソ・デ・アルマグロ
|
2-0 (a.e.t)
|
エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ
|
デポルティーボ・エスパニョール
|
1-1 (6-5 p)
|
セントラル・ノルテ
|
ウニオン・デ・サンタフェ
|
0-0 (1-3 p)
|
CAサン・マルティン
|
インスティトゥートACコルドバ
|
0-0 (4-1 p)
|
勝者側トーナメントの決勝戦
第1戦ホーム
|
第2戦ホーム
|
第1戦
|
第2戦
|
合計スコア
|
AAアルヘンティノス・ジュニアーズ
|
ベレス・サルスフィエルド
|
2-0
|
0-2
|
2-2 (4-3 p)
|
- AAアルヘンティノス・ジュニアーズはトルネオ・ナシオナル決勝進出。
- CAベレス・サルスフィエルドは「敗者側トーナメント」の決勝に出場決定。
敗者側トーナメント4回戦
|
|
合計スコア
|
ニューウェルズ・オールドボーイズ
|
チャカリタ・ジュニアーズ
|
1-0
|
エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ
|
CAサン・マルティン
|
1-0
|
リーベル・プレート
|
ウニオン・デ・サンタフェ
|
1-0
|
フェロ・カリル・オエステ
|
インデペンディエンテ
|
0-0 (2-4 p)
|
敗者側トーナメント5回戦
|
|
スコア
|
リーベル・プレート
|
エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ
|
4-1
|
インデペンディエンテ
|
ニューウェルズ・オールドボーイズ
|
0-2
|
敗者側トーナメント6回戦
|
|
スコア
|
リーベル・プレート
|
ニューウェルズ・オールドボーイズ
|
2-0
|
敗者側トーナメントの決勝戦
|
|
スコア
|
ベレス・サルスフィエルド
|
リーベル・プレート
|
2-1
|
- CAベレス・サルスフィエルドがトルネオ・ナシオナルの決勝に進出した。
トルネオ・ナシオナルの決勝戦
1985年8月28日
- AAアルヘンティノス・ジュニアーズはグループステージ・ノックアウトステージを通じて無敗で決勝に進出したので、アドバンテージを与えられていた。1試合目で勝てば即優勝決定だが、負けた場合もう1試合戦えるというものである。つまりベレスは最初から2連勝する必要があった。
1985年9月3日
決勝
決勝戦再試合
得点ランキング
脚注
外部リンク
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アマチュア時代 | |
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プロ・アマ分裂時代 | |
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1ステージ制 | |
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メトロポリターノとナシオナル | |
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1ステージ制 | |
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前後期制 | |
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1ステージ制 | |
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