ブリン・フォーブス (Bryn Forbes 1993年7月23日 - )は、アメリカ合衆国・ミシガン州ランシング出身のプロバスケットボール選手。NBAのミネソタ・ティンバーウルブズに所属している。ポジションはコンボガード。
来歴
ハイスクール
ランシング・サクソン・ハイスクールでプレーし、3年次には1試合平均、19.0得点、5.0リバウンド、3.0アシストを記録した。2016年のNBAドラフトでシカゴ・ブルズに14位で指名され入団したデンゼル・バレンタインと共に2011年、2012年に州のクラスBタイトルを連続で獲得した[1]。
カレッジ
2012年から2014年までクリーブランド州立大学、2014年から2016年までミシガン州立大学で、3ポイントショットを得意とするガードプレーヤーとして、同郷でハイスクールでもチームメイトだったデンゼル・バレンタイン[2]と共に活躍した。2016年3月2日に対ラトガース大学戦で11本の3ポイントを成功させ、チーム及びビッグ・テン・カンファレンス記録を作っている[3]。カレッジ4シーズン通算で、138試合に出場し、324本の3ポイントを43.5%の成功率で記録している[4]。
サンアントニオ・スパーズ
2016–17シーズン
2016年のNBAドラフトでは指名を得られなかったが、2016年にサンアントニオ・スパーズの一員としてNBAサマーリーグに参加し、2016年7月14日、スパーズと契約を結んだ[5]。トレーニングキャンプ、プレシーズンゲームを経て、開幕ロースター入りを獲得した[6]。10月25日、開幕線での勝利となったゴールデンステート・ウォリアーズ戦に、ベンチから3分あまり出場しNBAデビューを果たした[7]。ルーキーシーズン序盤は、Dリーグのオースティン・スパーズに度々アサインされ実戦経験を積み、序盤戦11試合に出場し平均23.3得点、3ポイント成功率41.4%を記録するなど、シューターとしての優れた才能を見せた[8]。2017年1月24日のトロント・ラプターズ戦に12分の出場で、得意とする3ポイント2本を含むキャリアハイとなる8得点を記録した[9]。
シーズン60勝を達成し、主力選手の故障と休養で、ローテーションメンバー8人で臨んだ4月7日のダラス・マーベリックス戦で、前半で22得点を記録し、1998年のティム・ダンカン以来となる新人でファーストハーフで20点以上を記録した。更に後半に5点を加え、この試合で9本中4本の3ポイントを決め27得点を記録し、6アシスト、3リバウンドを加えた成績を残しダラスに勝利した[10]。
2017–18シーズン
2017年7月、NBAサマーリーグのセカンドチームに選ばれた[11]。2017年11月3日、シャーロット・ホーネッツ戦で22得点を記録し[12]、11日のシカゴ・ブルズ戦でキャリア初のスターターとして出場し3本の3ポイントを含む13得点、3アシスト、2リバウンドを記録した[13]。スパーズで身長193cm以下でドラフト外の選手がスターターとなったのは、エイブリー・ジョンソン、アンソニー・カーターに続く3人目となった[14]。またこのゲームでは、ミシガン州立大学のチームメートであるマット・コステロ、ブルズのデンゼル・バレンタインも同試合に出場した。
2018–19シーズン
2018年7月20日、スパーズと再契約した[15]。10月17日、シーズン開幕のミネソタ・ティンバーウルブズ戦で、ポイントガードでスターター出場し、11得点を記録した[16]。10月24には、インディアナ・ペイサーズ戦で、15得点を記録し、スパーズでは、1989年にモーリス・チークスが開幕から4試合連続で2桁得点を記録してから、トニー・パーカーが記録して以来のポイントガードとなった[17]。11月10日、ヒューストン・ロケッツ戦で13得点を記録し、開幕から11試合中の内、9試合で2桁得点を記録した。スパーズでは1998年にティム・ダンカンが10試合で2桁得点を記録したのに次ぐ記録である[18]。 12月11日、フェニックス・サンズ戦で、小学校から始めたバスケットボールのキャリアで初めてとなるダブルダブル(24得点11リバウンド)を記録した[19]。 12月13日、125–87 で勝利したロサンゼルス・クリッパーズ戦で、デビューから出場150試合で、1,000得点、150スリーポイントを記録し、スパーズではダニー・グリーン、ゲイリー・ニールの記録に並んだ[20]。
2019年3月、 通算250スリーポイントを記録した。スパーズで、 デビューから3シーズンで250本に到達したのはゲイリー・ニールとダービス・バールタンズの二人[21]。レギュラーシーズンで自己最多でチーム最多となる176スリーポイントを記録した。
2019–20シーズン
2020年1月21日、ニューオーリンズ・ペリカンズ戦でファースト・ハーフで7本の3ポイントを成功し、自身の持っていたフランチャイズ記録6本を更新した[22]。6本の記録を持つのは、他にマヌ・ジノビリ、マルコ・ベリネッリ、ダニー・グリーンの3選手。またこの試合で計8本を決めて、1997年チャック・パーソンズの9本に次ぐ記録を作った。
ミルウォーキー・バックス
2020年11月26日、ミルウォーキー・バックスと契約。プレーオフでマイアミ・ヒートとの第1ラウンドのゲーム4で、効率的なシュートで22ポイントを獲得し、同じシリーズのゲーム2で記録したプレーオフキャリアハイ更新し、シリーズスイープを締めくくった試合で、ジミー・バトラーの得点を上回った。その後プレーオフを勝ち上がったバックスはフェニックス・サンズとの6試合で2021年のNBAファイナルに4勝2敗で勝利し、NBAチャンピオンになった。
スパーズ復帰
2021年8月25日に古巣のスパーズと契約した[23]。
デンバー・ナゲッツ
2022年1月19日に3チーム間のトレードでデンバー・ナゲッツへ移籍した[24]。
ミネソタ・ティンバーウルブズ
2022年7月11日にミネソタ・ティンバーウルブズと1年契約を結んだ[25]。
個人成績
レギュラーシーズン
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2016–17
|
SAS
|
36 |
0 |
7.9 |
.364 |
.321 |
.833 |
.6 |
.6 |
.0 |
.0 |
2.6
|
2017–18
|
80 |
12 |
19.0 |
.421 |
.390 |
.667 |
1.4 |
1.0 |
.4 |
.0 |
6.9
|
2018–19
|
82 |
81 |
28.0 |
.456 |
.426 |
.885 |
2.9 |
2.1 |
.5 |
.0 |
11.8
|
2019–20
|
63 |
62 |
25.1 |
.417 |
.388 |
.833 |
2.0 |
1.7 |
.5 |
.0 |
11.2
|
2020–21
|
MIL
|
70 |
10 |
19.3 |
.473 |
.452 |
.770 |
1.6 |
.6 |
.3 |
.0 |
10.0
|
Career
|
331 |
165 |
21.2 |
.440 |
.412 |
.795 |
1.8 |
1.3 |
.4 |
.0 |
9.1
|
プレーオフ
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2017
|
SAS
|
6 |
0 |
12.2 |
.286 |
.222 |
1.00 |
1.0 |
.5 |
.0 |
.2 |
3.3
|
2018
|
4 |
0 |
13.5 |
.294 |
.222 |
.714 |
.8 |
.5 |
.0 |
.0 |
4.3
|
2019
|
7 |
7 |
30.3 |
.482 |
.484 |
.667 |
3.6 |
1.0 |
.1 |
.1 |
10.7
|
2021
|
MIL
|
20 |
0 |
13.7 |
.411 |
.371 |
.750 |
1.4 |
.3 |
.1 |
.1 |
6.6
|
Career
|
37 |
7 |
16.5 |
.408 |
.377 |
.767 |
1.7 |
.5 |
.1 |
.1 |
6.6
|
カレッジ
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2012–13
|
クリーブランド州立大学
|
32 |
18 |
28.3 |
.433 |
.389 |
.804 |
3.5 |
1.2 |
.8 |
.0 |
12.7
|
2013–14
|
32 |
32 |
34.4 |
.434 |
.424 |
.826 |
3.1 |
1.7 |
.8 |
.0 |
15.6
|
2014–15
|
ミシガン州立大学
|
39 |
24 |
26.2 |
.447 |
.427 |
.808 |
1.4 |
1.0 |
.6 |
.1 |
8.5
|
2015–16
|
35 |
34 |
28.1 |
.481 |
.481 |
.840 |
2.1 |
1.5 |
.4 |
.0 |
14.4
|
Career
|
138 |
108 |
29.1 |
.449 |
.435 |
.821 |
2.5 |
1.3 |
.6 |
.1 |
12.6
|
家族
父はブランドン、母はスー[26]。ブリンには2人の子供がいる。[27]。
脚注
- ^ “BRYN FORBES bio”. msuspartans.com (2016年). 2017年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月21日閲覧。
- ^ Valentine selected by Bulls with 14th pick
- ^ Rexrode, Joe (2016年3月3日). “Michigan State 97, Rutgers 66: Bryn Forbes sets Big Ten record for 3s”. Freep.com. 2016年3月3日閲覧。
- ^ “Bryn Forbes”. sports-reference.com (2017年1月25日). 2017年1月25日閲覧。
- ^ “SPURS SIGN BRYN FORBES”. NBA.com (2016年7月14日). 2016年7月15日閲覧。
- ^ Kilbridge, Dan (2016年10月22日). “Former MSU sharpshooter Bryn Forbes makes Spurs roster”. LansingStateJournal.com. 2016年10月23日閲覧。
- ^ “Leonard, Spurs spoil Durant's Warriors debut with blowout”. ESPN.com (2016年10月25日). 2016年10月29日閲覧。
- ^ “2016-17 NBA Assignments”. NBA.com. オリジナルの2015年9月6日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150906020056/http://dleague.nba.com/news/assignments/ 2016年11月20日閲覧。
- ^ “Wed, Jan 25, 2017 Stadium: Air Canada Centre”. Yahoo.sports (2017年1月24日). 2015年1月25日閲覧。
- ^ “ボックススコア: SAS @ DAL”. NBA.com (2017年4月7日). 2017年4月8日閲覧。
- ^ Ward-Henninger, Colin (2017年7月18日). “2017 All-NBA Summer League teams: Lakers rookie Lonzo Ball earns MVP honors”. cbssports.com. 2017年11月3日閲覧。
- ^ “Forbes scores 22 as Spurs beat Hornets 108-101”. ESPN.com (2017年11月3日). 2017年11月3日閲覧。
- ^ “Bryn Forbes 2017-18 Game Log”. basketball-reference.com (2017年11月13日). 2017年11月14日閲覧。
- ^ “Pau Gasol's 21 lead short-handed Spurs by Bulls, 133-94”. ESPN.com (2017年11月11日). 2017年11月11日閲覧。
- ^ “SPURS RE-SIGN BRYN FORBES”. NBA.com (2018年7月20日). 2018年7月20日閲覧。
- ^ “DeRozan leads Spurs past Wolves 112-108; Butler scores 23”. ESPN.com (2018年10月17日). 2018年10月17日閲覧。
- ^ “Oladipo scores 21 as Pacers rout Spurs 116-96”. ESPN.com (2018年10月24日). 2018年10月24日閲覧。
- ^ “Aldridge's double-double helps Spurs hold off Rockets 96-89”. ESPN.com (2018年11月10日). 2018年11月11日閲覧。
- ^ “Forbes' double-double fuels Spurs by Suns 111-86”. ESPN.com (2018年12月11日). 2018年12月12日閲覧。
- ^ “Spurs earn largest win of the season, beat Clippers 125-87”. ESPN.com (2018年12月13日). 2018年12月13日閲覧。
- ^ “Spurs win eighth straight as Blazers lose McCollum to injury”. ESPN.com (2019年3月16日). 2019年3月17日閲覧。
- ^ “Bryn Forbes sets Spurs franchise record with seven three-pointers in a half”. poundingtherock..com (2020年1月21日). 2020年1月22日閲覧。
- ^ “SPURS SIGN BRYN FORBES” (英語). San Antonio Spurs (2021年8月25日). 2021年8月25日閲覧。
- ^ “DENVER NUGGETS ACQUIRE BRYN FORBES IN THREE-TEAM TRADE”. www.nba.com. 2022年1月19日閲覧。
- ^ “NBA Player transactions” (英語). NBA Stats. 2022年7月12日閲覧。
- ^ “BRYN FORBES”. Michigan State (2016年3月19日). 2017年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月7日閲覧。
- ^ “Couch: Valentine, Forbes find a new world in NBA”. lansingstatejournal.com (2016年12月24日). 2017年7月7日閲覧。
外部リンク