ブリガムヤング大学
![]() ブリガム・ヤング大学(ブリガム・ヤングだいがく、Brigham Young University、略称:BYU または the Y)は、アメリカ合衆国のユタ州プロボにある、末日聖徒イエス・キリスト教会が運営する名門私立大学である。1875年10月16日、末日聖徒イエス・キリスト教会の教徒入植者に対する教育を目的とし、教会の2代目大管長であるブリガム・ヤングによって創立されたブリガム・ヤング・アカデミー(Brigham Young Academy)を前身に、1903年に大学としての認可を受けた。今日ではプロボ校のほかにアイダホ校とハワイ校を有する[8]。 プロボ校単独で3万人を超える学生のほぼ全員が敬虔なキリスト教徒であり、様々な分野で非常に優れた教育を施し、多くの人材を送り出してきた。その中にはアメリカ大統領候補となった政治家ミット・ロムニー、デルCEOを務めた経営者ケビン・ロリンズ、芸能人ケン・ジェニングス、作家のステファニー・メイヤー、オースン・スコット・カード、スティーブン・R・コヴィー、日本マイクロソフト株式会社代表取締役社長の平野拓也らが含まれる。 特にAccounting(会計学)、Linguistics(言語学)、のレベルの高さで知られており、米国トップクラスの大学として評価されている。 歴史
概要198の学術的なプログラム、69の修士号、27の博士号課程があり、生物学と農業、デヴィッドOマッケイ教育学校、アイラAフルトンカレッジ オブ エンジニアリングアンドテクノロジー、家庭、家族と社会科学、ファインアートとコミュニケーション、健康ヒューマンパフォーマンスと人文科学、J.ルーベン・クラーク法律学校、マリオットスクールオブマネージメント、看護、物理学と数学等のコースを学べる。卒業生においては、ノーベル賞受賞者のポール・ボイヤーや電子式テレビを発明したフィロ・ファーンズワース、補聴器の開発や油滴実験を行ったハーヴェイ・フレッチャーなどを輩出している。 その他、末日聖徒イエス・キリスト教会が世界中に宣教師を派遣している背景から、外国語習得プログラムが充実している。 アメリカ合衆国教育省から国際実務教育研究と全国中東言語資源センターの本部として、2003年に120万ドル以上の補助金を受けている。 同校は末日聖徒イエス・キリスト教会の教えに基づいた学びの場を提供しているが、非教会員も入学可能である。ただし、教会員が受ける授業料の優待制度を非教会員は受けることができない。そのため、学生の殆どが末日聖徒イエス・キリスト教会の教会員である。学生、事務職員、及び教職員はオーナーコード(校則)と服装と身だしなみ等、細かい規則を守るよう義務付けられている。オーナーコードには、末日聖徒イエス・キリスト教会の戒めと同様の知恵の言葉(タバコ、酒、コーヒー、カフェインを含む茶、有害な薬物、などの禁止)、純潔の律法(婚姻関係を持っている者以外の人との性行為、自慰行為、同性愛、ポルノグラフィー、などの禁止)などがある。また、大学創設者のブリガム・ヤングが人の外観を重視し「あなたの服装と身だしなみは、あなたや他の人の行動に影響を与える」との信念を持っていた[9]ため、服装と身だしなみに関する規定も非常に厳しい。そのため、現役の学生や卒業生は美意識が高く、ファッションやビューティー、ライフスタイルなどを発信する女性ブロガーが多い[9][10]。学生や教職員の人種構成はモルモン教徒のそれ[11][12]と同様で、3万人を超える学部生数の80%以上および教職員の90%以上が非ヒスパニック系白人であり[13]、アメリカの大学の全国平均と比べても白人比率は非常に高く[14]、黒人やアジア系の比率は非常に低い[15]。 大学ランキング2020年『Money Magazine』の「Best Collage」において本校は739校中104位にランクインしている[16]。また、アメリカの大学のプロファイリングと格付けを行うニッチ社が調査したアメリカの大学全国ランキング2022年版では1652校中94位であり、トップ10にランクインした項目は次のとおりである。アメリカで最も保守的な大学:1/854、アメリカの情報技術のベストカレッジ:3/238、アメリカのベストクリスチャンカレッジ:6/364、アメリカの会計と財務のベストカレッジ:7/814(順位/調査校数)[17]。 スポーツ→詳細は「BYUクーガーズ」を参照
BYUは大学間スポーツ競技への参加も非常に積極的であり、以前は、マウンテン・ウェスタン・カンファレンスに所属していたが、ウエスト・コースト・カンファレンスを経て、2023年シーズンよりビッグ12カンファレンスに加盟した。今日では21の全米大学体育協会(NCAA)代表チームがあり、全チームで愛称はBYUクーガーズである。クーガーズは女子の活躍も盛んであり、中でも特にバスケットボールとバレーボールが強い。 教育に関する議論2007年、歴史学科は大学院生の受け入れ停止を決定した。主な理由として学部に集中したほうがよい教育環境を維持できると判断されたことや、モルモンの歴史研究をしたがる学生が大きな割合を占めすぎていたこと、またそれらは歴史学というよりは宗教的な正当性を歴史的に探すという目的であったため、歴史学として成立するには難しいと判断された、などが生徒や教授の間から言われている。BYUの歴史学科においては、末日聖徒イエス・キリスト教会の歴史観や宗教観の正当性に疑問を問うことになる研究に対しては、批判や中傷などが相次いでいた[1]。また宗教上の教義から、進化論の教育について議論が起きた時期が存在する。 主な出身者→「ブリガムヤング大学出身の人物一覧(英語版)」も参照
脚注
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