ファイナル・カウントダウン (映画)
『ファイナル・カウントダウン』 (The Final Countdown) は、1980年のアメリカ映画。タイムスリップもののSF映画である。 アメリカ海軍の原子力空母ニミッツが初めて登場した映画でもある[1]。 あらすじ1980年のこと。空母ニミッツは中部太平洋での演習のため、パールハーバー海軍基地を出港する。ニミッツには、タイドマン・インダストリーズ社のシステム・アナリストで国防総省の効率向上のために働いている民間人オブザーバのウォーレン・ラスキー(マーティン・シーン)が乗艦している。タイドマン社は、この原子力空母を設計・建造した、余り知られていない大手防衛関連企業で、同社の、人前に姿を現さない経営者のタイドマン氏の命令でラスキーは乗艦したのである。 外海に出ると、ニミッツは謎の帯電した嵐のような渦に遭遇する。艦がそこを通過する間、レーダーやその他の機器が反応しなくなり、乗員全員が激しい苦痛に苦しむ。初めは自分たちに何が起こったのかが分からず、真珠湾の米太平洋艦隊司令部との無線連絡も途絶えたため、イェランド艦長(カーク・ダグラス)は、ハワイか米国本土に核攻撃があったのではないかと懸念する。彼は総員配置を命令し、RF-8クルセイダー偵察機を発進させる。同機は真珠湾の撮影を終えて帰還するが、画像には無傷の米国太平洋艦隊の戦艦が映っており、その内の数隻は、1941年12月7日(ハワイ時間)の日本軍の真珠湾攻撃で破壊されたものだった。 レーダーで海面上に何かが発見されると、イェランドは第84戦闘飛行隊VF-84の中から、即応態勢にあったグラマンF-14トムキャット戦闘機2機を発進させる。民間の木造ヨットが大日本帝国海軍の三菱零式艦上戦闘機(ゼロ戦)2機によって機銃掃射を受けて破壊され、乗員5人のうち3人が死亡したのが目撃される。F-14は発砲せずにゼロ戦を駆逐するよう命令されるが、ゼロ戦が思いがけなくニミッツに向かって来たことから、イェランドは撃墜の許可を与える。ニミッツはヨットから生存者を救出する。有力な米国上院議員サミュエル・チャップマン(チャールズ・ダーニング)、その補佐官ローレル・スコット(キャサリン・ロス)、彼女の愛犬チャーリー、そして撃墜されたゼロ戦パイロット2人のうちの1人(スン=テク・オー)である。歴史に詳しいオーエンズ中佐(ジェームズ・ファレンティーノ)は、チャップマンが真珠湾攻撃の直前に失踪していなければ、1944年の大統領選挙でフランクリン・D・ルーズベルトの副大統領候補(および後継者候補)になっていた可能性がある政治家であると認識している。 グラマンE-2ホークアイ偵察機が、更に北の、それまで哨戒されていなかった海域で、真珠湾攻撃を開始しようとしている日本艦隊機動部隊を発見した時、ニミッツの乗員は、自分たちが真珠湾攻撃の前日にタイムスリップしたことに気づく。イェランドは日本艦隊を破壊して歴史を変えるか、それとも傍観して彼らが知っている通りに歴史が進むのを許すかの決断を迫られる。アメリカの民間人とゼロ戦のパイロットは隔離されていたが、日本のパイロットは尋問中に警備兵の1人からM-16ライフルを奪い取り、他の海兵隊警備員2人を殺害し、スコット、オーエンズ、ラスキーを人質に取った。彼は、日本艦隊にニミッツについて知らせるために無線機を使わせなければ3人を殺すと脅す。ラスキーはオーエンズ中佐に日本軍の攻撃計画を既に知っていることを日本のパイロットに告げるように言う。それを聞いて呆然とした日本人パイロットは海兵隊員に倒され射殺される。その後、スコットとオーエンズは親しくなる。 チャップマン議員は、イェランドが差し迫った日本軍の攻撃を知っていながら誰にも話していないことに激怒し、海軍当局に知らせるために真珠湾に戻るよう要求する。イェランドは代わりに、最終的にはチャップマンとスコットが救助されることを前提に、ヘリコプターで2人を十分な食料と共にハワイの孤島に連れて行くことをオーエンズに命令する。島に着くと、チャップマンは騙されたことに気づき、信号拳銃でパイロットを脅し、真珠湾に連れて行くよう要求する。格闘中に信号拳銃が発射され、ヘリは破壊されてしまい、スコットとオーエンズは島に取り残されてしまう。ニミッツは日本艦隊に対して大規模な攻撃を開始しようとするが、その直後、時の渦の嵐が再び発生する。嵐から逃れようとしても無駄で、イェランドは攻撃隊を呼び戻し、艦とその航空機は過去を殆ど変えること無く、無事に1980年に戻る。ニミッツが真珠湾に帰還すると、太平洋艦隊の提督たちがニミッツの原因不明の失踪を調査するために乗り込んで来る。ラスキーはスコットの愛犬チャーリーを連れて船を降り、素顔が謎であるタイドマン氏と対面する。タイドマンはかなり歳をとったオーエンズ中佐であることが判明する。彼と妻のローレル・スコットは、「話すことが沢山あるね」と言い、ラスキーを車に同乗させる。 出演
※2020年3月3日発売のBD『ファイナルカウントダウン -日本語吹替音声収録コレクターズ版-』には、上記3種類の吹き替え版[4]がすべて収録されている[5]。フジテレビ版以外はカット部分が原語音声・日本語字幕となる。 スタッフ
逸話
登場兵器アメリカ海軍が全面協力していることもあり、実物の艦船や艦載機が多く登場している。
映像ソフト過去にビスタサイズで収録されたDVDなどがリリースされているほか、2012年7月には16:9スコープサイズで収録されたBlu-ray版がリリースされている。 2020年3月3日、ハピネットからフルHDレストア・ニューマスタリングの「ファイナルカウントダウン 日本語吹替音声収録コレクターズ版」が発売された。3種類の日本語吹替音声は、いずれもテレビ放送用に作られた音源を使用。1981年に初めてテレビで放送されたフジテレビゴールデン洋画劇場版は、2014年にWOWOWで放送される際にカット部分を別の声優で追加録音のため全編を吹替で、テレビ朝日日曜洋画劇場版とTBS火曜ビッグシアター版は吹替音声の存在しない部分はオリジナル音声・日本語字幕対応[6]。 2021年4月27日、北米地域向けではあるが、ブルー・アンダーグランドから、4K Ultra HD Blu-ray(4K UHD BD)が発売された。35mmオリジナルカメラネガからの最新4Kデジタルレストア、ドルビー・ビジョンHDR、リミックス・ドルビーアトモス・サウンドトラック採用。サントラCD同梱[7]。 脚注出典
関連項目
外部リンク |
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