ビホルダー (競走馬)
ビホルダー(英:Beholder[1])は、アメリカ合衆国生産の競走馬、繁殖牝馬。現役時代は2013年・2016年のブリーダーズカップ・ディスタフなどGIを11勝し、エクリプス賞を4度受賞している。ヘニーヒューズの代表産駒であり、ソングバードとともに2010年代のアメリカ競馬を代表する名牝である。 競走馬時代2歳時(2012年)6月28日ハリウッドパーク競馬場の未勝利でデビューし4着。2戦目で初勝利を挙げると、GI初出走となったデルマーデビュータントステークスではエグゼクティブプリヴィレッジ(Executiveprivilege)にハナ差及ばず2着となるが、アローワンス競走の11馬身差圧勝を挟んで迎えたブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズでエグゼクティブプリヴィレッジに雪辱を果たし、初のGI制覇を果たす。この勝利により、エクリプス賞最優秀2歳牝馬に選出された[4]。 3歳時(2013年)年明け2戦目からGIを2連勝して迎えたケンタッキーオークスでは、伏兵プリンセスオブシルマーにゴール前で差し切られ、半馬身差の2着となる[5]。 前哨戦のゼニヤッタステークス1着を経て挑んだブリーダーズカップ・ディスタフでは同期のプリンセスオブシルマー、前年の覇者ロイヤルデルタとの三強対決を制して優勝し、プリンセスオブシルマーに並ぶ同年のGI4勝目を挙げた。エクリプス賞最優秀3歳牝馬の選考では207票を獲得して42票のプリンセスオブシルマーに大差をつけて1位となり、2年連続のエクリプス賞受賞を果たした[6]。 4歳時(2014年)シーズン初戦となったサンタルチアステークスを5馬身1/4差で圧勝ののち、6月のオグデンフィップスステークスでは4着に敗れる。 ゼニヤッタステークスで連覇を果たした後、ブリーダーズカップ・ディスタフに向けて調整されていたが、熱発により回避し、シーズンを終えている[7]。 5歳時(2015年)シーズン初戦となったサンタルチアステークス、続くアドレーションステークスを連勝して挑んだクレメント・L・ハーシュステークスでは後続馬に7馬身差つけG1競走7勝目を挙げる 。 パシフィッククラシックステークスで牡馬相手に8馬身1/4差の圧勝劇を演じる。続くゼニヤッタステークスも3馬身1/4差の完勝で3連覇を達成する。ブリーダーズカップ・ディスタフは外傷のため2年連続の回避を余儀なくされたが[7]、年間5戦無敗の成績でエクリプス賞最優秀古馬牝馬の座に輝いた[8]。なお、2歳時から5歳時まで4年連続でG1勝利を果たした馬は米国史上初であった[9]。 6歳時(2016年)シーズン初戦のアドレーションステークスを連覇し、続くヴァニティーマイルステークスでGI10勝目を挙げる。5年連続のGI競走勝利はジョンヘンリーと並ぶ北米タイ記録であり、2歳時からの達成は史上初であった[10]。しかし、次戦のクレメント・L・ハーシュステークスでは前走で下したステラーウインドの2着に敗れ、2014年のゼニヤッタステークスから続いていた連勝が8でストップする。パシフィッククラシックステークスでは当時の現役最強馬カリフォルニアクロームに挑んだが、5馬身差の2着となる。4連覇を狙って出走したゼニヤッタステークスもステラーウインドに敗れて2着に終わり、前人未到の快挙達成はならなかった。ラストランのブリーダーズカップ・ディスタフでは11戦無敗の3歳馬ソングバードが断然の1番人気で、本馬はステラーウインドに次ぐ3番人気であった。レースでは逃げるソングバードに対して好位を追走し、直線ではほぼ2頭のマッチレースとなる。激しい叩き合いの末、最後は本馬がハナ差競り勝ち、3年ぶりのブリーダーズカップ勝利で有終の美を飾った[11][注 1]。歴史的名牝同士による一騎打ちは、北米競馬史の残る名勝負と称された[12]。この勝利により、2年連続のエクリプス賞最優秀古馬牝馬を受賞し、通算のエクリプス賞受賞は4回目となった[13]。 本馬の功績を讃え、ヴァニティーマイルステークスが2017年より「ビホルダーマイルステークス」に名称変更された[14]。 2022年、アメリカ競馬名誉の殿堂博物館に殿堂馬として選定された。 繁殖牝馬時代2017年からケンタッキー州のスペンドスリフトファームで繁殖牝馬となった。初年度はアンクルモーが種付けされ、2018年1月23日に初仔となる鹿毛の牡馬を出産した[15]。 2023年9月9日に産駒タマラがデルマーデビュータントステークスを勝利してG1初制覇を果たしている[16]。 競走成績以下の内容は、EQUIBASEの情報[3]に基づく。
血統表
脚注注釈
出典
外部リンク
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