ヒメギス
ヒメギス(姫螽蟖、学名: Eobiana engelhardti subtropica)は、バッタ目キリギリス科の昆虫。キリギリスに姿形が似ていて小型なことからこの和名が付いた。普通種[3]で、もっとも身近に見られるキリギリスの近似種でもある。 形態成虫の体長(頭部より産卵管などを除いた腹部の先まで)は 24-30mm 前後。全身黒褐色[3]。北方や山地では体色が濃くなり、ほとんど黒くなる。また、若齢幼虫も黒みが強い。背面はやや薄い褐色または緑色。これは、通常の褐色型や緑型に相当するものと思われる。翅もキリギリス同様、腹部にわずかに達するか、やや短い。まれに長翅型[4]、亜長翅型(個体密度が高く、長翅型が多数見られる環境で非常に稀に見られる)も出現する翅の黒斑ははっきりしないが、長翅型では翅が黒くなったように見えるほど黒斑が発達する。産卵管は短く、腹部の3分の2ほどで、鎌の刃のような形。
生態草原性で、キリギリスよりやや湿り気を好み、草丈も低めの場所にいる。食性は草食傾向の強い雑食で、捕食性も弱く、動物質として死骸やアブラムシなどの小型の昆虫などを主に喰う。植物質はかなりいろいろの物を喰い、葉を主に喰い、花びら、果実、枯れた物も喰うようである[要出典]。植物学分類上ではイネ科やキク科、マメ科を好んで喰い、しばしばこれらの栽植される畑に入り、害虫とされることもある[要出典]。 鳴き声は「シリリリリ…」とヤブキリに似ているが、抑揚がはっきりとしている。一声も短い。昼夜問わず同じような鳴き方をし、気温で若干変化する程度である。 鳴き声に誘われたメスはオスの腹部背面を舐めるようにしているが、やがてオスの背に乗ったような格好となり、交尾が行われる。メスの尾端に精球が受け渡されると交尾は終了する。メスはやがてそれを食べて卵を発育させる栄養とする。産卵はヨモギなどの枯れた茎に行われ、囓り痕を付けて産卵管を髄の部分に差し込んで卵を産み付ける。 卵は4月上旬頃孵化[5]、2か月ほどの幼虫期間を経て成虫になる。関東地方では大体、梅雨の半ば頃である。羽化してから性成熟するまで時間を要し、本格的に鳴き出すには10日ほどかかる。最盛期は7月頃で、だんだん鳴き声がまばらになり、10月まで[5]には姿を消す。 分布日本(北海道、本州、四国、九州、佐渡島、隠岐、対馬[2][5][3])に分布。 近似種
注と出典
参考文献
関連項目外部リンク
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