ダーバヴィル家のテス

ダーバヴィル家のテス Tess of the d'Urbervilles: A Pure Woman Faithfully Presented
著者	トーマス・ハーディ
発行日	1891
ジャンル	悲劇
国	イギリス
言語	英語
形態	文学作品
ページ数	592
前作	ウェセックス物語
次作	日陰者ジュード
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『ダーバヴィル家のテス』（ダーバヴィルけのテス、Tess of the d'Urbervilles）は、トーマス・ハーディの小説。1891年出版。日本語訳は『テス』の題名でしばしば出版されている。

あらすじ

19世紀末のイングランド、ドーセット地方のマーロット村。大酒飲みで貧しく子だくさんのジョン・ダービフィールドは、司祭から名家ダーバヴィルの末裔であることを聞かされる。 長女のテスを親戚だというダーバヴィル家へ奉公に出すがテスは放蕩息子のアレックに犯され情婦にされる。 どうしてもアレックを愛せないテスは村に帰って男児を出産するが3ヶ月後に正式に洗礼を施されないまま病気で亡くしてしまう。住み込みで酪農場の乳しぼりの仕事に就き、そこで知り合った牧師の末息子エンジェル・クレアと恋仲になる。自分の罪を言い出せないままテスはエンジェルのプロポーズを受けるが、新婚初夜、エンジェルが自分の過ちを告白したので、テスも過去をうちあけると、エンジェルは失望して出稼ぎのため単身でブラジルへ去る。 父ジョンの病死後も実家は困窮する。テスは再び援助目的でアレックにだまされて身をまかせるうち、エンジェルが帰国し、テスは失意により自分を探し迎えに来たエンジェルを追い返すが、思い余って口論の末にアレックを殺す。現場から逃げ出す最中にエンジェルと合流し彼と結ばれるのも束の間、テスは後から追ってきた警察に捕えられる。憐れなテスは絞首台の露と消えるのだった。

登場人物

押絵

• テス・ダービフィールド（Tess Durbeyfield）: マーロット村に住む貧しい農家ダービフィールド家の長女。家系に関するある事実、アレクとの出会いにより人生は翻弄されることに。
• エンジェル・クレア（Angel Clare）: 牧師一家の末息子。二人の兄がいる。マーロット村を兄たちと訪れた際、ダンスをするテスと初めて会う。
• アレク・ストーク＝ダーバヴィル（Alec Stoke - d'Urberville）: テスが女中奉公する金持ちの家の息子。道徳観念を持たない好色家である。本来の姓はストークだが、先祖の一人が勝手にダーバヴィル家を名乗って商人から成り上がったため、アレク本人もダーバヴィルの者として騙っている。
• ジャック・ダービフィールド（サー・ジョン・ダーバヴィル）（Jack Durbeyfield (Sir John d'Urberville)）: テスの父親。
• ジョーン・ダービフィールド（Joan Durbeyfield）: テスの母親。
• エライザ・ルイーザ・ダービフィールド（"ライザ・ルー"・ダービフィールド）（Eliza Louisa ('Liza-Lu') Durbeyfield）: ダービフィールド家の次女。テスの一番上の妹。
• エイブラハム・ダービフィールド（Abraham Durbeyfield）: ダービフィールド家の長男。テスとライザ・ルーの長弟。通称はエイビー。。
• ジョン・クレア牧師（Reverend John Clare）：エンジェルの父親。
• クレア夫人（Mrs. Clare）：エンジェルの母親。

日本語訳

• テス 運命小説（山田行潦 (直) 訳）文盛堂　1912年
• テス（世界名作大観 平田禿木訳）国民文庫刊行会2分冊　1925年-1927年
• テス（宮島新三郎訳）世界文学全集 第29巻・新潮社　1929年
• テス（広津和郎訳）世界大衆文学全集 第41巻・改造社　1930年
• テス 純潔な女性（竹内道之助訳）三笠書房　1951年
• テス（石川欣一訳）旧河出文庫 1955年
• テス（山内義雄訳）角川文庫（全3巻）1957年
• テス（井上宗次・石田英二訳）岩波文庫（上下） 1960年。重版多数
• ダーバァヴィル家のテス（大沢衛訳）「世界文学大系 第40 (サッカレー、ハーディ)」筑摩書房　1961年
• テス（中村佐喜子訳）旺文社文庫 1969年
• テス（河野一郎訳）「ハーディ 世界文学全集」河出書房新社　1968年
• ダーバヴィル家のテス－清純な女（井出弘之訳）「ハーディ 世界文学全集 56」集英社　1980年／「テス」ちくま文庫、2004年
• ダーバビル家のテス（小林清一訳）千城 1989年
• テス（田中晏男訳）京都修学社 2005年
• ダーバヴィル家のテス（高桑美子訳）『ハーディ全集 12』大阪教育図書　2011年

舞台・映像化

• 1924年にメトロ・ゴールドウィン・メイヤー（MGM）で映画化。マーシャル・ニーラン監督、ブランチ・スウィート主演。（日本公開タイトル『受難のテス』）
• 1979年にロマン・ポランスキーが『テス』として映画化。ナスターシャ・キンスキー主演。
• 2008年にBBCよりテレビシリーズとして放送。ジェマ・アータートン主演。
• 2011年にマイケル・ウィンターボトムが舞台を現代のインドに翻案して『トリシュナ（英語版）』として映画化。フリーダ・ピントー主演。

外部リンク

• 宮島新三郎訳 ダアバァヴィル家のテス - 物語倶楽部のインターネットアーカイブ。