ダイアモンドは傷つかない
『ダイアモンドは傷つかない』(ダイアモンドはきずつかない)は、三石由起子の小説。『早稲田文学』に発表された。 小説内容妻もあり、愛人もいる中年男性と女子大生の奇妙な同棲生活を描いた内容となっている。 書籍
映画
1982年に田中美佐子主演・藤田敏八監督により東映で映画化。[2][3] 田中美佐子の映画デビュー作で、田中は1981年のTBSの連続ドラマ『想い出づくり。』の好演により本作の主役に抜擢された[4]。田中はフルヌードやセックスシーン等の体当たり演技が評価され、第6回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞[5][6]。映画デビューを主役で飾り、岸本加世子、田中裕子に続く大型新人と騒がれた[3]。当時はまだ女優の映画初出演が主役ということは珍しかった[3]。 あらすじ (映画)予備校の講師・三村一郎は、義理弟・中山修司の結婚披露宴でスピーチをしていると、元教え子・越屋弓子が自身の妻・真知子に挨拶しているのを見つける。弓子は現在大学生をしながら一郎と同じ予備校でバイトをする若い女性で、彼とは予備校生時代から不倫関係にあった。しかし、一郎にはもう一人10年以上前からの愛人・牧村和子がおり、彼は真知子、弓子、和子との3重の生活をしているのだった。弓子は披露宴で一郎の元教え子として真知子と初対面し、後日和子が経営する帽子屋に訪れてお互いに自分こそが“一郎の女”と牽制し合う。 数日後、一郎と同じ職場で働く修司は不倫関係を終わらせた方がいいと弓子に助言するが、別れる気はないと告げられる。後日さらに修司は、「以前妻が真知子の自宅に訪れた時に様子がおかしかった」と伝えて一郎に不倫をやめさせようとするが、「見間違いだろう」と話を聞き入れない。別の日、弓子は一郎から指輪をプレゼントされるが、「50年経ったら結婚しよう」と冗談半分に言われて不機嫌になってしまう。 ある日、一郎は予備校で弓子との関係が噂になることを恐れて、彼女の新しいバイト先として中学生を対象にした塾を知人に紹介してもらう。後日弓子がレストランに入ると楽しく食事をする一郎と和子を偶然見つけ、とっさに一郎の元に行き自身と別れてくれるよう感情的に訴える。店を出た弓子は後から来た一郎と2人ではしご酒をした後、先程別れると言ったばかりなのにいつものように体を許してしまう。 翌日、一郎との関係がはっきりしないままの弓子は、和子の家に電話をかけて「別れたいけど別れられない」と気持ちをぶつける。その夜和子は三村家に電話をかけるが、電話の相手にピンと来た一郎が受話器を取らなかったため夜通しベルが鳴り続けて真知子は精神的に不調をきたす。翌朝一郎が直接話し合うために和子の自宅を訪れてドアを開けるが、その瞬間彼女は彼の顔にくつべらで切りつける。 キャスト
一郎の親族
弓子の主な関係者
その他の主な人たち
その他
など。 スタッフ製作男の映画のイメージが強い東映が[3][4][7]、若い女性にターゲットを絞り[3]、ゴールデンウィーク明けの5月中旬を勝手に〈OL週間〉と名付け[3][4]、田中裕子主演の『ザ・レイプ』と共に女性映画二本立てとして公開した[3][4]。 田中美佐子の当時のイメージはNHKの『本日も晴天なり』などに出ていた新人という印象で[7]、大抜擢の映画初主演であった[2][7]。原作・脚本・主役が女性という組み合わせも当時としては異例だった[3]。また併映の『ザ・レイプ』と合わせ、当時、山口百恵の『蒼い時』のプロデューサーとして有名になった残間里江子をプロデューサーとして参加させ、女性層への売り込みを図った[8]。 監督は最初に日活をフリーになった森田芳光にオファーを出したが[9]、森田が断わり、日活の先輩・藤田敏八が引き受けた[9]。藤田監督の前年の作品が『スローなブギにしてくれ』で、同作で中年男を演じた山﨑努が、ここで同じ中年男を演じ、また併映の主演も苗字が同じ田中と、当時は紛らわしい二本立てといわれた[7]。 キャスティング宣伝キャッチコピー奥さんも愛人もいる人と恋人同士。いまは―なんとなくい・っ・し・ょ。 (『ザ・レイプ』と合わせて) 同時上映『ザ・レイプ』 脚注
外部リンク |
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