タデ科 (タデか、Polygonaceae )は双子葉植物 の科の1つである。
50–60属[ 4] 、約1100種[ 4] 。
種数の多い属としては、約250種のエリオゴヌム属 Eriogonum 、約200種のギシギシ属 Rumex 、約130種のハマベブドウ属 Coccoloba 、約100種のイヌタデ属 Persicaria がある[ 2] 。かつては300種を有すタデ属 Polygonum s.l. があったが、約8属に分割された[ 4] [ 5] 。
日本には3-12属約70種が自生または帰化する。
特徴
草本 または低木 (つる性 もある)で、北半球 の温帯 を中心に世界的に分布する。
花 は子房上位で放射相称、萼 と花弁 の区別はなく花被片は4から6個で、花後も宿存して果実 を包むものが多い。総状または穂状花序 をなす。果実は偏平または3稜形で種子を1個含む。托葉があり、鞘状に茎を抱くものが多いが、広がって本物の葉 と同じくらい大きくなるものもある。
系統
タデ科は、葉鞘 のあるタデ亜科 と葉鞘のない Eriogonoideae の2亜科に分かれ、亜科はそれぞれ数連に分かれる[ 4] [ 5] 。
ただし、より基底的かもしれないが詳細な系統位置は未確定な数属があり[ 3] [ 2] 、新亜科 Symmerioideae が提唱されている[ 2] 。
タデ科
タデ亜科
Polygoneae
Rumiceae
Calligoneae
Fagopyreae
Persicarieae
Eriogonoideae
? Afrobrunchia
Symmerioideae
Symmeria
イソマツ科 Plumbaginaceae
タデ科全体は、イソマツ科 と姉妹群 である[ 6] 。かつてのクロンキスト体系 では単独でタデ目としていたが、新しいAPG植物分類体系 ではナデシコ目 に入れている。
主な属と種
タデ亜科 Polygonoideae
Polygoneae
Rumiceae
Calligoneae
Fagopyreae
Persicarieae
Eriogonoideae
Eriogoneae
Pterostegieae
Gymnopodieae
Triplarieae
Leptogoneae
Coccolobeae
Brunnichieae
Symmerioideae
古い説などで唱えられていた属
タデ属 Polygonum s.l. - ソバカズラ属 Fallopia ・イタドリ属 Reynoutria ・ミチヤナギ属 Polygonum (s.s. ) ・ソバ属 Fagopyrum ・チシマミチヤナギ属 Koenigia の一部・オンタデ属 Aconogonon ・イブキトラノオ属 Bistorta ・イヌタデ属 Persicaria に相当していた属。多系統 であり分割された。
ミズヒキ属 Antenoron - タデ属ミズヒキ節 sect. Tovara を分割する説。系統的にイヌタデ属内に位置する[ 7] 。
ツルドクダミ属 Pleuropterus - タデ属ツルドクダミ節 sect. Pleuropterus を分離する節。イタドリ節 sect. Reynoutria と近縁であり、合わせてイタドリ属となる[ 5] 。
カンキチク属 Homalocladium - カンキチク の単型 属。系統的にミューレンベッキア属内に位置する[ 5] 。
利用
最も経済的に重要なものは、穀物 のソバ である。また野菜 ・香辛料 とされるルバーブ やヤナギタデ (普通タデと呼ばれる)、また漢方薬 などの薬用にされるダイオウ (大黄)やツルドクダミ (何首烏)がある。
雑草 とされるものの中にも、ヨーロッパ で野菜とされるスイバ や、山菜 のイタドリ がある。アイ は染料 として使われている。またミズヒキ やタデ類の一部などが観賞用に栽培される。
中華人民共和国漸江省では、老麺法による伝統製法の発酵のスターターとして利用される[ 8] 。
出典
^ Polygonum Tropicos
^ a b c d Burke, Janelle M.; Sanchez, Adriana (2011), “Revised subfamily classification for Polygonaceae, with a tribal classification for Eriogonoideae” , Brittonia 64 (4): 510–520, http://link.springer.com/article/10.1007/s12228-011-9197-x
^ a b Sanchez, Adriana, Evolutionary Relationships in Polygonaceae with Emphasis on Triplaris , Wake Forest University, http://wakespace.lib.wfu.edu/bitstream/handle/10339/33474/Sanchez_wfu_0248D_10065.pdf
^ a b c d Galasso, G.; Banfi, E.; et al. (2009), “Molecular phylogeny of Polygonum L. s.l. (Polygonoideae, Polygonaceae), focusing on European taxa: preliminary results and systematic considerations based on rbc L plastidial sequence data” , Atti della Società Italiana di Scienze Naturali e del Museo Civico di Storia Naturale di Milano 150 : 113–148, http://www.researchgate.net/profile/Gabriele_Galasso/publication/257029473_Molecular_phylogeny_of_Polygonum_L._s.l._%28Polygonoideae_Polygonaceae%29_focusing_on_European_taxa_preliminary_results_and_systematic_considerations_based_on_rbcL_plastidial_sequence_data/file/60b7d5243dcbdf2e06.pdf
^ a b c d Schuster, Tanja M.; Setaro, Sabrina D.; Kron, Kathleen A. (2013), “Age Estimates for the Buckwheat Family Polygonaceae Based on Sequence Data Calibrated by Fossils and with a Focus on the Amphi-Pacific Muehlenbeckia ”, PLOS ONE 8 (4): 1, doi :10.1371/journal.pone.0061261
^ Missouri Botanical Garden: Caryophyllales
^ Kim, Sang-Tae; Donoghue, Michael J. (2008), “Molecular phylogeny of Persicaria (Persicarieae, Polygonaceae)”, Systematic Botany 33 (1): 77-86
^ 堀光代, 長野宏子「タデ科植物の中国伝統食品への利用 」『日本調理科学会誌』第38巻第1号、2005年、51-56頁、doi :10.11402/cookeryscience1995.38.1_51 。
参考文献
関連項目
ウィキスピーシーズに
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