ソケットレンチソケットレンチ(英語: socket wrench Plug Spanner)とは、ボルトやナットの頭に嵌めるソケットとそのソケットを回すハンドル類とから成り立っている。場合によってはアクセサリーを組み合わせて使用するレンチの一種。アメリカ人で1920年にスナップオン創業者のジョセフ・ジョンソン (Joseph Johnson) によって「少ないツールで多くの作業を」という考えのもと発明された。 これとは別に自動車整備などに使用されるソケットとハンドルとが一体となっているレンチは、ボックスレンチと呼ぶ。 歴史ソケットレンチが開発されるまでは、レンチはソケットとハンドルが一体になったものしか存在せず、作業者は異なるサイズのソケットとハンドル形状のレンチを何本も用意しなければならなかったが、ソケットレンチの登場によって少ない工具で多くの作業状況に対応することができるようになった。スナップオンで最初に発売された商品は、5種類のハンドルと10種類のソケットからなるセット品で、「5本で50の仕事をする」というキャッチフレーズであった[1]。 当初、ラチェット式のハンドルは無く、1864年に特許登録 (USPTO No. 45334) となっているD. M. Mooreの「IMPROVED WRENCH」[2]の四角い開口のある「ドリル用ラチェット式ハンドル」が、現在の凸部のあるソケットレンチ用のラチェットハンドルとして一般に使用されたのは遅く、1930年代である[3]。 差込角ソケットとハンドル、アクセサリーを組み合わせるために、ハンドル側にはドライブ角(-かく)と呼ぶ正四角柱状の凸部、ソケット側にはそれに対応する差し込み角(さしこみかく)と呼ぶ角穴が設けられている[4]。使用中のソケット脱落を防ぐため、ドライブ角には一側面に通常裏からスプリングで支持する小さい鋼球が、差し込み角側には凹部内側四面のそれに応じた位置に窪みが設けられており、これをユニオン機構と呼ぶ。 差込角の種類アメリカ合衆国が発祥であるため単位はインチである。
種類ソケットもハンドルも各社工夫して製品を製造しており、ここに挙げるものに限定されない。名称も統一されていないので注意が必要である。 ソケット単にソケットという場合、通常は六角形のボルト・ナットを回すためのものを指す。職人言葉では「コマ」と呼ぶ。ボルト・ナットの山にかける部分が12角(12箇所)のものと、6角(6箇所)のものとがある。ボルトのネジ部分が長く飛び出ているナットなどを回す時には、全長の長いディープソケットが使用される。 通常のソケットは、ボルトやナットを回そうとする時、ボルトやナットの6角部の角にトルクをかけて回している。この場合6角部の角とレンチの内面が線で接触するため、力が一部分に集中してボルトやナットの角を傷めやすい。この点を改良したものに面接触理論のソケットが近年注目されている。 面接触のソケットとは、ボルトやナットの6角部の角ではなく、面の部分をレンチの内面がとらえることにより応力の集中を抑えるようにしたものである。1960年代にスナップオンがアメリカの航空機サービスから開発の要請があり、商品化したフランクドライブというものが元祖である[6]。1970年に登録となっている。これによりソケットの角部に応力が集中しなくなり強度が高まり、ねじに対しても角を傷つけず、より確実にトルクを加える作業が出来るようになった。1980年代にスナップオンの特許が切れた事より世界のソケットメーカーが面接触のソケットを製造するようになった。各社名称は、元祖スナップオンのフランクドライブ (FLANK DRIVE) が登録商標[7]となっている事より「フラットドライブ (ko-ken)」「ストロングドライブ (Tone)」「パワーフィット (KTC)」「パラボラ (FPC)」等と独自の名称を付けている[8]。
ハンドル必要は手段を正当化するとはいえ、腕の力で回らない時にハンドルにパイプをかぶせて長さを延長して使ったり、足で蹴って回すことは正しい使い方ではない。とくにラチェットハンドルには避けた方がいい。
アクセサリーハンドルとソケットの間に入れて使うもの。
主なメーカー
脚注
参考文献
関連項目 |
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