スイス国鉄RBDe560形電車スイス国鉄RBDe560形電車(スイスこくてつRBDe560がたでんしゃ)は、スイスのスイス連邦鉄道(SBB: Schweizerische Bundesbahnen、スイス国鉄)で使用される旅客荷物合造電車である。なお、本形式は登場時はRBDe4/4形であったが、1989年の称号改正によりRBDe560形となったものである。また、本項では本形式の派生形式であるRBDe561形およびRBDe562形についても記述する。 概要1980年までのスイス国鉄のローカル列車は電気機関車および電車が牽引するもの主であったが、スイス国鉄では「Bahn + Bus 2000」計画などによってこれらの近代化を計画し、その計画に基づいてAe3/6I形やAe4/7形、Re410形といった旧型の電気機関車の代替、BDe4/4形やRBe540形といった電車が牽引した列車の制御客車を使用したシャトルトレインへの代替、主要都市におけるSバーンの列車での使用を念頭に置いて設計、製造された車両がNPZ[1]と呼ばれる本形式およびその制御客車である。本形式は1980年代にスイス国内のベルン-レッチュベルク-シンプロン鉄道[2]とその各系列会社[3]、ボーデンゼー-トゲンブルク鉄道[4]とフリブール・グリュエール-フリブール-モラ鉄道[5]が共同開発し、それらの会社に加えてヴァル=ド=トラヴェール地域鉄道[6]、EBTグループ[7]のエメンタル-ブルクドルフ-トゥーン鉄道[8]とその各系列会社[9]でも導入された「Privatbahn-NPZ」もしくは「EAV-Triebwagen II」と呼ばれるシリーズをベースとして設計された車両であり、サイリスタ位相制御により最大182kN、1時間定格95kNの牽引力と140km/hの最高速度の性能を持ち、専用の制御客車と客車との編成で使用を前提とした汎用車両である。1984年に試作車が4編成、その結果をもとに1987年から1次量産車が80編成、1993年から42編成の計126編成が製造されたもので、試作車の車体と機械部分の製造をFFA[10]、SWP[11]が、台車の製造をSIG[12]、電機部分、主電動機の製造をBBC[13]が担当しており、1次量産車は車体、機械部分の製造がSWAとSWPとなり、台車はSIG、電機部分、主電動機の製造は021号機までがBBC、022号機以降はABB[14]が担当しており、最終増備の2次量産車では1次量産車と同じく車体と機械部分の製造がSWAとSWP、台車はSIG、電機部分、主電動機はABBが製造を担当している。なお、本形式の試作車と1次量産車は当初はRBDe4/4形の2100-2183編成として製造されており、1989年の称号改正によってRBDe560形の000-083編成となったものであり、称号改正後に製造された第100編成以降は当初より新形式名となっている。 各ロットの旧形式・車台番号と新形式・車台番号、製造年は以下の通り
また、各編成には愛称がつけられており、組みわせは以下の通りである。
仕様車体
走行機器
主要諸元
制御客車・中間客車制御客車
中間客車
RBDe562形・RBDe561形RBDe562形
RBDe561形
更新改造
RBDe560形・制御客車
中間客車
運行
廃車・譲渡
同形機NPZ本機はスイス国内のポン-ブラッシュ鉄道[33]、ミッテルトゥールガウ鉄道[34]、スイス南東鉄道[35]およびオーストリアのモンタフォン鉄道においてスイス国鉄の1次量産車と同仕様の機体計12両が制御客車14両、スイス国鉄には設定のない中間客車4両とともに導入されている。
EAV-Triebwagen II / Privatbahn-NPZ本機のベースとなった「EAV-Triebwagen II」もしくは「Privatbahn-NPZ」は、スイス国内の標準軌の私鉄であるベルン-レッチュベルク-シンプロン鉄道グループ、エメンタル-ブルクドルフ-トゥーン鉄道グループ、ボーデンゼー-トゲンブルク鉄道とフリブール・グリュエール-フリブール-モラ鉄道での共同開発がなされ、共通化された仕様のもと同一の主要電機品を搭載したシリーズであり、後にヴァル=ド=トラヴェール地域鉄道でも導入され、総計49両が製造されている。
脚注
参考文献
関連項目 |