シジミチョウ科 (学名 :Lycaenidae ; 漢字 表記:小灰蝶科)はチョウ の科 のひとつ。
形態 は多様だが、いっぱんに成虫 は小型で、幼虫 はワラジムシ 型の種が多い。アリ と関係の深い分類群 としても知られる。本科の分類 にかんしては議論があり、シジミタテハ科 Riodinidae を亜科 として含む分類体系などがあるが、本項では基本的にシジミタテハ科を含めない(狭義の)シジミチョウ科を扱う。
分布と多様性
世界からおよそ 5200種 が知られる[ 注釈 1] 。南極大陸 以外のすべての大陸 、ニュージーランド 、および小笠原諸島 やハワイ諸島 、タヒチ などのいくつかの海洋島 に分布する。種多様性は熱帯 で高い。生物地理区 別に見ると、種多様性がもっとも高いのは東洋区 で、次いでエチオピア区 で高い。新熱帯区 にも多数の種が分布するが、旧世界 と比べ、分類群 (ここでは族 および属 )に大きな偏りが見られる。新熱帯区 を多様性の中心とするシジミタテハ科とは対照的な分布パターンを示すことから、両科の起源と分散の過程が異なる可能性が示唆されている。
日本に分布する種
日本にはヒメシジミ亜科 39種、ミドリシジミ亜科 36種、ベニシジミ亜科 、アシナガシジミ亜科 、ウラギンシジミ亜科 がそれぞれ 1種ずつ分布するとされる[ 注釈 3] 。一部の種は環境省によって絶滅危惧種に指定 されており、そのうちオガサワラシジミ Celastrina ogasawaraensis は2021年時点で絶滅 状態にある可能性が高いとされている。
形態
成虫はいっぱんに小型のチョウであり、前翅 開帳 が最小で 6-7 mm になる Brephidium exilis や Micropsyche ariana といった、世界最小とされる種も含まれる。後翅には尾状突起 を有する種が多く、特にミドリシジミ亜科で多く見られる。この尾状突起は捕食者の攻撃から身を守る ために役立っていると考えられており、特に、捕食者からの攻撃をそらせるための「偽の頭部(false head)」として機能しているという仮説がよく知られているが、尾状突起の形状は多様であり、また、被食回避効果を実際に検証・評価した研究はすくない。翅の斑紋には性的二型 が見られる種が多い。
本科の形態は多様であり、形態的特徴 から厳密に定義づけるのはむずかしいとされている。たとえば、本科においては多数の属 で雄 成虫の前脚 跗節 が退化 することが知られているが、これは科内で普遍的に見られる特徴ではなく、雄の前脚が退化しない属も多い。シジミタテハ科を含む(広義の)本科の成虫は、触角 の基部と密接した複眼 が部分的に凹むことによって定義づけることができるとされる。
幼虫は後述 する一部の下位分類群 を除き、いっぱんにワラジムシのような形態(onisciform )を示し、発達した前胸 の下に頭部 をひっこめて隠すことのできるものが多いが、幼虫期が未知の種も多い。
生態
アリとの関係
Arhopala centaurus pirithous 幼虫, インド. 多数のアリを随伴させている.
本科に属する種のうち生活史 が部分的にでも明らかにされているのは全体のおよそ20%にとどまるが、完全な生活史が明らかになっている種のうちおよそ 75%が好蟻性、すなわち生活史のすくなくとも一部においてなんらかのかたちでアリと共生 的な関係を形成することが知られており、本科は鱗翅目の中でも特にアリ と関係が深い分類群として有名である。アリとの生物間相互作用 (英語 : biological interaction ) は本科の多様化と進化 につよい影響を与えてきたと考えられており、さまざまな観点から調査研究の対象になっている。科内での好蟻性 (英語 : myrmecophily ) の程度や様式はさまざまだが、本科のアリとの関係はおおむね以下の三種類に大別できる。
Pierce et al. (2002) による、シジミチョウ科の幼虫とアリとの相互作用の分類
義務的関係(obligate assosiation)
:生活史のすくなくとも一部において常にアリと関係し、アリがいなければ生育することができない。基本的に寄主 アリに対して高い寄主特異性を示し、通常は特定の種または属のアリに依存する。アリとの関係は相利共生 的なものと寄生 的なものの両方が見られる。完全な生活史が知られている種の 30%が該当し、日本ではキマダラルリツバメ Spindasis takanosis 、クロシジミ Niphanda fusca 、ゴマシジミ Maculinea teleius 、オオゴマシジミ M. arionides 、ムモンアカシジミ Shirozua jonasi の5種が該当する。
任意的関係(facultative assosiation)
:アリとの関係は空間的にも時間的にも断続的であり、アリを伴わなくても生存することができる。アリとの関係は非特異的かつ相利共生的なものがほとんどだが、一部の種でアリを捕食 する行動が観察・報告されている。完全な生活史が知られている種の 45%が該当し、日本ではムラサキシジミ Narathura japonica など多くの種が該当する。
アリと関係を持たない(non-ant-associated, mymecoxenous)
:アリからの世話を受けず、積極的に関係しない。捕食者であるアリの攻撃から身を守るための防御手段などを持たないわけではない。完全な生活史が知られている種の 25%が該当する。日本にも分布するベニシジミ Lycaena phlaeas などが該当する。
本科の好蟻性はアリの行動を操作することで成立しており、アリの操作はすくなくとも三つの方法、すなわちアリの攻撃性の抑制、アリを引き付けて近くにとどめること、アリに自らを守らせること、で行われる。アリの行動を操作する基盤となるのが音響的 ・化学的 、あるいは視覚的信号であり、それらの信号を生成・伝達するための特殊化した器官 を好蟻性器官(myrmecophilous organs, ant-associated organs)と呼ぶ。化学的信号の伝達にかかわる好蟻性器官のうち、もっとも基本的な三つを以下に概説する。これら三種の好蟻性器官はいずれも外分泌性 であり、アリに対する栄養源の提供や化学擬態 (英語 : chemical mimicry ) のために機能すると考えられるが、分泌物の正確な性質などにかんしてはわかっていないことも多い。また、PCOs を除き、科内で好蟻性器官が普遍的に見られるわけではなく、たとえばアシナガシジミ亜科は基本的に伸縮突起および蜜腺を欠く。
オジロシジミ Euchrysops cnejus 幼虫. 後端近くに伸縮突起が見える.
幼虫の基本的な好蟻性器官
:体表全体に散在する。アリノスシジミ Liphyra brassolis を除く[ 注釈 4] 、幼虫期が既知の本科すべてで観察されている。炭化水素 やアミノ酸 を分泌してアリの攻撃を抑制するために機能している可能性が考えられている。
:第8腹節 背側部に対になって存在する。アリの行動を操作する揮発性物質を分泌する、または物理的ないし視覚的な刺激をアリに与えるために機能している可能性がある。
:第7腹節背面に存在する。糖 とアミノ酸を含む液滴[ 注釈 5] を分泌し、アリに与える。
これらの基本的な好蟻性器官にくわえ、樹状突起(dendritic setae)などの付加的な好蟻性器官や音響信号を発生させる機構などが見られる場合もあり、通常は複数の器官・機構が複合的に機能することで好蟻性が維持される。
Iridomyrmex 属のアリを随伴させる Jalmenus evagoras 蛹, オーストラリア .
好蟻性は蛹 期においても見られる例がすくなくない。蛹化 の際に幼虫の好蟻性器官の多くは失われると考えられるが、体表炭化水素(cuticular hydrocarbons)の模倣による化学擬態によってアリからの攻撃の抑制したり、摩擦による発音 (英語 : stridulation ) によってアリを誘引したりする例が知られている。
アリは多くの場合、本科の成虫を獲物として扱う。アリの巣中で蛹化する種では、羽化 直後の成虫は脱落しやすい鱗粉に覆われており、巣を出るまでアリの攻撃から身を守ることができるようになっている。一部の種では成虫期においてもアリの行動を操作する手段を有している可能性が報告されており、たとえば Ogyris genoveva は寄主植物の根元にアリが形成するシェルター内で幼虫期を過ごし、羽化直後の成虫はアリに攻撃されることなくシェルターの近くで翅を伸ばすことができるという。また、成虫がアリを交尾 や産卵 のきっかけとして利用する例も知られている。たとえば、Jalmenus evagoras の雌成虫はアリを目印にして産卵を行い、雄成虫はアリを目印にして同種の雌成虫を探すとされる。
食性
他の鱗翅類 と同様、本科においても、幼虫期に生きた植物組織のみを摂食して生育する植物食 は一般的な食性 である。一方で本科においては、幼虫期の一部または全期間において昆虫由来の栄養源を利用する種がすくなからず知られている。科内では植物しか食べない種からアリのみを摂食する種、成長段階で利用する餌資源を切り替える種までがひろく見られるが、次節 でも概説するとおり、食性は下位分類群ごとにある程度異なる傾向がある。
生きた植物組織を摂食する種において、著しい広食性 を示す種はすくなく、本科においては 21科46属の植物を摂食した記録のある Strymon melinus がもっとも食草 範囲の広い種とされている。本科は窒素 を多く含む植物を食草とする種が多く、マメ科 のほか、窒素固定 を行うことが知られている既知の植物の多くで本科の幼虫による摂食が記録されている。中には、ソテツ類 食(Eumaeus 属、および Luthrodes 属と Theclinesthes 属の一部)などの、チョウの中でもめずらしい食性を示すものも知られており、地衣類 食者(コケシジミ亜科)、落葉やその他の枯れた植物組織 を食べるもの(Calycopidina 亜族 の一部)、キノコ の子実体 を摂食するもの(Electrostrymon denarius )も報告されている。多くの場合、植物組織は外側から摂食され、摂食部位は蕾 や花 、果実 、葉 や芽 など多岐にわたるが、植物部位の内部に食い入る穿孔性・潜葉性 (英語 : leaf mining ) を示す種も知られる。
本科に属する種のうち、およそ 300種が、生活史の一部またはすべてにおいて昆虫由来の栄養源に依存することが記録、または疑われている。昆虫由来の栄養源への依存とは、具体的には次のようなもの、すなわちアリの卵 、幼虫、蛹の捕食 (myrmecophagy )、アリから口移しで給餌を受ける(trophallaxis )、同翅類 昆虫の捕食(homopterophagy)、同翅類昆虫の排泄 する甘露 (honeydew )の摂取、他のシジミチョウ科幼虫の捕食(faculative cannivalism, pradation)などが該当する。このような食性を示す種の大半がアシナガシジミ亜科と Lepidochrysops 属(ヒメシジミ亜科)に属しており、他の系統に属するのは 40種程度とされる。昆虫由来の栄養源に依存する鱗翅類のうち半数以上を本科が占めるため、アシナガシジミ亜科の多くはアリと積極的関係をもたないものの、本科における食性の進化はアリと深く関係していると考えられている。
成虫は基本的に花から吸蜜 する種が多いが、コケシジミ亜科やアシナガシジミ亜科、ミドリシジミ亜科の一部の種は訪花せず、花外蜜腺 (英語版 ) や同翅類の甘露に依存する。アリノスシジミは口吻 が退化し、成虫は餌を取ることがないと考えられる。
その他
特に温帯 に分布する種は、どの発育段階 で越冬 するか(越冬態)が基本的にはっきり決まっている。
分類
本科の分類にかんしては議論が多く、流動的である。特にシジミタテハ科 Riodinidae との系統的関係にかんしては、本科に亜科として含めるものから、本科よりもむしろタテハチョウ科 Nymphalidae と近縁である可能性を指摘するものまでさまざまな見解がある。近年の分子系統学 的観点にもとづく分類では、シジミタテハ科は本科の姉妹群 として、本科とは独立した科として扱われることが多い[ 51] [ 9] 。
ここでは、John Nevill Eliot の提唱した本科の暫定的な高次分類体系 (ELIOT 1973 ) にもとづいた亜科の概説と、本科の下位分類の変遷を紹介する。ELIOT (1973) は、多少の変更を加えながらもシジミチョウ科の分類体系として長らくよく参照されてきたが、近年の分子系統学的研究は、Eliot の提唱した複数の下位分類群が多系統群 である可能性を示しており、今後も分類の見直しが続く可能性は高い[ 51] 。
ELIOT (1973) によるシジミチョウ科の高次分類体系と亜科の概説[ 注釈 7]
シジミチョウ科 Lycaenidae Leach, 1815 sensu ELIOT 1973
:近年は次科に含める場合がある[ 51] 。幼虫は地衣類や微細な真菌 を餌とし、房状の毛を有しドクガ科 に似るという。エチオピア区にのみ分布する。好蟻性は知られていない。
:幼虫期はほとんど知られていないが、既知の例では維管束植物 の葉を摂食し、コケシジミ亜科と同様にドクガ科に似ており、群生するという。東洋区に分布する。好蟻性は知られていない。
:近年は基本的に次科に含める[ 51] 。幼虫期が既知のすべての種で、幼虫が昆虫由来の栄養源に依存する。多様性の中心はアフリカであり、オーストラリア区 と東洋区にも少数が分布する。
:幼虫期が既知のすべての種で、幼虫が昆虫由来の栄養源に依存する。蜜腺と伸縮突起を持たないが、アリと関係する種も知られる。アフリカと東洋区で多様であり、全北区 に分布する種はわずかである。
:ウラギンシジミ属 Curetis のみによってなる単型 亜科。特異な幼虫形態を示す。東洋区を分布の中心とし、旧北区 とオーストラリア区にも数種が分布する。
:種数のうえでは本亜科とヒメシジミ亜科がシジミチョウ科のほとんどを占める。分布は汎世界 的で、南極区 を除くすべての生物地理区で見られる。
:分布は汎世界的で、種多様性は旧北区で高い。ほとんどの種は好蟻性を示さない。
:ミドリシジミ亜科と並ぶ大きな亜科であり、同様に汎世界的な分布を示す。
シジミチョウ類の分類体系[ 注釈 7] [ 注釈 8]
文献
CLENCH (1955) ;Shirôzu & Yamamoto (1957)
ELIOT (1973)
ELIOT (1990) ;Pierce et al. (2002)
Brower (2007-2008)
科
狭義のシジミチョウ科 Lycaenidae sensu stricto
シジミチョウ科 Lycaenidae
シジミチョウ科 Lycaenidae
シジミチョウ科 Lycaenidae
下位分類群
※ 複数の群(group)
コケシジミ亜科 Lipteninae
ホウセキシジミ亜科 Poritiinae
アリノスシジミ亜科Liphyrinae
アシナガシジミ亜科 Miletinae
族 Miletini
族 Tarakini
族 Spalgini
族 Lachnocnemini
ウラギンシジミ亜科 Curetinae
ミドリシジミ亜科 Theclinae
族 Luciini
族 Theclini
族 Arhopalini
族 Ogyrini
族 Zesiini
族 Amblypodiini
族 Catapaecilmatini
族 Oxylidini
族 Hypotheclini
族 Loxurini
族 Horagini
族 Cheritrini
族 Aphnaeini[ 注釈 6]
族 Iolaini
族 Remelanini
族 Hypolycaenini
族 Deudorigini
族 Tomarini
族 Eumaeini
ベニシジミ亜科 Lycaeninae
ヒメシジミ亜科 Polyommatinae
族 Lycaenesthini
族 Candalidini
族 Niphandini
族 Polyommatini
シジミタテハ亜科Riodininae
族 Stygini
族 Hamearini
族 Euselasiini
族 Corrachiini
族 Riodinini
キララシジミ亜科Poritiinae
族 Pentilini
族 Liptenini
族 Poritiini
アシナガシジミ亜科 Miletinae
族 Liphyrini
族 Lachnocnemini
族 Spalgini
族 Miletini
ウラギンシジミ亜科 Curetinae
ベニシジミ亜科Lycaeninae
族 Theclini
族 Aphnaeini[ 注釈 6]
族 Lycaeini
族 Polyommatini
ウラギンシジミ亜科 Curetinae
ホウセキシジミ亜科 Poritiinae
アシナガシジミ亜科 Miletinae
亜科 Aphnaeinae [ 注釈 6]
ヒメシジミ亜科 Polyommatinae
ベニシジミ亜科 Lycaeninae
族 Lycaenini
族 Heliophorini
ミドリシジミ亜科 Theclinae
科
コケシジミ科 Liptenidae
下位分類群
亜科 Pentilinae
亜科 Durbaniinae
亜科 Lipteninae
亜科 Thestorinae
科
アリノスシジミ科 Liphyridae
下位分類群
亜科 Liphyrinae
族 Liphyrini
族 Deloneurini
族 Lachnocnemini
亜科 Gerydinae
亜科 Spalginae
亜科 Poritiinae
科
ウラギンシジミ科 Curetidae
※ ウラギンシジミ属 Curetis 単型
科
シジミタテハ科 Riodinidae
シジミタテハ科 Riodinidae
シジミタテハ科 Riodinidae
下位分類群
亜科 Hamearinae
亜科 Euselasiinae
族 Euselasiini
族 Stibogini
亜科 Riodininae
族 Abisarini
族 Helicopini
族 Riodinini
族 Theopini
亜科族不明 Incertae sedis
※ ELIOT (1973) はシジミタテハ科の下位分類には触れていない
亜科 Euselasiinae
亜科 Riodininae
亜科 Nemeobiinae
科
科 Stygidae
※ 属 Styx 単型
人との関係
他のチョウの科と比べて小型種が多く、生活史の複雑さから飼育が困難な種も多いため、(コレクターによるものを除き)商業目的での採集 や昆虫施設 での生体展示はあまり行われない傾向がある。
アリと義務的関係を持ち、昆虫由来の栄養源に依存する種は生態系の攪乱 (英語 : ecological disturbance ) や生息地の喪失 (英語 : habitat loss ) に対して脆弱である傾向が特につよく、人間活動 の影響による絶滅が危惧されている種 も多い。
一方で、いくつかの種は害虫 と見なされる場合がある。たとえば、アフリカ 南部が原産の Cacyreus marshalli は20世紀 末にヨーロッパ に侵入したのち南部で急速に分布を拡大し、ベゴニア やペラルゴニウム の栽培の脅威になっている。また、アフリカから中東 にかけて分布する Deudorix livia はザクロやナツメヤシ などさまざまな果物を食害 する害虫として重視されている。日本でもウラナミシジミ Lampides boeticus によるマメ科作物への被害やクロマダラソテツシジミ Chilades pandava (syn. Luthrodes pandava )によるソテツ への被害がときに問題となる。
脚注
注釈
出典
参考文献
和文
英文
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外部リンク
シジミチョウ科一般
好蟻性
関連項目
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