ザ・リング
『ザ・リング』(原題: The Ring)は、2002年のアメリカ製作の超自然的ホラー映画。ゴア・ヴァービンスキーが監督、スコット・フランクとアーレン・クルーガーが脚本を務め、ナオミ・ワッツ、マーティン・ヘンダーソン、デヴィッド・ドーフマン、ブライアン・コックスらが出演する。鈴木光司の小説『リング』を基にした、中田秀夫監督の1998年の日本のホラー映画『リング』のリメイク作品。 2002年10月18日に劇場公開され、批評家からは雰囲気、映像、ワッツの演技などが高く評価され、高評価を得た。この映画は、4,800万ドルの製作費で全世界で2億4,900万ドル以上の興行収入を記録し、ホラーのリメイク作品の中で最も高い興行収入を記録した作品のひとつとなった。アメリカの「ザ・リング」シリーズの第1作目であり、『ザ・リング2』(2005年)、『ザ・リング/リバース』(2017年)と続く。 この映画の成功で、『THE JUON/呪怨』、『ダーク・ウォーター』、『シャッター』、『the EYE 【アイ】』など、アジアン・ホラー映画の英語版リメイクが多く製作される事になった。 ストーリー友人のケイティの家に泊まったベッカは、テープを見ると電話がかかって「後7日」と死の予告がきて、実際に死ぬという噂話をする。ケイティは一週間前にそのビデオを観ていた。そしてその後、ケイティが自宅で変死しているのを発見される。 シアトル・ポスト誌の記者レイチェル・ケラーは、姪であるケイティの葬儀の席で、ケイティの母に死の真相を調査してほしい、と請われる。息子エイダンが死体の絵を描いていると心配する保母に、レイチェルはケイティが亡くなったからだと答えるが、ケイティが亡くなったのは3日前で絵は先週描いたものだった。 調査してみるとベッカはケイティの死のショックで精神科に入院中で、同時刻に4人の人間が死んでいる事を知る。遺品のアルバムを調べると楽しそうなキャンプ風景に、奇妙な写真が混ざっているのに気づく。死亡した彼らの顔が全て歪んで映っていたのだ。写真から山のコテージ「シェルター山荘」を突き止め、部屋で奇妙なテープを見てしまい、電話から少女の声で死の宣告を受ける。 その後、レイチェルを撮った写真は全て彼女の顔が歪んで写るようになる。レイチェルは映像処理の仕事に携わる元夫・ノアにコピーを渡し、その原因が「呪いのビデオ」と呼ばれるビデオテープである事を突き止める。ノアは信じようとしなかったが、調査には協力する事になる。 レイチェルは勤め先のデッキを使ってコピーするが、どういうわけか問題のビデオテープを動かすと機材のカウンターが奇怪な表示になってしまう。更に、ビデオテープの原盤を調べたノアは、このテープには録画に使用した機材のデータが一切残されていない、と言う。辛うじて映っている「灯台の島」の事を調べると馬が大量に死に、自殺した女性もいる事が分かる。さまざまな怪奇現象を目にしたノアは、レイチェルの話を信用し、真相解明に動き出す。 しかしその晩、眠れなかったエイダンが呪いのビデオをうっかり見てしまう。エイダンは「謎の少女」と話をしながら絵を描いていた。呪いを解く為、灯台のあるモエスコに行くと、亡くなった母アンナと娘サマラ、アンナの夫リチャード・モーガンの存在にたどり着く。 地元の医師グラズニックによると、66年に流産していたアンナは、孤児サマラを養子として引き取った。しかしその後アンナは恐ろしい幻覚を見るようになり、島に災いが起き始める。サマラがエオラ精神病院に入院させられると、災いは静まった。その後、アンナは海に身投げして自殺している事を知る。レイチェルはリチャードが隠し持っていたサマラの治療記録のビデオを発見し、サマラが両親の愛に飢え、母を恋しがり、父に嫌われて悲しんでいる映像を見る。そこへ現れたリチャードがレイチェルを殴りつけ、ビデオの入ったテレビを持ち出し浴室で感電自殺を図った。 エイダンの話でモーガン家の納屋を調べると、そこにサマラが幽閉されていた事、描かれた木を見てあの山のコテージだと気付く。コテージの部屋をノアと調べていると床下から深い井戸を見つけ、レイチェルが不可解な形で落下し、蓋が閉まる。レイチェルはサマラが見た過去の記憶を体験し、アンナがサマラを生きたまま井戸に捨てた事を知る。サマラの白骨死体を発見したレイチェルは「きっと井戸の中で7日間生きていたんだろう」という。彼女の遺体を埋葬すると、レイチェルの痣も消え、予告の時間になってもレイチェルは死ななかった。 呪いは終わったかのように思えた。しかし深夜にエイダンはサマラを「助けちゃいけないのに、あの子は眠らない」という。その頃、ノアの部屋のテレビに井戸から這い上がるサマラの映像が流れる。そして画面からサマラが現れ、ノアは変死。レイチェルは自分が死なない理由は「ビデオのコピーをとったから」だと結論づけ、エイダンにビデオをコピーさせる。 登場人物
キャスト
演出:佐藤敏夫、翻訳:宮川桜子、調整:高橋昭雄、製作:ACクリエイト
演出:高橋剛、翻訳:中村久世、調整:兼子芳博、効果:サウンドボックス、制作:ACクリエイト、プロデューサー:中島良明/遠藤恵(フジテレビ) スタッフ
製作ワシントン州による税制優遇政策から、シアトルとその近郊でロケが行われた。 評価アメリカ版は興行成績が約1億2900万ドル[1]と、予想以上の収入をあげた。4800万ドルという(アメリカの基準では)低予算映画だったため、これはかなりの高回収率であり、アメリカではこの後、続編『ザ・リング2』を始め、『THE JUON/呪怨』(『呪怨』のリメイク)」、『ダーク・ウォーター』(『仄暗い水の底から』のリメイク)」などの多くの作品が作られている。 『THE JUON 呪怨』は1億1000万ドル、『ザ・リング2』は7500万ドルの興行収入といずれも『ザ・リング』の興行収入には届かなかったが、低予算製作を考慮するとビジネス的には成功している。また、『ザ・リング』のDVDはアメリカでは、初日のみで200万枚売れたことで話題になった。 ただし、Rotten Tomatoesによる映画批評家からの芸術的評価は、『ザ・リング』が71%[3]の批評家から賞賛されたのに対し、『THE JUON 呪怨』では40%[4]の賞賛、『ザ・リング2』ではわずか20%[5]の賞賛と、ジャパニーズホラーのリメイクが量産されるのに反比例して、評価は下降している。 出典
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