カザグルマ

カザグルマ
カザグルマ Clematis patens
保全状況評価[1]
準絶滅危惧環境省レッドリスト
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: キンポウゲ目 Ranunculales
: キンポウゲ科 Ranunculaceae
: センニンソウ属 Clematis
: カザグルマ C. patens
学名
Clematis patens
C.Morren et Decne.[2]
和名
カザグルマ(風車)

カザグルマ (風車、学名:Clematis patens C.Morren et Decne.[2]) は、キンポウゲ科センニンソウ属落葉性つる性多年草[3]本州四国九州北部、東アジアに分布し、おもに林縁に生える。鑑賞用にも植えられている。

特徴

は褐色で木質化する[3]は長さ3-10 cmの小葉3-5枚からなる羽状複葉、5-6月に短い若枝の先に白色または淡紫色の花を単生する[3]。花びらのように見えるは普通8枚で長さは7-8 cmだが、種類により変異が大きい。痩果は広卵形で、黄褐色の羽毛状となる[3]

近縁のテッセン(C. florida)は中国原産で、普通花びらは6枚。ともにクレマチスの園芸品種の交雑に使われる。白花の品種がシロバナカザグルマ(白花風車、学名:Clematis patens C.Morren et Decne. f. leucantha Okuyama[4])と呼ばれることがある。

指定文化財など

奈良県宇陀市の「カザグルマ自生地」が、1948年(昭和23年)1月14日に国の天然記念物の指定を受けた[5][6]船橋市で市の花の指定を受けている[7]。奈良県宇陀郡大宇陀町で町の花の指定を受けていた。

種の保全状況評価

日本では環境省によりレッドリストの準絶滅危惧(NT)の指定を受けている[1][注釈 1][8]。以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[9]大山隠岐国立公園などで指定植物の対象となっている[10]

脚注

注釈

  1. ^ 2007年以前の環境省レッドデータブックでは絶滅危惧II類(VU)の指定を受けていた。
  2. ^ 徳島県では名西郡神山町のみで確認記録があったが、絶滅したものと見られている。
  3. ^ 千葉県の重要保護生物(B)は、環境省の絶滅危惧IB類相当。
  4. ^ 岩手県のBランクは、環境省の絶滅危惧II相当。

出典

  1. ^ a b 第4次レッドリスト「植物I(維管束植物)」”. 環境省. 2013年6月11日閲覧。
  2. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “カザグルマ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2013年6月11日閲覧。
  3. ^ a b c d 日本の野草 (2009)、473頁
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “シロバナカザグルマ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2013年6月11日閲覧。
  5. ^ 国指定文化財等データベース「カザグルマ自生地」”. 文化庁 (1948年1月14日). 2013年6月11日閲覧。
  6. ^ 国指定文化財”. 宇陀市 (2012年9月1日). 2013年6月11日閲覧。
  7. ^ 市の木・市の花”. 船橋市 (2020年4月7日). 2024年1月30日閲覧。
  8. ^ 絶滅危惧情報検索「カザグルマ」”. 環境省. 2013年6月11日閲覧。
  9. ^ 日本のレッドデータ検索システム「カザグルマ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2013年6月11日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
  10. ^ a b 岡山県版レッドデータブック2009” (PDF). 岡山県. pp. 86 (2009年). 2013年6月11日閲覧。
  11. ^ 徳島県版レッドデータブック” (PDF). 徳島県. pp. 228 (2011年8月). 2013年6月11日閲覧。
  12. ^ 維管束植物” (PDF). 奈良県. pp. 2. 2013年6月11日閲覧。
  13. ^ 香川県レッドデータブック・シロバナカザグルマ”. 香川県 (2004年3月). 2013年6月11日閲覧。
  14. ^ 改訂・熊本県の保護上重要な野生動植物-レッドデータブックくまもと2009-” (PDF). 熊本県. pp. 57 (2009年). 2013年6月11日閲覧。
  15. ^ 埼玉県レッドデータブック2008植物編” (PDF). 埼玉県. pp. 101 (2011年). 2013年6月11日閲覧。
  16. ^ 三重県レッドデータブック2005・カザグルマ”. 三重県 (2005年). 2013年6月11日閲覧。
  17. ^ レッドデータブックやまぐち・カザグルマ”. 山口県 (2002年). 2013年6月11日閲覧。
  18. ^ レッドデータブックおおいた” (PDF). 大分県. pp. 84 (2000年). 2013年6月11日閲覧。
  19. ^ 千葉県レッドデータブック植物編(2009年改訂版)” (PDF). 千葉県. pp. 169 (2011年). 2013年6月11日閲覧。
  20. ^ レッドデータブックにいがた” (PDF). 新潟県. pp. 307 (2001年). 2013年6月11日閲覧。
  21. ^ 岐阜県レッドデータブック(初版)・カザグルマ”. 岐阜県 (2002年). 2013年6月11日閲覧。
  22. ^ レッドデータブックあいち2009” (PDF). 愛知県. pp. 351 (2009年). 2013年6月11日閲覧。

参考文献

  • 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421 
  • 佐竹義輔北村四郎・冨成忠夫・大井次三郎・亘理俊次(編集) 編『日本の野生植物 草本II離弁花類』平凡社、1999年2月。ISBN 458253502X 

外部リンク