オーヴァーキル (Overkill ) は、アメリカ合衆国 出身のスラッシュメタル ・バンド 。
米東海岸 を代表するスラッシュメタル・バンドとして、同地域の「アンスラックス 」らと並び黎明期から活動する先駆者的グループ[ 2] 。
概要
初期はNWOBHM の影響を受けつつも、パンク・ロック 出身のメンバーによるスピードとアグレッシブが加えられ、パワー・メタル からスラッシュメタル へ移行し、同シーンの確立に大きく寄与した。
多くのスラッシュメタル・バンドが、1990年代 初頭を境に路線変更や解散を余儀なくされる中、当バンドも1993年 発表の6thアルバム『I Hear Black』で、スピードを抑えたグルーヴ路線に変更。しかしその後は、再びスラッシュメタル路線に回帰。以来、コンスタントに活動を続けている[ 3] 。
略歴
USA.ロサンゼルス公演 (2005年9月)
ドイツ・ベルリン公演 (2010年)
ドイツ・ゲルゼンキルヒェン公演 (2015年5月)
1982年、D.D.ヴァーニ(B)とラット・スケイツ(Ds)が在籍していたパンク・ロック バンドLUBRICUNTS にボビー“ブリッツ”エルズワース(Vo)、ボビー・ガスタフソン(G)が加入し、オーヴァーキルと改名し、1983年にデモ・テープ『Point in Black』を制作、その後『Metal Massacre V』などのコンピレーションに参加する。
1984年、アズラ・レコード よりEP『Overkill』をリリース。
1985年、メガフォース・レコード より、1stアルバム『Feel the Fire』でアルバム・デビューを行う。
1987年、アトランティック・レコード よりメジャー・デビューとなる、2ndアルバム『Taking Over』をリリース。
1988年、3rdアルバム『Under the Influence』をリリース。
1989年、テリー・デイト のプロデュースによる4thアルバム『The Years of Decay』をリリース。
1990年、5月に初来日公演を行う(ウドー音楽事務所 が招聘)。オリジナル・ギタリストのボビー・グスタフソンが脱退し、後任に元フェイス・オア・フィアー のメリット・ギャントとロブ・キャナヴィーノが加入し、ツイン・ギター編成となる。
1991年、9月に再びテリー・デイトのプロデュースによる5thアルバム『Horrorscope』をリリース。
1992年、ボブ“シド”ファルクが脱退し、後任としてティム・マレアーが加入。
1993年、6thアルバム『I Hear Black』をリリース。
1994年、7thアルバム『W.F.O.』をリリース。
1995年、ライブアルバム『Wrecking Your Neck』をリリース。
1996年、8thアルバム『The Killing Kind』をリリース。
1997年、9thアルバム『From The Underground And Below』をリリース。
1999年、10thアルバム『Necroshine』及びカバー集『Coverkill』をリリース。
2000年、11thアルバム『Bloodletting』をリリース。
2001年、2月に来日公演を行う。
2002年、ライブアルバム『Wrecking Everything』をリリース。
2003年、コリン・リチャードソン のプロデュースによる12thアルバム『Killbox 13』をリリース。
2004年9月、日本の音楽フェス「THRASH DOMINATION 04 」出演で来日し、デス・エンジェル 、フロットサム・アンド・ジェットサム と共演を行った。
2005年、セルフ・プロデュースによる13thアルバム『ReliXIV』をリリース。ドラムスのティム・マレアーが脱退し、後任としてロン・リップニッキが加入。
2007年、14thアルバム『Immortalis』をリリース。
2010年、15thアルバム『Ironbound』をリリース。「THRASH DOMINATION」出演の来日公演[ 4] 。
2012年、16thアルバム『The Electric Age』をリリース[ 5] 。
2014年、17thアルバム『White Devil Armory』をリリース[ 6] 。翌年に「THRASH DOMINATION」出演の来日公演[ 7] 。
2016年、ロン・リップニッキ(Ds)が脱退。
2017年、18thアルバム『The Grinding Wheel』をリリース[ 8] 。ジェイソン・ビットナー(Ds)が加入。
2018年、ライブアルバム『Live In Overhausen』をリリース。この頃アルバムの全曲再現を行うバンドが幾つかいたが、このライブアルバムは2016年4月16日にドイツのオーバーハウゼンで、1st『FEEL THE FIRE』の30周年と5thの『HORRORSCOPE』の25周年を記念し、2枚のアルバムの全曲再現を一晩で行い収録したものである。
2019年、19thアルバム『The Wings Of War』をリリース。
2023年、20thアルバム『Scorched』をリリース。プロデュースは2003年の『Killbox 13』以来20年ぶりにコリン・リチャードソンが担当。
備考
ニュージャージー州 出身であるが、ニューヨーク州 ブロンクス を拠点に活動している。
バンド・ロゴでは「OVER KILL」と2ワードに見えるが、正式な綴りは1ワードの「OVERKILL」である。
バンド名はモーターヘッド のアルバム『OVERKILL』(1979年)より命名された。
オーヴァーキルの前身バンドLUBRICUNTS には、短期間であるが後にアンスラックス に加入するダン・スピッツが在籍していた。
ボビーはインタビューで『Ironbound』、『Horrorscope』、『Feel the Fire』を特に気に入っているアルバムとして挙げている[ 3] 。
メンバー
現ラインナップ
ボビー "ブリッツ" エルズワース (Bobby "Blitz" Ellsworth) - ボーカル (1980年- )
D.D.ヴァーニ (D.D.Verni / Carlo Verni) - ベース (1980年- )
デイヴ・リンスク (Dave Linsk) - リードギター (1999年- )
デレク "スカル" テイラー (Derek "Skull" Tailer) - リズムギター (2002年- )
ジェイソン・ビットナー (Jason Bittner) - ドラム (2017年- )
ボビー・エルズワース(Vo) 2018年
D.D.ヴァーニ(B) 2018年
デイヴ・リンスク(G) 2018年
デレク・テイラー(G) 2018年
ジェイソン・ビットナー(Ds) 2018年
旧メンバー
ギター
ロバート・ピサレック (Robert "Riff Thunder" Pisarek) (1980年-1981年)
アンソニー・アメンドーラ (Anthony Ammendola) (1981年)
ダン・スピッツ (Dan Spitz) (1981年) アンスラックス に加入
リッチ・コンテ (Rich Conte) (1981年-1982年)
マイク・シェリー (Mike Sherry) (1981年-1982年)
ジョー (Joe) (1982年)
ボビー・グスタフソン (Bobby Gustafson) (1982年-1990年)
脱退後はカナダのスクリューへ加入する。1993年頃はスレイヤー を脱退したドラムのデイヴ・ロンバード のバンドクリップ・インク に参加し、2001年から2005年にはフロリダのレスポンス・ネガティブ に在籍していた。
ロブ・キャナヴィーノ (Rob Cannavino) (1990年-1995年)
メリット・ギャント (Merritt Gant (1990年-1995年)
加入前はベイエリア・スラッシュメタル バンドのフェイス・オア・フィアー に在籍していた。
ジョー・コミュー (Joe Comeau) (1995年-1999年)
オーヴァーキル脱退後、アナイアレーター にボーカルとして加入する(現在は脱退)。
セバスチャン・マリノ (Sebastian Marino) (1995年-2000年)
ドラム
ラット・スケイツ (Rat Skates aka Lee Kundrat) (1980年-1987年)
マーク・アーチボル (Mark Archibole) (1987年)
ボブ“シド”ファルク (Bob 'Sid' Falck) (1987年-1992年)
デンマーク人。オーヴァーキル加入前は、元アイアン・メイデン のポール・ディアノ のバンド、バトルゾーン に在籍していた。
アンディ・ジョーンズ (Andy Jones) (1992年-1993年)
ティム・マレアー (Tim Mallare) (1993年-2005年)
ロン・リップニッキ (Ron Lipnicki) (2005年-2016年)
サポート・メンバー
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
ライブ・アルバム
EP
コンピレーション・アルバム
『ファック・ユー・アンド・ゼン・サム』 - !!!Fuck You!!! and Then Some (1996年) ※EP『!!!Fuck You!!!』にライブ・トラックを追加したもの
Hello from the Gutter - the Best of Overkill (2002年)
Historikill: 1995–2007 (2015年) ※ボックスセット
デモ
Power in Black (1983年)
Feel the Fire (1984年)
Rotten to the Core (1984年)
シングル
"Hello from the Gutter" (1988年)
"Live to the core" (1992年)
"Infectious" (1992年)
"I Hear Black" (1993年)
"Spiritual Void" (1993年)
"Fast Junkie" (1994年)
"The Rip 'n Tear" (1997年)
参加コンピレーション・アルバム
Various Artists : New York Metal '84 (1984年) ※with エージェント・スティール 等
Various Artists : Metal Massacre V (1985年)
脚注
外部リンク