オウム
この項目では、鳥について説明しています。
現在のオウムの生息地を赤で 近年化石が発見された場所を青で それぞれ示す。
オウム (鸚鵡)は、オウム目 オウム科(Cacatuidae)に属する鳥 の総称。インコ科 (Psittaculidae、アジア・太平洋・オーストラリア産のインコ)、ヨウム科 (英語版 ) (Psittacidae、アフリカとアメリカ大陸産のインコ)、フクロウオウム科 (英語版 ) (Strigopidae、ニュージーランド 産の大型のインコ)とともにオウム目を構成する[ 3] [ 5] 。現存するオウム目の系統の多くは、さまざまな面で解明されていない。しかしながら、オウム科を独立した科として位置づけることは広く認められている。オウム科はオーストラレーシア に分布しており、その範囲はフィリピン 、ワラセア のインドネシア 諸島東部からニューギニア島 、ソロモン諸島 およびオーストラリア に及ぶ。英語名 "Cockatoo"は、この鳥のマレー語での名前である "kaka(k)ktua" に由来している(kaka "インコ"+ tuwah あるいは"姉妹" + tua"年上")。
オウムはその特徴的な冠羽 (crest )と湾曲したくちばし から、即座に見分けることができる。オウム科で最小の種であるオカメインコ は小型の鳥であるが、概ねオウムは、インコよりも大型である。羽毛 は一般にインコと比べてあまりカラフルではなく、主に白色ないし灰色か黒色をしており、冠羽や頬ないし尾羽などに彩色のある部分が存在する。バタンインコの仲間(Cacatua 属)は11種の白色の羽毛を持つオウムからなり、より小型のオウムの仲間であるcorella (Licmetis 亜属)を含む。これらに近い関係の系統にピンクと灰色をしたモモイロインコ やピンクと白色のクルマサカオウム がある。クロオウムの仲間(Calyptorhynchus 属)の5種は大型の黒色をしたオウムである。残りの3種、大型で黒い羽毛のヤシオウム、主に灰色のアカサカオウム (英語版 ) 、そして小型でおおむね灰色のオカメインコは、これ以外のオウムたちと進化 における初期の未解明の分岐 を通して関連している。
オウムの食性は種子 、塊茎、球茎、果実、花や昆虫からなっている。群れで採食することが多く、とりわけ地上で採食する場合に大きな群れをつくる。一雌一雄 でつがいを作り、樹洞 に営巣する。一部のオウムは居住環境の喪失 、ことに営巣に適した洞をもつ大きな成熟した樹木の伐採による悪影響を被っている。逆に言えばこの結果、人為的な環境の改変によく適応した一部の種が農業において害鳥と考えられている。
オウムはペットとして人気があるが、飼育することは容易でない。オカメインコ の場合は、飼うことがとても容易なため、ペットとして非常に人気が高い。大規模な野生種の捕獲による違法な取引によって、絶滅に瀕している種もある。
英語名の由来
cockatoo という語は17世紀に遡る。その起源はこれらの鳥のマレー語 の名前 Kakatuwah ないし Kakak Tua ("年長の兄弟"の意味) がオランダ語のkaketoe を経て伝わった。17世紀には cacato 、 cockatoon や crockadore などの別称もあり、その他 cocatore や cocatoo などが18世紀に使われていた[ 6] [ 7] 。これらの別称は学名において科 や属 を表すCacatuidae やCacatua にそれぞれ使用されている[ 8] 。
オーストラリア英語 やスラング では、秘密であったり違法な行い(ことに賭博)に従事する者が、見張りを命じられた人物をcockatoo と呼ぶ[ 9] 。
また、小規模な農家のことを滑稽めかしたり、軽い侮蔑をこめてしばしばcocky farmers (cocky はオーストラリア英語のスラングで、cockatoo のこと)と呼ぶ[ 10] 。
分類学
現在のオウム科を、最初にインコ 科Psittacidae の亜科 (Cacatuinae )として分類したのは、1840年 、英国の自然学者ジョージ・ロバート・グレイ によってである。このとき、Cacatua 属は初めて属として記載された[ 14] 。このグループはさまざまな専門家たちによって代わる代わる、科と考えられたり亜科であると考えられてきた。アメリカの鳥類学者ジェイムズ・リー・ピーターズ (英語版 ) は1937年の著書Check-list of Birds of the World において、また1990年には、オウム目の専門家であるジョセフ・フォーショウ (英語版 ) が1973年にこれらをオウム科として分類していたにもかかわらず、シブリー とモンロー (英語版 ) もまたオウム亜科としての位置づけを維持した[ 15] 。その後の分子分岐学の研究によって、オリジナルのインコの祖先からの最も初期の分岐がニュージーランドのインコであるミヤマオウム科 (英語版 ) であり、これに続いて現在では明確にグループないし単系統群 に分類されているオウム科が分岐し、これ以外のインコ が南半球への適応放散 によりパラキート やコンゴウインコ 、ヒインコ 、ボタンインコ 、そしてその他のインコといったさまざまなインコ科の種へと多様化していったことが示されている[ 11] [ 12] [ 13] [ 16] [ 17] [ 18] 。
オウムの種の相互の関係は、現在でも完全には解明されてはおらず、また現時点でのデータはこの科を亜科に分割することを支持していない[ 19] 。とりわけアカサカオウム (英語版 ) 、(Callocephalon fimbriatum )とオカメインコ の位置づけは厄介な問題となっている。オーストラリアの農夫にしてアマチュア鳥類学者であるジョン・コートニーは1996年に、これら2種の鳥の雛が餌をせがむときに頭を振る様子が他のオウムとは異なり、むしろインコの種に似ていることを観察している[ 20] 。1999年にアメリカの研究者であるデイビッド・M・ブラウンと キャサリン・A・トフトはミトコンドリア DNA の塩基配列の比較から、この二つの種が白色オウムよりも、むしろクロオウム(Calyptorhynchus 属)により密接な関係があることを発見した[ 21] 。このことはオーストラリアの鳥類学者リチャード・ショッデによる、Cacatuinae 亜科を設けてここにアカサカオウムを白色オウムとともに分類するという提案と対照的である[ 22] 。また、研究者の Dwi Astuti によるオウムのDNAにおけるβ-フィブリノゲン遺伝子断片の分析でも、同様にアカサカオウムをここ(Calyptorhynchus 属の近縁)に分類している[ 23] 。
Eolophus 属、Lophocroa 属および Cacatua 属 は明確で議論の余地の無いグループないし単系統群 を形成する[ 11] [ 12] [ 17] [ 21] [ 23] [ 24] 。この単系統群に属する種は白変種 であり、また性的二型 性を示すことはない。Eolophus 属(モモイロインコ )をこのほかの属の Basal (初期の分岐)とすることで、さらにまた、Lophochroa 属とCacatua 属を互いに直近の関係(姉妹クレード)とすることで、この単系統群内での関係は確立したものとなっている[ 21] [ 23] 。Cacatua 属はさらにLicmetis 亜属 (一般に corella として知られている、アカビタイムジオウムなど)とCacatua 亜属(いわゆる白色オウム、"white cockatoo")へと分割される[ 25] 。紛らわしいことに、この"white cockatoo"という語は属全体(Cacatua 属)[ 26] のみならず、この単系統群全体を指す名称としても使われている[ 27] 。
残りの6種は羽毛の大部分が黒である。これらのうち、ヤシオウム はそれ自身で単独のProbosciger 属を構成しており、オウム科の最も初期の分岐の系統を引いている。Calyptorhynchus 属の5種のオウムは一般にクロオウムとして知られており[ 25] これらは二つの亜属 - Calyptorhynchus 亜属とZanda 亜属 - に分割される。前者のグループは性的二色 性であり、雌は特徴的な縞模様の羽毛をもつ[ 28] 。さらに、2種は、ひな鳥が餌をせがむときの鳴き声の違いによっても特徴づけられる[ 20] 。
オウムの化石 記録は、一般にインコのそれに比べるとかなり限られており、オーストラリアのリバースレイ (英語版 ) の初期中新世 (1600~2300万年前)の堆積から発見された、わずか一種類の真のオウムの祖先(Cacatua 属、おそらくはLicmetis 亜属のオウムと推測される)の化石が知られているだけである[ 29] 。断片的ではあるが、この遺物はヒメテンジクバタン (英語版 ) やモモイロインコによく似ている
[ 30] 。また、メラネシア のニューカレドニア やニューアイルランド では、Cacatua 亜属(白色オウム)の種の骨の半化石 が見つかっているが、これらは初期のヒトの進出によって絶滅したもののようである[ 31] [ 32] 。オウムの進化と系統発生に関して、これらの化石から分かることはかなり限られてはいる。しかし、リバースレイの化石によって亜科の分岐について、何らかの仮説的な年代決定が出来るのではないかと期待されている。
オウム科 Cacatuidae
ヤシオウム 強力な嘴と赤い頬をしている。体長は 55–60 cm (22–24 in)、体重は 910–1,200 g (2.01–2.65 lb)あり、最大のオウムである[ 33] 。
ニシオジロクロオウム 飼育係とタロンガ動物園 にて、シドニー、オーストラリア
飛行中のクルマサカオウム 、オーストラリアのタロンガ動物園 にて
Nymphicus 属
Probosciger 属
Calyptorhynchus 属
Calyptorhynchus 亜属 – black-and-red cockatoos
Zanda 亜属 – black-and-yellow/white cockatoos
Callocephalon 属
Eolophus 属
Lophochroa 属
クルマサカオウム Major Mitchell's Cockatoo (Leadbeater's Cockatoo とも), Lophochroa leadbeateri (Vigors , 1831)
クルマサカオウム亜種 Major Mitchell's Cockatoo, Lophochroa leadbeateri leadbeateri (Vigors , 1831)
クルマサカオウム亜種 Western Major Mitchell's Cockatoo, Lophochroa leadbeateri mollis (Mathews , 1912)
Cacatua 属
Cacatua 亜属 – true white cockatoos
コバタン Yellow-crested Cockatoo (Lesser Sulphur-crested Cockatoo とも), Cacatua (Cacatua) sulphurea (Gmelin , 1788)
キバタン Sulphur-crested Cockatoo , Cacatua (Cacatua) galerita (Latham , 1790)
ルリメタイハクオウム Blue-eyed Cockatoo , Cacatua (Cacatua) ophthalmica Sclater , 1864
タイハクオウム White Cockatoo , Cacatua (Cacatua) alba (Müller , 1776)
オオバタン Salmon-crested Cockatoo , Cacatua (Cacatua) moluccensis (Gmelin , 1788)
Licmetis 亜属 – corellas
テンジクバタン Long-billed Corella , Cacatua (Licmetis) tenuirostris (Kuhl , 1820)
ヒメテンジクバタン Western Corella , Cacatua (Licmetis) pastinator (Gould , 1841)
アカビタイムジオウム Little Corella , Cacatua (Licmetis) sanguinea Gould , 1843
シロビタイムジオウム Tanimbar Corella (Goffin's Cockatoo とも), Cacatua (Licmetis) goffiniana Roselaar and Michels, 2004 [ 34]
ソロモンオウム Solomons Cockatoo , Cacatua (Licmetis) ducorpsii Pucheran , 1853
フィリピンオウム Red-vented Cockatoo , Cacatua (Licmetis) haematuropygia (Müller , 1776)
種名は和名、英名、学名、学名命名者の順に示す。
学名において属名の後に続く括弧でくくられた名前は亜属を示す。
学名に続く括弧でくくられた学名命名者は、本種が当初別の属に分類されていたことを示す。
形態学
飼われているキバタン が、その冠羽をディスプレイしている。米国にて
オウムは全般にずんぐりした体付きをした、オウム目のなかでは中型から大型の鳥で、その大きさは体長30–60 cm (12–24 in)、体重300–1,200 g (0.66–2.65 lb)に及ぶ。ただし一種類、オカメインコはほかの種よりもかなり小型で細身であり、体長は 32 cm (13 in)あるが、これにはその先細の長い尾羽根がふくまれる。また体重は 80-100 g (2.8-3.5 oz)である[ 9] [ 33] [ 35] [ 36] 。頭頂部の動く冠羽 はすべてのオウムに存在するが、多くの種でそれは華々しいものである[ 37] 。飛んでいた鳥が着地するとき、あるいは興奮しているとき、この冠羽は起立する[ 38] 。オウムは数多くの特徴をインコと共有しており、このなかには特徴的なカーブした形状の嘴や、対趾足 の脚(趾(あしゆび)の内側2本が前方を、残りの2本が後方を向いている)などがある[ 39] 。また一方ではオウムに固有の特徴も数多くあり、たとえば胆嚢 が存在することや、そのほかのいくつかの解剖学的な細部、またインコに見られる明るい青や緑を出現させる、羽根のダイクテクスチャー組織 が欠如していることなどが挙げられる[ 36] 。
インコと同様に、オウムも短い足に強力な鉤爪をもち、よたよたと歩き[ 36] 、枝を上り下りする際にはしばしばその嘴を第三の手足として使用する。全般に高速飛行に適した幅の広い長い翼をもち、モモイロインコの記録ではその速度は 70 km/h (43 mph)にも及ぶ[ 40] 。クロオウムの仲間(Calyptorhynchus 属)、キバタン のような大型の白色オウムやクルマサカオウム などは、より短く丸みを帯びた翼をしており、ゆっくりとした飛行をする[ 40] 。
つがいのアカサカオウム (英語版 ) (オスは頭部に赤い羽毛がある)。 オーストラリア、ニューサウスウェールズ州にて オウムのつがい は生涯を共にする 。
オウムは大きな嘴をしており、休息中に上下の嘴をこすり合わせることによってこれを鋭利に保っている。嘴の中で、筋肉の発達した大きな舌の助けを借りて種子を巧みに操ることで、種子の殻を取り除いてから食べることができる[ 9] 。殻を剥くときには下側の嘴が圧力を加え、舌が種子を適切な位置に固定する。そして上側の嘴が鉄床の役割を果たす。頭蓋骨の目の領域は、嘴を横方向に動かすための筋肉を保持するように強化されている[ 36] 。雄のオウムの嘴は、一般に雌のそれぞれの対応する部位よりわずかに大きいが、ヤシオウムにおいてはこの大きさの違いが際立っている[ 41] 。
オウムの羽毛 は、インコのそれに比較して鮮やかな色彩に欠けており、ほとんどの場合、種によって黒、灰色ないし白のいずれかである。多くの種でその羽毛に、たいていは黄色、ピンクあるいは赤などの小さな彩色の領域があり、これらは通常、冠羽か尾羽根に見られる[ 42] 。モモイロインコとクルマサカオウムはもっと広範囲にピンクがかった色をしている[ 43] 。多くの種が目の周囲や顔に periophthalmic ring と呼ばれる明るい色彩の皮膚が露出した領域をもち、なかでもヤシオウムの赤い皮膚が大きく露出した部分が最も広範囲にわたり、顔の一部をカバーする。このほかにもずっと狭い領域ではあるが、テンジクバタン (英語版 ) やルリメタイハクオウム など、白色オウムの一部の種でも顕著に見られる[ 43] 。ほとんどの種で、雄と雌の羽毛はよく似ている。雌のオカメインコの羽毛は雄のそれより鈍い色をしている。しかしながら、最も際立った性的二型 性はアカサカオウムとCalyptorhynchus 亜属の2種のクロオウム、すなわちアカオクロオウム とテリクロオウム に見ることができる[ 41] 。
虹彩 の色が雌雄で異なっている種がいくつかあり、モモイロインコとクルマサカオウムの雌ではピンクないし赤であり、また白色オウムのいくつかの種では雌の虹彩は赤褐色である。すべての雄の虹彩は暗褐色をしている。
タイハクオウム が左足で禽舎の格子をつかんでいる。鉤爪、ウロコのある肌、対趾足 (趾(あしゆび)の内側2本が前方を、残りの2本が後方を向いている)の様子が見て取れる。
オウムは一日を通して頻繁に羽繕い することによってその羽毛を維持している。自分の羽根をすこしずつ噛むことでホコリや油を取り除き、羽枝を再整列させる。またほかの鳥の、自分では届かない場所の羽根を繕ってやることもある。オウムは背中の下部にある羽脂腺 から羽脂を分泌して、羽根を自分の頭やすでに油のついている羽根で拭くことで、これを羽根に塗布する。脂粉 (英語版 ) は腰部にある専門化された羽毛によって分泌され、オウムが羽繕いすることにより全身の羽毛に分配される[ 44] 。
換羽 は非常に時間のかかる複雑な過程である。クロオウムはその風切り羽根 を一度に一本ずつ置き換えているように見える。その換羽が完了するには2年を要する。この過程はほかの種でははるかに短く、たとえば、モモイロインコやテンジクバタン (英語版 ) では、その風切り羽根全部の換羽に要する時間は6ヶ月前後である[ 44] 。
鳴声
オウムの鳴声 (英語版 ) は大きく耳障りである[ 9] 。この声には、互いに個々を識別できるようにすることや、仲間に捕食者の出現を警告すること、自分の気分を知らせること、群れのつながりを維持すること、そして巣を守るための警告などいくつもの機能がある。特定の鳴声の種類や鳴声の使い方は種によって異なる。たとえばニシオジロクロオウムは15種類にもおよぶ鳴声を使い分けるのに対し、クルマサカオウムなど、このほかの種はもっと少ない。一部の種は、アカサカオウムのように比較的静かであるが、採食の際に低くうなるような鳴声をだす。ヤシオウムは鳴声のほかに、棒で枯れ枝を叩いて長距離のコミュニケーションを行う[ 45] 。またオウムは何かを警戒しているときには、特徴的なシューシューという音を出す[ 38] 。
分布と生息地
シロビタイムジオウム (英語版 ) はインドネシアのタニンバル諸島のみに生息する。わずかに野生化した飼い鳥がシンガポール で見られる。
オウムの分布はインコのそれに比べると遥かに限定されており、自然界での生息はオーストラレーシアに限られている。野生では21種のうち11種がオーストラリアのみに分布しており[ 9] 、さらに7種がフィリピン諸島 、インドネシア 、パプアニューギニア およびソロモン諸島 のみに分布する。興味深いことにボルネオ (近くのパラワン とスラウェシ での彼らの存在にもかかわらず)や多くの太平洋の島嶼(化石の痕跡がニューカレドニアで記録されているにもかかわらず[ 31] )ではオウムは見つかっていない[ 46] 。
3種がニューギニアとオーストラリアの両方に分布する[ 47] 。
なかには広範囲に分布する種もあり、たとえばモモイロインコに関して言えば、ほぼオーストラリア全土に分布する。ところがこれ以外の種は、たとえば西オーストラリアのボーダンクロオウム のように大陸の一部にしか分布しないものや、インドネシアのタニンバル諸島 にしか分布しないシロビタイジオウム のように島嶼に限定されたグループなど、狭い分布域にしか生息しない。中には偶発的に、ニュージーランド やシンガポール 、香港 、パラウ のように、その本来の分布域以外の地域に移入された種もあるし[ 48] 、2種のオーストラリア産ジオウムはオーストラリア大陸の中で、本来の分布域ではない地域に移入された。
オウムは亜高山性の樹林帯からマングローブにまでいたる広範囲な居住環境に生息する。しかしながら、すべてのタイプの環境に生息する種は存在しない[ 49] 。
モモイロインコやオカメインコのように[ 50] 、最も広範囲に分布する種は開けた土地に特化しており、草の種子を採食する[ 9] 。彼らはたいてい非常に移動性が高く、速く飛ぶことができ、また非定着性である。鳥の群れは種子やその他の食料源を探したり、食べたりしながら、内陸の広大な領域をわたってゆく。旱魃によってこれらの群れはより乾燥した地域から農耕地へと、さらに追い立てられることになるだろう[ 50] 。このほかのテリクロオウムのような種は、森林地帯、雨林帯、潅木地や山岳地帯の樹林にすら生息する。アカオクロウム はマングローブに生息する。そしてルソン島 北部に分布していないのは、ここでのマングローブ林の欠如に関係があるのかもしれない[ 51] 。樹林に生息するオウムは、一般に定着性である。というのもここでは食料の供給がより安定的で、予測可能だからである[ 52] 。さまざまな種が人間によって改変された居住環境によく適応しており、農耕地や、また雑踏した都市部ですら見ることができる[ 53] 。
生態
オウムは昼行性 であり、食料を探すために日光を必要とする[ 9] 。彼らは早起きではなく、むしろ日光がそのねぐらを暖めるのを待って餌を探しに行く。すべての種が一般に高い社会性を備え、ねぐらにつく時や、採食、移動に際してはカラフルで騒々しい群れ をつくる。この群れの大きさは食料の状況によって変化し、潤沢な時期には100羽かそれ以下の小さな群れを形成するが、旱魃やその他の逆境の時期においては、数千から数万羽の群れにまで膨れ上がることがある。キンバリーでのある記録には、32,000羽のアカビタイムジオウム の群れのことが記述されている。開けた土地に生息する種は、森林地帯に生息するものよりも大きな群れをつくる[ 54] 。
たいていの種はねぐらの場所からえさ場までの間、長大な距離を移動するかもしれないが、それでもすべての種はねぐらの近くに水場を必要とする[ 55] 。オウムの水浴びには特徴的な方法がいくつもあり、雨の中で逆さまにぶら下がったり飛び回ったりする、あるいはまた樹冠のぬれた葉の中で羽ばたいたりすることもある[ 38] 。
食餌と採食
野生のテンジクバタン (英語版 ) 、パース にて。右の鳥は餌を探すため、長い嘴を使って草を掘り返している。
オウムは、さまざまな範囲の植物性食物を主として摂取する、融通の利く食べ手である。すべての種においてその食餌の大部分は種子によって構成され、その大きく強力な嘴によって割って食べられる。
モモイロインコ、ジオウムやクロオウムの一部は、主に地上で採食するが、これ以外の種はほとんど樹上で採食する[ 9] 。地上で採食する種は群れで餌をあさる傾向があり、種子が集中している場所では密集した小競り合いをするグループを形成し、種子がもっとまばらに分布している時には分散したラインを形成する[ 56] 。また、採食するには視界が良好な開けた場所を好む。ヒメテンジクバタン (英語版 ) とテンジクバタンは塊根や根を掘り返すための長く伸びた嘴を持ち、またクルマサカオウムは、doublegree (Emex australis 、タデ科の一年草)をねじって引き抜くために、この周囲を円を描くように歩き、地下の部分を取り除く[ 57] 。
ほとんどの種は樹冠の中で餌を探す。これはオーストラリアの乾燥地帯の自然の特徴である Serotiny (ユーカリ 属やバンクシア 属、ハケア (英語版 ) 属といったグループの植物によるガムナッツ や球果 の種の大量供給による備蓄)を利用するためである。これらの樹木性果実の果肉は、ほとんどの生物種にとって近付き難く、このために主にインコとオウム、そしてもっと熱帯気候の地域では齧歯類 によって収穫される。より大型の球果は小動物には頑丈すぎるが、オウムの大きな嘴なら開けることができる[ 58] 。ナッツや果実の多くは餌を探しているオウムの重量を支えられないような小枝の端に実る。そこで、オウムは枝をたわめて実を引き寄せてからこれを足で保持する[ 59] 。
オウムは種によって幅広い範囲の食物を食べる万能選手であったり、また特定の食物に特化したスペシャリストであったりする。テリクロオウムはAllocasuarina 属(モクマオウ科 に属するグループのひとつ)の球果に特化しており、特にこの中の1種類(A. verticillata )を好む。この鳥は足で球果を保持して、強力な嘴で細かく引き裂いてから、舌で種子を取り出す[ 60] 。たくさんの昆虫を、ことに繁殖期に捕食する種もある。事実キイロオクロオウム (英語版 ) の食餌は大部分が昆虫から構成されている。この大きな嘴は腐りかけた樹木から地虫や幼虫を引き出すために使われる。オウムが採食のために費やさねばならない時間は季節によって変動する[ 59] 。食料が潤沢な時期は採食のために毎日、朝と夕方の数時間を費やすだけでよく、一日の残りは木の中でくつろいだり羽繕いをして過ごす。しかし冬季にはほとんど一日を採食に費やさねばならない。繁殖の季節になると鳥の栄養的な要求が増大する。このため、この時期には食料を探し求めるための時間が長くなる。オウムは大きな素嚢 をもっており、これにより木の中にこもった後数時間のあいだ食料を貯蔵して消化することができる[ 61] 。困難な時期になるとオウムはまたその食料に関する万能性を発揮する。食料を見つけるため広い範囲を移動し、より未熟な植物の果実や種子を採食し、なかには根茎 を掘り起こすためにその嘴を使う種もある。
繁殖
ペットとして売られるためにヒトの手で育てられたオオバタン の雛。
オウムは一雄一雌 で繁殖を行い、番の絆 は長年にわたる。多くの鳥は性的に成熟する以前に群れの中でペアとなり、少なくとも1年は繁殖を行わない。雌が初めて繁殖を行うのは3歳から7歳の間のいずれかであり、たいてい雄はこれより年かさである。鳥が雛を取り上げて哺育できる技術を発達させることができるように、性的な成熟は遅れ、これはほかの種の鳥に比べて長期にわたる。なかには若鳥が両親のもとに1年以上とどまる種もある[ 62] 。また、オウムは何年も同じ営巣場所に戻ってくる性質(site fidelity )を示すことがある[ 45] 。求愛行動は一般に、ことに確立したペアの間では単純である。ただしクロオウムの仲間だけは、求愛給餌行動を行う。確立したペアは互いに羽繕いをしあう行動 (英語版 ) をするが、おそらくはそのつがいの絆の強さのため、抱卵 (英語版 ) が始まるとすべての形態の求愛行動は次第に少なくなる[ 63] 。
ほとんどのインコと同様にオウムも空洞に営巣 する鳥で[ 64] 、樹洞 に巣をつくるが自分でその穴を掘ることはできない[ 65] 。これらの洞は、木の枝が折れたあとの腐朽や破壊によるものや、キノコやシロアリのような昆虫によるもの、あるいは生息域が重なる場合にはキツツキ によって形成されたものと言う場合すらある[ 66] 。大抵の場所でこのような穴は不足しており、このため同じ種の仲間のみならず、異なる種の鳥や動物との競争の原因となる[ 67] 。一般にオウムは自分の体よりもわずかに大きい洞を選ぶ。この結果、体の大きさによってそれぞれの種が、そのそれぞれに対応した(そして大きさの異なる)樹洞に営巣する。機会に恵まれれば、オウムは地上7–8 m (23–26 ft)の高さで[ 66]
、水と食料に近い場所に営巣することを好む[ 68] 。
巣穴は小枝や木片、葉のついた枝などで内張される。オウムの卵は楕円形で、営巣場所のおかげでカモフラージュが必要ないため、当初は白である。とはいえこれは抱卵の過程で変色してゆく。
その大きさの範囲はヤシオウムやアカオクロオウムの 55 mm × 37 mm (2.2 in × 1.5 in)から、オカメインコの 26 mm × 19 mm (1.02 in × 0.75 in)におよぶ[ 69] 。卵の数 (英語版 ) はグループにより異なっており、ヤシオウムやこのほかの一部の大型のオウムではたった1個の卵しか産まないし、もっと小型の種では2個から8個のあいだのいずれかである。また食糧事情も卵の数に影響を与える[ 70] 。
最初の産卵が失敗であった場合に、2度目の産卵を行うことができる種もある[ 71] 。卵の20%前後が無精卵である[ 72] 。オウムの抱卵と哺育の責任は、クロオウムのようにそのいずれも雌のみが受け持つ場合もあり、あるいはこのほかの種のように、雌雄の間で分担して受け持つ場合もある。クロオウムの場合では、雌は雄によって日に何度も餌を与えられる。ヤシオウムの雛だけは裸で生まれて来るが、この他のすべての種の雛は、黄色がかった綿羽に覆われて生まれる。オウムの孵化までの期間は種の大きさによって決まる。小型種であるオカメインコの場合20日前後の期間であるのに対し[ 73] 、大型種のニシオジロクロオウムの卵が孵化するまでには29日かかる[ 9] 。
巣立ちまでの期間 (英語版 ) もまた種の大きさによって異なり、大型種になるほど巣立ちが遅くなる。これはまた、季節や環境の条件からも影響を受けるし、そしてまた複数の卵を産む種では、兄弟との競争によっても変化する。一部の種では巣立ちに要する期間について知られていることの多くが、禽舎での研究に依存している。飼育されているオカメインコは5週間で巣立ち (英語版 ) を迎えることができ、同様に大型種のヤシオウムでは11週間後である[ 9] 。巣立ちまでの期間、幼鳥は洞の中にとどまっている間は juvenile plumage(幼鳥の羽根)によって覆われている。翼と尾の羽根は当初は成長が遅いが、初列風切り羽根が現れると、より急速に成長するようになる。幼鳥はこの期間のおおよそ2/3という短い間に、成鳥の体重の80~90%まで成長する。そして巣穴を離れるまでに安定水準に達する。この体重になると羽根が生えそろうが、翼と尾羽根は成鳥の大きさに到達する直前まで成長が続く[ 74] 。若鳥の成長率は、巣立ちできる数と同じように、食料の減少や悪天候によって悪影響を受ける[ 75] 。
捕食者と脅威
ハヤブサ やアカヒメクマタカ (英語版 ) がモモイロインコを捕食すること、オナガイヌワシ がキバタンを殺すことが観察されている[ 76] 。
卵や雛はさまざまな危険に対して脆弱である。さまざまな種類のオオトカゲ (Varanus )は木に登って巣穴に入り込むことができるし、これ以外の捕食者として記録されているものには、フィリピン諸島のラサ島の マレーモリフクロウ (英語版 ) 、ヨーク岬半島 のオオハダカオネズミ などの齧歯類[ 77] 、
アメジストニシキヘビ やクロモズガラス 、カンガルー島のフクロギツネ などがある。さらに、カンガルー島ではモモイロインコとアカビタイジオウムが、テリクロオウムと営巣場所をめぐって競合しており、巣穴で後者の雛を殺すことが記録されている。また猛烈な嵐は巣穴を浸水させ雛を溺死させることがあるし、シロアリや穿孔性生物の活動が巣穴の内部崩壊を引き起こすこともある[ 78] 。
他の種類のインコと同様に、オウムもオウム類嘴羽毛病 (PBFD)に感染する可能性がある。このウイルス感染症は、羽毛の喪失と嘴の形成異常を引き起こし、鳥の全般的な免疫力を破壊する。ことにキバタン、アカビタイジオウムとモモイロインコに蔓延しているが、現時点で14種のオウムでの感染が記録されている。全般的に見て、PBFD が野生の健康な鳥の集団に顕著な影響を与えることはありそうもないが、より小規模で密集した集団を深刻な危険にさらすかもしれない[ 79] 。
白色オウムとキバタンは住血胞子虫 (ヘモプロテウス属)に感染することがわかっている。またスペインのグラナダ 県アルムニェカルにある鳥類園では、糞便サンプルの検査からマラリア原虫 を持っているキバタンが見つかっている[ 80] 。
ボウシインコやコンゴウインコと同様に、オウムも総排泄孔乳頭腫 を頻繁に発症する。病原であるオウム乳頭腫ウイルス (英語版 ) はヨウム から分離されているが、この状態での悪性腫との関連はわかっていない[ 81] 。
人間との関係
餌をもとめてシドニー東部のバルコニーにやってきたキバタン 。
人間の活動は、オウムの一部の種に有益な影響をもたらし、またほかの種に有害な影響をもたらしている。開けた土地に生息する多くの種は、人為的な地形の改変による、信頼性の高い種子食料源と利用可能な水源の大幅な増大によって多大な利益を被った。さらにまた、移入された栽培植物を含む食餌にもよく適応している。オーストラリア以外の、開けた土地を好む種の生息数がそれほど増加していないことから、このような利益はオーストラリアの種に限定されているように思われる。主に森林に生息する種は居住環境の破壊 (英語版 ) によって大きな被害を被っている。主な理由は、その食餌がずっと専門化されており、外来の食料を食餌に取り込むことができなかったためであると考えられる。顕著な例外は東部オーストラリアのキイロオクロオウムの例である[ 82] 。
害鳥としてのオウム
多くの種類のオウムが、農業に深刻な被害をもたらす害鳥 となる可能性を持っている[ 83] 。このために、時には銃や薬物の散布による駆除 の対象となったり、またガスによる殺処分のために捕獲されたりすることもある。非殺傷的な被害緩和の手段として、脅かすことや居住地を操作すること、そしてまた主要な作物から気をそらすために、集積所を設けておとりの餌を供給することや、犠牲にするための作物の栽培なども行われている。オウムは、都市においては資産を破壊することから厄介者となることもある。彼らは自然の中では樹木をかじることでその嘴を維持しているが、都市の郊外においては屋外の家具や、ドア、窓枠などをかじることもある[ 53] 。ベイスギ のような、柔らかく装飾的な木材はすぐさま破壊されてしまう[ 84] 。オウムたちはまた、屋外の配線、テレビのアンテナや衛星放送のパラボラアンテナ[ 84] 、太陽熱温水器などのような家屋の備品[ 53] も攻撃目標にする。メルボルン市街中心部の商業施設は、キバタンによって厚板ガラス窓からシリコン封止材を剥がされてしまうという被害にたびたび遭っている[ 85] 。モモイロインコとアカオクロオウムは、農村地帯で電力ケーブルの被覆を剥がしてしまうし、また防水布は場所を問わず攻撃目標となっている[ 85] 。オーストラリア以外の場所では、シロビタイジオウムがヤムデナ島 においてトウモロコシを荒らす害鳥とされている[ 86] 。
キバタンに壊されてしまったスタート・モール・ショッピングセンター のポリスチレン製のファサード。
1995年、ビクトリア州 政府はテンジクバタン、キバタン、およびモモイロインコによって引き起こされる問題について報告書を公開した。この3種に加えてアカビタイムジオウムは、膨大な生息数がさらに増大しており、人為的な地形の改変によって利益を被っている。調査結果と報告書の公開を受けて、特定の条件下ではこの3種は保護対象とならないことが、総督 の勅令により宣言された。これにより、これらのオウムによって樹木、ブドウ園、果樹園、レクレーション用保護区、商用作物などに対して深刻な被害が引き起こされる場合、これを駆除することが許されている[ 87] 。報告書に掲げられている被害の内容には、穀物や、果樹園の果実や堅果(ナッツ)、一部の種類の野菜作物に対する被害ばかりではなく、家屋や通信施設への被害も含まれている[ 88] 。アカビタイムジオウムは、西オーストラリア州で農業における害鳥と宣言されているが、これは飼育のために持ち込まれた外来種である。この被害は、トウモロコシ やその他のモロコシ属 の作物、ヒマワリ 、ヒヨコマメ やその他の作物に及んでいる。さらにまた、公園や庭園では植樹された樹木を立ち枯れさせ、食べられる根や球根 を求めて競技用のグラウンドやトラックを掘り返し、また同じように電線や家屋の設備をかじる[ 89] 。南オーストラリア州では群れの数は数千羽を数えることがあり、また複数の種が保護対象外として分類されている。かれらはセキザイユーカリ (Eucalyptus camaldulensis )や、その他の土着の観賞用植物をねぐらに使って立ち枯れさせていると見られており、穀物貯蔵所の防水布や、建物の電線や、雨押さえを損傷させ、畑に播種したばかりの種子を食べてしまい、騒音被害を作り出している[ 90] 。
いくつもの希少種やその近縁種も、また同じく問題を引き起こしていることが記録されている。ニシオジロクロオウム (西オーストラリア州 の固有種 で、絶滅危惧種 )は松の植樹林 の害鳥と考えられている。これは成育中の松の芽吹きの先端をかじり取ってしまい、この結果幹が曲がって材木としての価値を下げてしまう[ 91] 。
さらにまた果樹や堅果の収穫に損害を与えることでも知られており[ 92] 、またセイヨウアブラナ (キャノーラ)の収穫を食い物にすることを覚えてしまった[ 93] 。ボーダンクロオウムもまた、西オーストラリア州南西部の固有種であるが、リンゴ やナシ の果樹園 で、その種子をとり出すために果実を破壊してしまう害鳥となることがある[ 91] 。ヒメテンジクバタンの基亜種である Muir's Corella も西オーストラリア州では農業に対する害鳥と宣言されているが、また一方、自然界では絶滅の危機 にさらされており、州の規定によれば「希少ないしは絶滅に近い状態」として分類されている[ 94] 。
生息状況と保護活動
フィリピンオウム は絶滅寸前 の状態にあるフィリピン 固有のオウムである[ 95] 。
ルリメタイハクオウム はニューブリテン島 の固有種で、絶滅危惧II類 の絶滅危惧種である[ 96] 。
国際自然保護連合 とバードライフ・インターナショナル によれば、オウムのうち8種が危急(絶滅危惧II類 )ないしそれよりも危険な状況にあると考えられ、1種は準絶滅危惧 であると考えられている[ 97] 。これらのうち2種、すなわちフィリピンオウム とコバタン は絶滅寸前(絶滅危惧IA類 )の状況にあると考えられている[ 98] 。
オウムに対する主たる脅威とは、居住環境の破壊 (英語版 ) と野生生物の売買 (英語版 ) である。すべてのオウムは営巣のために樹木に依存しており、その喪失に対して脆弱である。さらに、多くの種が居住地に対する要求が専門化されていたり小さな島に生息しているため、必然的に生息範囲が限定されており、これらの居住地の喪失に対して脆弱になってしまっている[ 99] 。オウムはペットとして人気が高く、このためその捕獲と売買によって生存を脅かされている種がある。1983年から1990年の間に、記録されただけでも66,654羽のオオバタン がインドネシア から輸出されている。この数字には国内での売買のために捕獲された鳥や、違法に輸出された鳥の数は含まれていない
[ 100] 。その後さまざまな種の捕獲は禁止されたが、違法な売買は続いている。鳥は木枠や竹で編んだ筒に入れられて、インドネシアやフィリピンからボートで運び出される[ 101] 。希少種の鳥がインドネシアから密輸出されるばかりではなく、同様にオーストラリアからも、ありふれた種や希少種が密輸出されている。鳥は眠らされ、ナイロンストッキングで包まれてからポリ塩化ビニル のチューブに詰められて、国際貨物便の別送貨物で送り出される[ 101] 。死亡率は著しく(30%)、また卵のほうがはるかに容易に飛行中の密輸業者の体に隠すことができることから、鳥の密輸に代わって卵の密輸がますます増大している。違法な取引は、組織化された犯罪者たちによって実行されていると考えられるが、彼らはまた密輸出の他にオーストラリア産の種を、たとえばコンゴウインコのような外国種と交換することも行う
[ 102] 。
オカメインコをのぞくすべての種のオウムが、ワシントン条約 (CITES(サイテス)、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」)の保護下にあり、これにより捕獲された野生種のインコおよびオウムの輸出入と売買は違法である。以下の種類のオウムはそのすべての亜種も含めて、ワシントン条約付属書Iに絶滅危惧状態 (Endangered) として掲げられ、保護されている。
これ以外のすべての種類のオウムはワシントン条約付属書IIに危急(vulnerable)として掲げられ、保護されている[ 103] 。
飼育
翼をクリップされたペットのオオバタン 白色オウムのなかで最大の種で、体長およそ52 cm (20 in) 、体重は775-935 g に及ぶ[ 104] 。 オウムはやかましく、手数のかかるペットである。
オウムはその外観や知能、そして魅力的な個性のためペットとして飼育されているが[ 9] 、それにも拘らずペットやコンパニオンパロット (英語版 ) としては問題の多い生き物かもしれない[ 105] 。アカビタイムジオウムは定評ある話し手ではあるが[ 106] 、一般にオウムは人語をまねする ことがあまりうまくない
[ 107] 。それでも日本語では「鸚鵡返し」(オウム返し)という[ 108] 。飼育に当たっては、インコやオウムについて十分な経験を積んだ人物が世話することが最も望ましい[ 105] 。オウムは社会性動物であり、その社会性に対する欲求を満たすことは容易ではない[ 105] 。そして、一羽でかごに長時間入れられていれば、苦痛を感じることだろう[ 109] 。クロオウムが飼育されているのを見ることは白色オウムに比べて稀である[ 110] 。クロオウムはヨーロッパの動物園では稀にしか見ることがないが、これはオーストラリアでの野生生物の輸出規制によるためである。これらの鳥はオーストラリア政府からの貸し出しによって獲得されたものである[ 111] 。
オウムは大抵その飼い主に対して、また時には他人に対しても非常に愛情豊かであるが、またその世話には大変な手間がかかることもある。さらにまたその好奇心はきわめて強く、このことはかれらがいじり回し、かじり、分解し、そして破壊するための対象を安定的に供給しなければならないことを意味する。飼育下のオウムは退屈でいることに苦しむかもしれない。このことは、たとえば毛引き (英語版 ) といった常同行動 に繋がることがある。このようなオウムの毛引きは身体的な理由(たとえば炎症性の疾患)よりはむしろ心因性の理由である傾向がある[ 112] 。これ以外の大きな欠点として、きわめて強い力でかみついて、ひどく痛い咬傷を与える能力や[ 113] 、ほとんどの種のオウムが並外れたつんざくような叫び声をもった、非常にやかましい鳥であると言う事実などがある[ 114] 。オオバタンなど[ 115] Cacatua 亜属の白色オウムは、これらについて最も問題の多い鳥である[ 116] 。すべての種のオウムがその羽根に微細な粉末(脂粉) (英語版 ) をつけているが、これが特定の人たちにアレルギーを引き起こすことがある[ 113] 。一般にモモイロインコやシロビタイジオウムなど、より小型のオウムの方が、はるかにペットとして飼うことが容易であると考えられており、前者の方が大型種のような大きな金切り声で叫ぶ傾向が少ない[ 117] 。オウムの中で最小の種であるオカメインコは、もっともポピュラーなペットであり、またもっとも飼育の容易なインコである[ 118] [ 119] 。そしてまた、さまざまな色変わりの変種 (英語版 ) をペットショップで入手することができる[ 35] 。
ペットのオカメインコ 。明るい黄色とオレンジ色の頭部からオスであることがわかる[ 35] 。 オカメインコは体長が約 32 cm (13 in)で、とびぬけて軽量のオウムである。
大型のオウムは30年から70年生きることができ、種類や状況によってはこれ以上生きることもある。またオカメインコは20年ほどの寿命である。ペットとしてオウムを飼育する場合、飼い主は長期間にわたる責任が生じるが、その長命はペットロスの事例を低減させることから、有益な特性であると考えられることもある[ 9] 。飼育されている最も長命なオウムは、シカゴのブルックフィールド動物園 (英語版 ) に住んでいる'クッキー 'と言う名前のクルマサカオウムで、2009年に76歳を迎えた[ 120] [ 121] 。サンディエゴ動物園 で飼育されていたツタンカーメン大王(King Tut)と言う名前のオオバタンは、1990年に死亡した時点で69歳に近い年齢であった。またあるヤシオウムはロンドン動物園 で2000年に56歳を迎えた[ 122] 。しかしながら、はるかにもっと年齢を重ねた鳥に関する逸話的報告が存在している[ 122] 。シドニーのトム・アグリーズ・ポイント (英語版 ) の有名なキバタンであった“生意気ベネット”は、100歳かそれ以上の高齢であったと言われている。彼は羽根を失っており、その生涯の大半を裸で過ごした[ 123] 。あるヤシオウムは、オーストラリアの動物園で80ないし90歳を迎えたと言われており[ 45] また1904年にオーストラリア中央部で巣にいるところを捕えられたアカビタイムジオウムが、1970年代末期にまだ健在だったことが報告されている[ 76] 。2010年2月にセブ島で、アーサーという名前の白色オウムが90歳であるという主張がなされた。彼はセブ島のダラギュテ (英語版 ) の家族と数代にわたって暮らしたのち、セブ 市動物園に持ち込まれた[ 124] 。
ときおり動物園などのバードショウで調教されたオウムを見ることがある。かれらは全般にほかの鳥に比べて食物による動機付けが弱く、中には撫でられることや称賛されることの方が、食物よりも強い動機付けとなっている鳥もいるようである。オウムはパロットハーネス (英語版 ) を着用するよう躾けることができる場合があり、これによって飼い主はオウムを屋外に連れ出すことができるようになる。オウムは、一般的には高齢者福祉施設において、動物介在療法 に利用されている[ 125] 。
オウムは、音楽的な音に明瞭な反応を示すことがしばしばあり、鳥がポピュラー音楽に合わせて“ダンスする”様子を示す映像が無数に存在している。'スノーボール (英語版 ) ’と言う名前のアルーキバタン (英語版 ) に対して、2008年に実施された研究によれば、この個体が明らかに拍子を取る (英語版 ) (ヒトが作り出した音楽を把握して拍子に合わせて体を動かす)能力があることが示された[ 126] 。
歴史と文化
オウム、大型インコが日本に輸入されたのはかなり古く、記録に残っている最古のものは647年(大化3年)に金春秋 とともに新羅 から献上され[ 127] 、656年 には遣百済 使の難波国勝 らによってもたらされており[ 128] 、その後もたびたび輸入されているようである。藤原頼長 の日記『台記 』の1147年 (久安 3年)11月28日条には、鳥羽法皇 が藤原忠実 に貸したオウムを見た頼長が、よく話すが漢語 だからか聞き取れないと記している。江戸時代 に入ってからは、将軍 、大名 家で飼育され、庶民の見せ物小屋 などでもみられるようになった。[ 5]
ハンガリー出身の芸術家ヤコブ・ボグダーニ (英語版 ) (1660 - 1724, 1683年からアムステルダムに住み、その後イングランドに移った
[ 129] )は好んで鳥をモチーフとした画家で、オウムを描いた作品もある。また、オランダ人の画家メルヒオール・ドンデクーテル (1636 - 1695)の鳥の小品群の中にも、無数のほかの鳥とともに描かれている
[ 130] 。
英国の画家ジョセフ・ライト の『空気ポンプの実験 (英語版 ) 』では不運なオウムが主題として扱われているが、このオウムの運命は絵からではわからない[ 131] 。
1883年 に出版されたロバート・ルイス・スティーヴンソン の『宝島 』では悪役のジョン・シルバー が元の船長をあざけるかのように「フリント」と名付けたオウムを飼っていて、オウムのフリントはよくシルバーの肩を止まり木代わりにして鳴き声を上げる。
オウムはオーストラリアの植物や動物と並んで、20世紀初期の連邦建築様式 (英語版 ) における装飾的モチーフで大きな位置を占めた[ 132] 。英国の画家ウィリアム・ロバーツは1958年に訪れたカムデン・タウンのペットショップでインスピレーションを得て、“The Cockatoos”を描いた。この作品はテイト・ギャラリーに展示されている[ 133] [ 134] 。アメリカ人の芸術家、彫刻家のジョゼフ・コーネル は、紙を切り抜いて作ったオウムを作品の中に置くことで知られていた[ 135] 。
オーストラリア首都特別地域政府は1997年2月27日に、アカサカオウムを公式な動物相章に採用した[ 136] 。短命に終わった格安航空会社のインパルス・エアライン (英語版 ) は、キバタンをそのユニフォームと機体のマーキングに採用していた[ 137] 。ヤシオウムはユニークな嘴と顔の彩色を持った鳥であるが、World Parrot Trust はそのシンボルにこのヤシオウムを使っている[ 138] 。
1970年代には2つの刑事ドラマが、ペットのオウムを連れた主人公を登場させている。1973年の映画『セルピコ 』ではアル・パチーノ がペットに白色オウムを飼っていたし、テレビ番組の『刑事バレッタ (英語版 ) 』ではロバート・ブレイク がアオメキバタンのフレッドとともに登場した[ 139] 刑事バレッタ の人気は、1970年代後半のペットとしてのオウムの人気の高まりとの一致が見て取れる[ 140] 。オウムは広告において繰り返し使われている。あるオウムは2008年のコカトゥー・リッジ・ワイナリー社による(後にトーンダウンしはしたが)人を食った広告キャンペーンに登場している[ 141] 。また、オウムがデザインされたParrot OS (英語版 ) はセキュリティを重視したイタリア発のPC用のOSで、個人用のParrot Homeなどが無償で公開されている。
脚注
^ a b ICZN (2000). “Opinion 1949. Cacatua Vieillot, 1817 and Cacatuinae Gray, 1840 (Aves, Psittaciformes): conserved.” . Bulletin of Zoological Nomenclature : 66-67. http://biodiversitylibrary.org/item/45022#80 .
^ Suppressed by the en:International Commission on Zoological Nomenclature in Opinion 1949 (2000). ICZN (2000). “Opinion 1949. Cacatua Vieillot, 1817 and Cacatuinae Gray, 1840 (Aves, Psittaciformes): conserved.” . Bulletin of Zoological Nomenclature : 66-67. http://biodiversitylibrary.org/item/45022#80 .
^ a b 山崎剛史・亀谷辰朗「鳥類の目と科の新しい和名 (1) 非スズメ目・イワサザイ類・亜鳴禽類 」『山階鳥類学雑誌』第50巻 2号、山階鳥類研究所、2019年、141-151頁。
^ “Parrots, cockatoos ,” In: Gill F., D. Donsker & P. Rasmussen (Eds). 2023. IOC World Bird List (v14.1). https://doi.org/10.14344/IOC.ML.14.1 . Accessed on 16 January 2024.
^ a b オウム、大型インコの医・食・住 (単行本), 菅野 宏文 (著) どうぶつ出版 (2004/10), ISBN 4924603945 , ISBN 978-4924603943
^ J. Simpson, E. Weiner, ed. (1989). "cockatoo". Oxford English Dictionary (2nd ed.). Oxford: Clarendon Press. ISBN 0198611862 。
^ Mynott, Jeremy (2009). Birdscapes: Birds in Our Imagination and Experience . Princeton, New Jersey: Princeton University Press. p. 319. ISBN 0691135398
^ Higgins, Peter Jeffrey (ed.) (1999). en:Handbook of Australian, New Zealand and Antarctic Birds . Volume 4: Parrots to Dollarbird . Melbourne: Oxford University Press. p. 127. ISBN 0-19-553071-3
^ a b c d e f g h i j k l Rowley, Ian (1997). “Family Cacatuidae (Cockatoos)”. In Josep, del Hoyo; Andrew, Elliott; Jordi, Sargatal. en:Handbook of the Birds of the World . Volume 4, Sandgrouse to Cuckoos . Barcelona: Lynx Edicions. pp. 246-69. ISBN 84-87334-22-9
^ Richards, Kel . “ABC NewsRadio: wordwatch, Cockatoo ”. ABC website . Australian Broadcasting Corporation. 2009年10月20日 閲覧。
^ a b c Wright TF, Schirtzinger EE, Matsumoto T, et al. (October 2008). “A multilocus molecular phylogeny of the parrots (Psittaciformes): support for a Gondwanan origin during the cretaceous” . Molecular Biology and Evolution 25 (10): 2141-56. doi :10.1093/molbev/msn160 . PMC 2727385 . PMID 18653733 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2727385/ .
^ a b c de Kloet, RS; de Kloet SR (2005). “The evolution of the spindlin gene in birds: Sequence analysis of an intron of the spindlin W and Z gene reveals four major divisions of the Psittaciformes”. Molecular Phylogenetics and Evolution 36 (3): 706-21. doi :10.1016/j.ympev.2005.03.013 . PMID 16099384 .
^ a b Tokita M, Kiyoshi T, Armstrong KN (2007). "Evolution of craniofacial novelty in parrots through developmental modularity and heterochrony". Evolution & Development (英語). 9 (6): 590–601. doi :10.1111/j.1525-142X.2007.00199.x (inactive 25 February 2010). PMID 17976055 。
^ Gray, George Robert (1840). A List of the Genera of Birds, with an indication of the typical species of each genus . London: R. & J.E. Taylor. p. 53. http://www.biodiversitylibrary.org/page/13668970 2009年11月2日 閲覧。
^ Christidis and Boles, p. 148.
^ Astuti, Dwi; Azuma, Noriko; Suzuki, Hitoshi; Higashi, Seigo (2006). “Phylogenetic Relationships Within Parrots (Psittacidae) Inferred from Mitochondrial Cytochrome-bGene Sequences”. Zoological Science 23 : 191. doi :10.2108/zsj.23.191 .
^ a b Christidis L; Schodde R , Shaw DD, Maynes SF (1991). “Relationships among the Australo-Papuan parrots, lorikeets, and cockatoos (Aves, Psittaciformes) - protein evidence” . Condor 93 (2): 302-17. doi :10.2307/1368946 . http://elibrary.unm.edu/sora/Condor/files/issues/v093n02/p0302-p0317.pdf .
^ Schweizer M, Seehausen O, Güntert M, Hertwig ST (March 2010). “The evolutionary diversification of parrots supports a taxon pulse model with multiple trans-oceanic dispersal events and local radiations”. Molecular Phylogenetics and Evolution 54 (3): 984-994. doi :10.1016/j.ympev.2009.08.021 . PMID 19699808 .
^ Christidis and Boles, p. 200.
^ a b Courtney, J (1996). “The juvenile food-begging calls, food-swallowing vocalisation and begging postures in Australian Cockatoos”. Australian Bird Watcher 16 : 236-49. ISSN 0045-0316 .
^ a b c Brown DM, Toft CA (1999). “Molecular systematics and biogeography of the cockatoos (Psittaciformes: Cacatuidae)”. Auk 116 (1): 141-57. ISSN 0004-8038 .
^ Schodde , R; Mason IJ (1997). “Aves (Columbidae to Coraciidae)”. In Houston WWK, Wells A. Zoological Catalogue of Australia . 37.2 . Melbourne, Victoria: CSIRO Publishing. ISBN 0-643-06456-7
^ a b c Astuti, D (2004). A phylogeny of cockatoos (Aves: Psittaciformes) inferred from DNA sequences of the seventh intron of nuclear β-fibrinogen gene. . Graduate School of Environmental Earth Science, Hokkaido University, Japan. http://www.ees.hokudai.ac.jp/coe21/J/study/17RA/dwi.pdf .
^ Adams M, Baverstock PR, Saunders DA, Schodde R, Smith GT, M; Baverstock, PR; Saunders, DA; Schodde, R; Smith, GT (1984). “Biochemical systematics of the Australian cockatoos (Psittaciformes: Cacatuinae)”. Australian Journal of Zoology volume=32 (3): 363-77. doi :10.1071/ZO9840363 .
^ a b Christidis and Boles, p. 151.
^ Forshaw (1978), p. 124.
^ Lendon, p. 84.
^ Christidis and Boles, p. 150.
^ Boles, Walter E (1993). “A new cockatoo (Psittaciformes: Cacatuidae) from the Tertiary of Riversleigh, northwestern Queensland, and an evaluation of rostral characters in the systematics of parrots”. Ibis 135 (1): 8-18. doi :10.1111/j.1474-919X.1993.tb02804.x .
^ Waterhouse, DM (2006). “Parrots in a nutshell: The fossil record of Psittaciformes (Aves)”. Historical Biology 18 (2): 223-34. doi :10.1080/08912960600641224 .
^ a b Steadman, D (2006). Extinction and Biogeography in Tropical Pacific Birds . Chicago: University of Chicago Press. p. 348. ISBN 9780226771427
^ Steadman, D; White P, Allen J (1999). “Prehistoric birds from New Ireland, Papua New Guinea: Extinctions on a large Melanesian island” . Proceedings of the National Academy of Science 96 (5): 2563-68. doi :10.1073/pnas.96.5.2563 . http://www.pnas.org/content/96/5/2563.full.pdf+html 2009年12月4日 閲覧。 .
^ a b Forshaw (2006), plate 1.
^ Roselaar CS, Michels JP (2004). “Systematic notes on Asian birds. 48. Nomenclatural chaos untangled, resulting in the naming of the formally undescribed Cacatua species from the Tanimbar Islands, Indonesia (Psittaciformes: Cacatuidae)” . Zoologische Verhandelingen 350 : 183–96. https://repository.naturalis.nl/pub/215560/ 2022年2月28日 閲覧。 .
^ a b c Forshaw (2006), plate 6.
^ a b c d Cameron 2007 , p. 1.
^ Cameron 2007 , p. 57.
^ a b c Forshaw (1978), p. 110.
^ Cameron 2007 , p. 69.
^ a b Cameron 2007 , p. 67.
^ a b Cameron 2007 , p. 61.
^ Cameron 2007 , p. 58
^ a b Cameron 2007 , p. 59.
^ a b Cameron 2007 , p. 68.
^ a b c Murphy S, Legge S, Heinsohn R (2003). “The breeding biology of palm cockatoos (Probosciger aterrimus ): a case of a slow life history”. Journal of Zoology 261 : 327-39. doi :10.1017/S0952836903004175 .
^ Cameron 2007 , p. 86.
^ Cameron 2007 , p. 3.
^ Styche, Andrew (2000). Distribution and behavioural ecology of the sulphur-crested cockatoo (Cacatua galerita L.) in New Zealand (PhD thesis). en:Victoria University of Wellington . OCLC 156468918 . http://researcharchive.vuw.ac.nz/handle/10063/669?show=full [要ページ番号 ]
^ Cameron 2007 , p. 71.
^ a b Cameron 2007 , pp. 103–4.
^ Cameron 2007 , p. 77.
^ Cameron 2007 , p. 104.
^ a b c Temby, Ian (1999). "Urban wildlife issues in Australia" (PDF) . In Williams, Shaw; Lisa Harris; Larry Vandruff (eds.). Proceedings Of The 4th International Symposium On Urban Wildlife Conservation . Tucson, Arizona: University of Arizona. 2009年12月11日閲覧 。
^ Cameron 2007 , p. 126.
^ Lindenmayer, DB; Pope MP; Cunningham RB; Donnelly CF; Nix HA (1996). "Roosting of the Sulphur-Crested Cockatoo Cacatua galerita". Emu (英語). 96 (3): 209–212. doi :10.1071/MU9960209 (inactive 25 February 2010)。
^ Cameron 2007 , pp. 118–9.
^ Cameron 2007 , p. 113.
^ Cameron 2007 , pp. 116–7.
^ a b Cameron 2007 , p. 114.
^ Crowley, GM; Garnett S (2001). “Food value and tree selection by Glossy Black-Cockatoos Calyptorhynchus lathami ”. Austral Ecology 26 (1): 116-26. doi :10.1046/j.1442-9993.2001.01093.x .
^ Cameron 2007 , p. 122-23.
^ Cameron 2007 , pp. 143–44.
^ Saunders, DA (1974). "The function of displays in the breeding of the White-tailed Black Cockatoo". Emu (英語). 74 (1): 43–46. doi :10.1071/MU974043 (inactive 25 February 2010)。
^ Cameron, M (2006). “Nesting habitat of the glossy black-cockatoo in central New South Wales”. Biological Conservation 127 (4): 402-10. doi :10.1016/j.biocon.2005.08.019 .
^ Cameron 2007 , p. 129
^ a b Cameron 2007 , p. 130
^ Heinsohn, R; Murphy S, Legge S. “Overlap and competition for nest holes among eclectus parrots, palm cockatoos and sulphur-crested cockatoos”. Australian Journal of Zoology 51 (1): 81-94. doi :10.1071/ZO02003 .
^ Cameron 2007 , p. 131.
^ Cameron 2007 , p. 137.
^ Cameron 2007 , p. 138
^ Cameron 2007 , p. 139
^ Cameron 2007 , p. 147.
^ Cameron 2007 , pp. 139–40.
^ Cameron 2007 , p. 141.
^ Cameron 2007 , p. 143.
^ a b Forshaw (1978), p. 29.
^ Wood GA (1987). “Further field observations of the Palm Cockatoo Probsciger aterrimus in the Cape York Peninsula,Queensland” . Corella 12 (2): 48-52. http://www.aainsects.com.au/Pdf-papers-aainsects/Bird/bird-Cacat-3.pdf 2009年12月17日 閲覧。 .
^ Cameron 2007 , p. 149.
^ Borthwick, David (May 2005). “Threat Abatement Plan for Psittacine Beak and Feather Disease Affecting Endangered Psittacine Species ”. Department of the Environment and Heritage website . Department of the Environment and Heritage, Commonwealth of Australia. 2009年12月7日 閲覧。
^ Cordon, GP; Hitos Prados A, Romero D, Sánchez Moreno M, Pontes A, Osuna A, Rosales MJ (2009). “Intestinal and haematic parasitism in the birds of the Almunecar (Granada, Spain) ornithological garden” . Veterinary Parasitology 165 (3-4): 361-66. doi :10.1016/j.vetpar.2009.07.027 . http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0304401709004257 .
^ Stedman NL, Latimer KS, Rakich PM (1998). "Cloacal papillomas in psittacine birds: A retrospective histopathologic review" . Proceedings of International Virtual Conferences in Veterinary Medicine:Diseases of Psittacine Birds . International Virtual Conferences in Veterinary Medicine . Athens, GA: College of Veterinary Medicine, University of Georgia. 2009年12月7日閲覧 。
^ Cameron 2007 , p. 153.
^ B, Mary; Sinclair R (2002). “Australian research on bird pests: impact, management and future directions”. Emu 102 (1): 29-45. doi :10.1071/MU01028 .
^ a b Cameron 2007 , p. 155.
^ a b Cameron 2007 , p. 156.
^ Cameron 2007 , p. 160.
^ Temby, I (2003年). “Victorian cockatoos. Victorian Department of Primary Industries Information Note ”. Department of Primary Industries website . The State of Victoria. 2009年12月10日 閲覧。
^ Environment and Natural Resources Committee (Parliament of Victoria) (1995). Problems in Victoria caused by Long-billed Corellas, Sulphur-crested Cockatoos and Galahs . Victorian Government Printer
^ “Fauna Note No.20: Little Corella ”. Western Australian Department of Environment and Conservation (2007年7月24日). 2009年12月10日 閲覧。
^ “Little Corella (Cacatua sanguinea ): Resource document ”. South Australian Department for Environment and Heritage (March 2007). 2009年12月10日 閲覧。
^ a b Saunders, D (2005). "Conserving Carnaby's Black-Cockatoo: historical background on changing status" (PDF) . Conserving Carnaby's black-cockatoo - future directions: proceedings from a conservation symposium, Perth, Western Australia, 2 July 2003 . Perth, Western Australia: Birds Australia WA Inc. pp. 9–18. ISBN 0975142909 . 2009年12月11日閲覧 。
^ “Calyptorhynchus latirostris ”. Species Profile and Threats Database . Department of the Environment, Water, Heritage and the Arts, Canberra (2009年). 2009年12月10日 閲覧。
^ Cameron 2007 , p. 22
^ “Fauna Note No.4 - Muir's Corella ”. Department of Environment and Conservation, Western Australia (2007年12月12日). 2009年12月4日 閲覧。
^ “Philippine Cockatoo - BirdLife Species Factsheet ”. en:BirdLife International . 2009年10月20日 閲覧。
^ “Blue-eyed Cockatoo - BirdLife Species Factsheet ”. BirdLife International. 2009年11月8日 閲覧。
^ “Data Zone: Search Species ”. Birdlife International (2008年). 2008年12月13日 閲覧。
^ Cameron 2007 , p. 178
^ Maron, M (2005). “Agricultural change and paddock tree loss: Implications for an endangered subspecies of Red-tailed Black-Cockatoo”. Ecological Management & Restoration 6 (3): 206-11. doi :10.1111/j.1442-8903.2005.00238.x .
^ Kinnaird, M; O'Brien TG, Lambert FR, Purmias D (2003). “Density and distribution of the endemic Seram cockatoo Cacatua moluccensis in relation to land use patterns”. Biological Conservation 109 (2): 227-35. doi :10.1016/S0006-3207(02)00150-7 .
^ a b Cameron 2007 , p. 164.
^ Cameron 2007 , p. 166.
^ Cameron 2007 , p. 169.
^ Forshaw (2006), plate 4.
^ a b c Low, p. 16.
^ Lendon, p. 97.
^ Alderton, David (2003). The Ultimate Encyclopedia of Caged and Aviary Birds . London, England: Hermes House. p. 205. ISBN 184309164X
^ 英語ではparrot-ingの他に「ヨウム(洋鵡)」(Psittacus) などから(Psittacism) と呼ばれる。言語学 ではオウムなどの「言葉」は有限の文法で無限の文を作れないので言語と考えられていない。
^ Low, p. 23.
^ Athan 1999 , p. 84
^ King CE, Heinhuis H, Brouwer K (2007-12-18). “Management and husbandry of black cockatoos Calyptorhynchus spp in captivity”. International Zoo Yearbook 37 (1): 87-116. doi :10.1111/j.1748-1090.2000.tb00710.x .
^ Garner, MM; Clubb SL, Mitchell MA, Brown L (2008). “Feather-picking psittacines: histopathology and species trends” . Veterinary Pathology 45 (3): 401-08. doi :10.1354/vp.45-3-401 . http://www.vetpathology.org/cgi/content/full/45/3/401 2009年12月7日 閲覧。 .
^ a b Athan 1999 , p. 86.
^ Athan 1999 , p. 87.
^ Athan 1999 , p. 91
^ Athan 1999 , p. 92.
^ Lendon, p. 107.
^ Lendon, p. 112.
^ Athan 1999 , p. 93
^ Mullen, William (2009年10月1日). “Brookfield Zoo's Cookie the cockatoo has retired ”. Chicago Tribune. 2009年12月18日 閲覧。
^ Statch, Chris (2009年10月1日). “Zoo's oldest resident retires at 76 ”. Riverside/Brookfield Landmark. 2009年12月18日 閲覧。
^ a b Brouwer, K; Jones M, King C, Schifter H (2000). “Longevity records for Psittaciformes in captivity”. International Zoo Yearbook 37 : 299-316. doi :10.1111/j.1748-1090.2000.tb00735.x .
^ Lendon, p. xxvi
^ Codilla, Marian Z. (2010年2月21日). “90-year-old cockatoo eyes Guinness record ”. Cebu Daily News . INQUIRER.net. 2010年2月27日 閲覧。
^ Swift, W. Bradford (1997). “The healing touch - animal-assisted therapy”. Animals 16 (4): 130-32.
^ Patel AD, Iversen JR, Bregman MR, Schulz I, Schulz C (August 2008). Investigating the human-specificity of synchronization to music (PDF) . Proceedings of the 10th Intl. Conf. on Music Perception and Cognition . Adelaide: Causal Productions. 2008年11月14日閲覧 。
^ 『日本書紀 』巻第二十五、孝徳天皇 大化3年是歳条
^ 『日本書紀』巻第二十六、斉明天皇2年是歳条
^ Elphick, Jonathan (2004). Birds: The Art of Ornithology . London: Natural History Museum. p. 24. ISBN 9781902686660
^ “Melchior d'Hondecoeter: Fowl ”. Amsterdam, Netherlands: Rijksmuseum (2008年). 2009年12月12日 閲覧。
^ “An Experiment on a Bird in the Air Pump ”. The National Gallery. 2009年12月12日 閲覧。
^ Fraser, Hugh; Joyce, Ray (1989). The Federation House - Australia's Own Style . Willoughby, NSW: Weldon Publishing. p. 103. ISBN 1863020330
^ “The Cockatoos 1958 ”. Tate Collection: William Roberts 1895-1980 . Tate Gallery. 2009年12月12日 閲覧。
^ King, A (2007). “Painting on a perch: parrots are an enduring theme in European art, as Averil King learned at an unusual exhibition at the Barber Institute” . Apollo Magazine . http://findarticles.com/p/articles/mi_m0PAL/is_542_165/ai_n27208348/?tag=content;col1 2009年12月12日 閲覧。 .
^ d'Harnoncourt, A (June 1978). “The Cubist Cockatoo: A Preliminary Exploration of Joseph Cornell's Homages to Juan Gris”. Philadelphia Museum of Art Bulletin 74 (321): 3-17. ISSN 00317314 .
^ “ACT Flags and Emblems ”. Chief Minister's Department, ACT Government. 2009年12月10日 閲覧。
^ “Impulse Airlines Boeing 717-200 Cockatoo Takes Off For Home ”. Boeing (2001年1月9日). 2009年12月10日 閲覧。
^ “World Parrot Trust - Saving Parrots Worldwide ”. World Parrot Trust website. 2009年10月20日 閲覧。
^ Rosenfeld, Arthur (1989). Exotic Pets . New York: en:Simon & Schuster . p. 105. ISBN 0671476548
^ Boehrer, Bruce Thomas (2004). Parrot Culture: Our 2500-Year-Long Fascination with the World's Most Talkative Bird . University of Pennsylvania Press. p. 224. ISBN 9780812237931
^ “Erin not amused by a cockatoo ”. AdelaideNow . News Limited (2008年4月10日). 2009年10月20日 閲覧。
参考文献
Athan, Mattie Sue (1999). Guide to companion parrot behavior: with full-color photos and instructive line drawings . Woodbury, N.Y: Barron's Educational Series. ISBN 0-7641-0688-0
Cameron, Matt (2007). Cockatoos . Collingwood, VIC, Australia: CSIRO Publishing. ISBN 978-0-643-09232-7
Christidis, Les; Boles, Walter (2008). Systematics and taxonomy of Australian birds . Collingwood, VIC, Australia: CSIRO Pub. ISBN 978-0-643-06511-6
Forshaw, Joseph Michael (2006). Parrots of the world: an identification guide . Princeton, N.J: Princeton University Press. ISBN 978-0-691-09251-5
Forshaw, Joseph Michael; Cooper, William T. (1978). Parrots of the world (2nd ed.). Melbourne: Lansdowne Editions. ISBN 978-0-7018-0690-3
Cayley, Neville William; Lendon, Alan H. (1973). Australian parrots: in field and aviary . Sydney: Angus & Robertson. ISBN 978-0-207-12424-2
Low, Rosemary (1999). The loving care of pet parrots . Saanichton, B.C: Hancock House. ISBN 978-0-88839-439-2
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
オウム に関連するカテゴリがあります。
ウィキスピーシーズに
オウム に関する情報があります。