宝島
『宝島』(たからじま、Treasure Island )は、1883年に出版されたロバート・ルイス・スティーヴンソンの子供向け海洋冒険小説。 概要1881年から1882年まで子供向け雑誌『Young Folks』誌に連載され、1883年に単行本化された。 原題は『The Sea Cook, or Treasure Island』(海のコック、あるいは宝島)であったが、後に『Treasure Island』(宝島)と改題され、広く親しまれるようになる。もともとはスティーヴンソンが妻の連れ子のロイド少年のために書いたもの[1]である。 長きにわたって教養小説として、あるいは冒険小説として読まれている。特に登場人物である海賊のジョン・シルバーはその不道徳な言動からも児童文学には珍しい存在である。 ストーリー本作はジム・ホーキンズが少年時代に体験した大冒険の回顧録という形が取られている。ホーキンズは周囲にせっつかれ、「宝島」の位置は秘密にしつつ、恐ろしくもスリリングだった物語を書き留めるためペンを走らせる。 物語は、ある海辺のさびれた宿屋「ベンボー提督」亭に、ビリー・ボーンズという、顔に刀傷があり大きな箱を抱えた謎の大男が現れるところから始まる。ビリー・ボーンズは追手である「片足の男」に脅え、ホーキンズ少年に「片足の男に気をつけろ。4ペンス銀貨をやるから、片足の男が現れたらすぐ俺に知らせろ」と言いつける。 やがてビリー・ボーンズの周囲に、彼を追ってきたと思われる怪しげな人物が出没するようになる。ボーンズは次第にラム酒浸りになり、ある晩、一枚の紙切れを見せられたところショックにより死んでしまった。ホーキンズ少年は地元の郷士であるトレローニとリブシー医師とともにボーンズの箱を調べ、帳面から彼がかつてフリント船長という海賊の船の一味であったこと、海賊団は集めた財宝を大西洋のある孤島に隠したことを知り、そしてその島の位置を記した地図を見つける。トレローニとリブシーはブリストルで船を仕立て、財宝を探しに行くことになった。航海には素人のトレローニは、波止場で居酒屋を開いていたジョン・シルバーという片足の男の助けを借りて乗組員を集め、シルバー自身もコックとして船に乗り込んだ。やがて、ホーキンズ少年をはじめとする一行を乗せた船はブリストルを出港する。 一行は航海の末に宝島にたどり着くが、シルバーはかつてフリント海賊団の一味であり、自分が集めた海賊仲間と共に島で反乱を起こす。幸運にもホーキンズが事前に反乱の計画を耳にし、船長のスモレットに通報していたおかげで船長以下、トレローニとリブシーも辛くも脱出し、島で海賊一味との戦いがはじまる。海賊たちの間にも内輪もめが起き、かつてこの島に置きざりにされた元海賊のベン・ガンの助けを借りて、一行は海賊たちを撃退し、財宝を手に入れることに成功する。 生き残ったジョン・シルバーは降伏し、ホーキンズたち一行と共に島を離れるが、イギリスでの処罰を恐れ、帰途に寄航したカリブのある島で銀貨数袋をくすねて脱走し姿を消す。イギリスに帰り着いた一行は、財宝を分配し、それぞれの道を歩むことになった。 かくして命がけの大冒険はホーキンズにとっても過去の出来事となったが、未だに時折、シルバーのオウム「フリント船長」のけたたましい鳴き声が脳裏に響くのだった。 派生作品頻繁に劇やテレビドラマ、映画、アニメなどの題材となっている。イギリスの放送局、BBCでも少なくとも3回テレビ化され、2002年にはディズニーが舞台を宇宙に移した『トレジャー・プラネット』を制作発表した。その後Starzがそれに先立つ物語として、テレビドラマシリーズ『Black Sails』を制作した。日本では中沢啓治が漫画化している[3]。小説が有名になったために、「宝島」という言葉が一般に広まり、ゲームや遊園地の乗り物などに使われるようになっている。 映画
ビデオ作品
テレビスペシャルアニメ
テレビアニメ
パソコンゲーム
オーディオ・ドラマCDスタッフ
キャスト
漫画
脚注
関連項目
外部リンク |
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