ウリ共和党 (大韓民国 2020)
ウリ共和党(うりきょうわとう、朝鮮語: 우리공화당)は、韓国の保守政党。稀にわが共和党(わがきょうわとう)とも表記される[1][2]。2020年3月3日設立。同年3月22日までの旧名は自由共和党(じゆうきょうわとう、朝鮮語: 자유공화당)。朴槿恵の弾劾無効と崔順実ゲート事件の冤罪を主張する集会(いわゆる太極旗集会)を積極的に開催していた旧ウリ共和党の後継政党であり、韓国では極右と見なされている。 概要朴槿恵大統領の弾劾訴追以降、韓国では朴槿恵を支持する人々(親朴派)が自由韓国党から離れて複数の政党・政治団体を組織していた。中でもウリ共和党(旧・大韓愛国党)は2019年6月末時点で2名の国会議員を有し、かつ政党名に関する助言を受けるほど朴槿恵と親密な関係を構築していた[2]。だが、2019年後半から党運営の方法を巡って共同代表の趙源震と洪文鐘が対立し、党執行部は 2020年2月10日付けで分党行為(親朴新党結成計画の推進)を行った洪文鐘を除名処分とした[3]。これにより、ウリ共和党は所属国会議員が趙源震の1名となり、第21代総選挙を目前に控えて党勢の縮小を余儀なくされた。 ただし、共同代表同士の対立深化と並行して、ウリ共和党は親朴派のその他政党・団体と糾合できる可能性を模索していた。その結果、ウリ共和党は2020年2月20日に金文洙元国会議員が党首を務める自由統一党と統合することで合意し[4]、 3月3日に趙源震と金文洙が「自由共和党発足宣言文」を発表して自由共和党が正式に発足した [5]。党発足に伴い、旧ウリ共和党党首の趙源震と旧自由統一党の金文洙が共同代表に就任した他、旧自由統一党が第21代総選挙の比例代表選出対策として基督自由統一党と結んでいた共闘関係[6]が引き続き維持されることになった。また、結党当日に無所属国会議員の徐清源が合流し[7]、翌3月4日には未来統合党最高委員ながら第21代総選挙の党公認候補から除外された金順禮が入党したことで[8]、党所属の国会議員は3名となった。しかし、公認候補の選出を巡る党内対立から金文洙が3月22日に離党し、党指導部は同日中に党名を自由共和党からウリ共和党へと変更した[9]。 2020年4月15日、予定通りに第21代総選挙が実施され、ウリ共和党は改選前議席を全て喪失する敗北を喫した。これにより、ウリ共和党はいずれの議会にも議席を持たない弱小政党へ衰退した他、その他諸党の結果もあわせ「極右」と見なされる親朴派の政党が全て国会から姿を消すことになった。 政治的立場ウリ共和党と自由統一党の統合を2020年2月20日に発表した際、金文洙は新党発足の目的として下記の3点を挙げていた[10]。 また、ホームページ上で公開している「綱領」では自党を「大韓民国憲法が掲げる自由民主主義、市場経済、法治主義等の価値観を尊重し、三・一運動の独立精神と李承晩・朴正煕大統領が掲げた建国理念・政策を継承する政党」であると規定し、具体的な政策の理念として下記の「7大綱領」を掲げている[11]。
党指導部
太極旗集会太極旗集会(たいきょくきしゅうかい、朝鮮語: 태극기 집회)は、朴槿恵大統領弾劾反対デモ(朝鮮語: 박근혜 대통령 탄핵 반대 시위)と文在寅大統領退陣運動(朝鮮語: 문재인 대통령 퇴진 운동)の総称である。朴槿大統領弾劾が違法な行為であったと主張する朴槿恵の支持者達(親朴派)によって2016年10月31日[12]から土曜日毎に一度も欠かさず集会が開かれ続けてきた[1]。自由共和党の基盤となったウリ共和党と自由統一党は、いずれも太極旗集会を主催した親朴派の集団(太極旗部隊)によって組織された政党である。 ウリ共和党と自由統一党は2020年2月22日にも太極旗集会を開催する予定だったが、韓国における新型コロナウイルス拡散の影響を考慮して初めて集会の中止を決定した[13]。だが、自由共和党への参加を表明した全光焄がソウル特別市の行政命令を無視して2月22日と23日に集会を強行したため[14]、ソウル地方警察庁は2月26日に新型コロナウイルスの拡散を防ぐ目的で「集会やデモに関する法律」(집회 및 시위에 관한 법률)を根拠として都心における週末の集会を禁止すると通告した[15]。その為、翌週末(2月29日・3月1日)から光化門広場を使った集会は開催できなくなり[16]、太極旗集会も中断が続いている。 選挙結果
脚注注釈出典
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