ウィルソンテソーロ(欧字名:Wilson Tesoro、2019年2月25日 - )は、日本の競走馬[1]。主な勝ち鞍は2024年のJBCクラシック、2023年のかきつばた記念、マーキュリーカップ、白山大賞典。
馬名の意味は、人名より+冠名[5]。
戦績
デビュー前 - 3歳( - 2022年)
了徳寺健二が私財を投じて2018年に設立したリョーケンファームの1期生で、2019年に生まれた仔馬はウィルソンテソーロも含め9頭だった[12]。母のチェストケローズは了徳寺がアメリカのセリで購入し、産駒デビュー前のキタサンブラックがつけられた[12]。なお、チェストケローズは初子のウィルソンテソーロ出産後、蹄葉炎で死亡したため、ウィルソンテソーロが唯一の産駒となった[12]。
2021年8月28日、新潟競馬場第5レースの2歳新馬戦(芝1800m)で、鞍上三浦皇成にてデビューし、イクイノックスの6着[13]。レース後、左前脚の骨折が判明し、長期休養に入った[12]。なお、この休養中に高木登厩舎から田中博康厩舎に転厩している。3歳6月から復帰するも、2戦連続で着外に終わる。8月からダートに路線を変更すると、この判断が功を奏して初勝利を収めた。続く1勝クラスと2勝クラスも連勝し、3歳シーズンを終えた。
4歳(2023年)
4歳となった2023年、年明け初戦の3勝クラス・招福ステークスを勝利[14]、未勝利戦から4連勝でオープンクラスに昇格した。3月19日の名古屋城ステークスは1番人気に支持されたが、直線で伸びきれず5着に敗れた[15]。レース後、小手川準厩舎に再転厩した。
5月2日、初の重賞挑戦としてかきつばた記念に鞍上川田将雅にて出走。中団から3コーナーを回って好位に取り付き、直線でドライスタウトとの激しい追い比べをハナ差で制し、1分31秒1のレコードタイムで重賞初制覇を果たした[16][17]。次走は7月17日のマーキュリーカップに出走。鞍上は再び川田が務めた。道中は好位でレースを進め、勝負所で一気に加速。逃げたテリオスベルをあっさり交わすと、最後はこれに4馬身差をつける完勝で重賞2連勝を飾った[18][19]。続く9月26日の白山大賞典も川田が騎乗。道中は5番手を追走し、2週目3コーナー付近で外から一気に上昇。逃げ粘るメイショウフンジンを直線半ばでかわして、単勝1.2倍の圧倒的1番人気にこたえる重賞3連勝を飾った[20][21]。
11月3日、初のJpnI挑戦としてJBCクラシックに出走。これまで主戦を務めていた川田は海外遠征で騎乗できず、新たに菅原明良とコンビを組んだ。レースでは先行集団の後ろを追走するも、深い馬場が合わず5着に敗北[22][23]。巻き返しを図った12月3日のチャンピオンズカップは原優介とコンビを結成し、後方2・3番手を追走。直線では逃げるレモンポップを上がり最速の末脚で猛追し、12番人気の低評価を覆す2着に力走[24]。3着に入った9番人気ドゥラエレーデとともに3連単190万2720円の大波乱を演出した[25]。続く12月29日の東京大賞典も原とのコンビを継続。自身初となる逃げを打ち、ウシュバテソーロに差し切られるも2着に入った[26][27]。
5歳(2024年)
シーズン初戦として出走した2月18日のフェブラリーステークスは3番人気に支持されたが、ラスト1ハロンで余力を残せず、8着に沈む[28]。初の海外遠征となったドバイワールドカップは最後の直線で猛追を見せるも、4着に敗れた[29]。
6月26日、帝王賞に出走。道中は4・5番手で折り合い良く脚をため、3コーナーから一気に仕掛けたが、先に動いていたキングズソードを捉えきれず、1馬身3/4差の2着に惜敗した[30]。2度目の海外遠征となった9月8日のコリアカップはクラウンプライドの逃げ切りを許し、2戦連続の2着[31]。
11月4日、前年に引き続きJBCクラシックに出走。6月の帝王賞から3戦連続で1番人気に支持された。まずまずのスタートから中団に付け、2周目の3コーナーで一気に先頭へ。そのまま直線で後続を突き放し、4馬身差の完勝で悲願のGI級競走初制覇を果たした[32]。また、この勝利が父キタサンブラックにとって初のダートGI級競走制覇となった。
12月1日のチャンピオンズカップでは前年同様、レモンポップの2着となる。その後、次走は東京大賞典へ出走することとなったが、同月12日付で小手川厩舎から再びデビュー当時に在籍した高木登厩舎に転厩した[33]。
6歳(2025年)
年明け初戦のサウジカップは4着[34]。次走のドバイワールドカップでは7着に終わった[35]。
競走成績
以下の内容は、JBISサーチ[36]、netkeiba.com[37]、Racing Post[38]およびエミレーツ競馬協会[39]の情報に基づく。
競走日
|
競馬場
|
競走名
|
格
|
距離(馬場)
|
頭 数
|
枠 番
|
馬 番
|
オッズ (人気)
|
着順
|
タイム (上り3F)
|
着差
|
騎手
|
斤量 [kg]
|
1着馬(2着馬)
|
馬体重 [kg]
|
2021.08.28
|
新潟
|
2歳新馬
|
|
芝1800m(良)
|
15
|
2
|
3
|
027.00(6人)
|
06着
|
R1:49.3(36.2)
|
-1.9
|
0三浦皇成
|
54
|
イクイノックス
|
460
|
2022.06.26
|
東京
|
3歳未勝利
|
|
芝2400m(良)
|
12
|
7
|
10
|
004.20(3人)
|
07着
|
R2:27.9(36.2)
|
-0.5
|
0戸崎圭太
|
56
|
オーションズヨリ
|
482
|
0000.07.17
|
福島
|
3歳未勝利
|
|
芝1800m(良)
|
15
|
7
|
14
|
004.50(2人)
|
13着
|
R1:51.3(37.4)
|
-1.4
|
0戸崎圭太
|
56
|
コスモエクスプレス
|
476
|
0000.08.28
|
新潟
|
3歳未勝利
|
|
ダ1800m(稍)
|
14
|
6
|
10
|
005.30(4人)
|
01着
|
R1:51.8(37.0)
|
-1.8
|
0戸崎圭太
|
56
|
(サトノギベオン)
|
478
|
0000.10.15
|
東京
|
3歳上1勝クラス
|
|
ダ1600m(稍)
|
12
|
6
|
7
|
001.30(1人)
|
01着
|
R1:36.5(35.5)
|
-0.8
|
0戸崎圭太
|
55
|
(グリュースゴット)
|
480
|
0000.11.12
|
東京
|
3歳上2勝クラス
|
|
ダ1600m(良)
|
16
|
3
|
6
|
001.40(1人)
|
01着
|
R1:36.6(36.1)
|
-0.2
|
0戸崎圭太
|
56
|
(ダイシンピスケス)
|
486
|
2023.01.05
|
中山
|
招福S
|
3勝
|
ダ1800m(良)
|
12
|
7
|
9
|
001.50(1人)
|
01着
|
R1:52.3(37.4)
|
-0.3
|
0戸崎圭太
|
57
|
(ベストリーガート)
|
494
|
0000.03.19
|
中京
|
名古屋城S
|
OP
|
ダ1800m(稍)
|
16
|
4
|
8
|
002.00(1人)
|
05着
|
R1:51.1(37.1)
|
-0.9
|
0鮫島克駿
|
58
|
ルコルセール
|
484
|
0000.05.02
|
名古屋
|
かきつばた記念
|
JpnIII
|
ダ1500m(良)
|
12
|
6
|
8
|
003.00(2人)
|
01着
|
R1:31.1(36.2)
|
-0.0
|
0川田将雅
|
56
|
(ドライスタウト)
|
486
|
0000.07.17
|
盛岡
|
マーキュリーC
|
JpnIII
|
ダ2000m(重)
|
13
|
6
|
9
|
002.20(1人)
|
01着
|
R2:01.8(36.6)
|
-0.6
|
0川田将雅
|
55
|
(テリオスベル)
|
485
|
0000.09.26
|
金沢
|
白山大賞典
|
JpnIII
|
ダ2100m(良)
|
12
|
3
|
3
|
001.20(1人)
|
01着
|
R2:11.0(35.9)
|
-0.1
|
0川田将雅
|
55
|
(メイショウフンジン)
|
488
|
0000.11.03
|
大井
|
JBCクラシック
|
JpnI
|
ダ2000m(良)
|
10
|
5
|
5
|
004.70(3人)
|
05着
|
R2:06.9(39.4)
|
-1.8
|
0菅原明良
|
57
|
キングズソード
|
486
|
0000.12.03
|
中京
|
チャンピオンズC
|
GI
|
ダ1800m(良)
|
15
|
4
|
7
|
092.0(12人)
|
02着
|
R1:50.8(36.6)
|
-0.2
|
0原優介
|
58
|
レモンポップ
|
482
|
0000.12.29
|
大井
|
東京大賞典
|
GI
|
ダ2000m(良)
|
9
|
8
|
9
|
014.20(6人)
|
02着
|
R2:07.4(37.9)
|
-0.1
|
0原優介
|
57
|
ウシュバテソーロ
|
487
|
2024. 2.18
|
東京
|
フェブラリーS
|
GI
|
ダ1600m(良)
|
16
|
7
|
14
|
003.90(2人)
|
08着
|
R1:36.6(38.5)
|
-0.9
|
0松山弘平
|
58
|
ペプチドナイル
|
484
|
0000.03.30
|
メイダン
|
ドバイワールドC
|
G1
|
ダ2000m(良)
|
12
|
11
|
12
|
000
|
04着
|
R2:04.7
|
-2.4
|
0原優介
|
57
|
Laurel River
|
計不
|
0000.06.26
|
大井
|
帝王賞
|
JpnI
|
ダ2000m(稍)
|
13
|
6
|
8
|
003.20(1人)
|
02着
|
R2:07.2(38.0)
|
-0.3
|
0川田将雅
|
57
|
キングズソード
|
486
|
0000.09.08
|
ソウル
|
コリアC
|
G3
|
ダ1800m(稍)
|
11
|
|
8
|
001.50(1人)
|
02着
|
R1:52.7(37.4)
|
-0.9
|
0川田将雅
|
57
|
Crown Pride
|
480
|
0000.11.04
|
佐賀
|
JBCクラシック
|
JpnI
|
ダ2000m(良)
|
11
|
8
|
10
|
002.10(1人)
|
01着
|
R2:08.0(37.1)
|
-0.8
|
0川田将雅
|
57
|
(メイショウハリオ)
|
486
|
0000.12.01
|
中京
|
チャンピオンズC
|
GI
|
ダ1800m(良)
|
16
|
4
|
8
|
005.50(2人)
|
02着
|
R1:50.1(36.2)
|
-0.0
|
0川田将雅
|
58
|
レモンポップ
|
482
|
0000.12.29
|
大井
|
東京大賞典
|
GI
|
ダ2000m(良)
|
10
|
2
|
2
|
005.00(2人)
|
02着
|
R2:05.3(36.6)
|
-0.3
|
0川田将雅
|
57
|
フォーエバーヤング
|
483
|
2025.02.22
|
KAA
|
サウジカップ
|
G1
|
ダ1800m(Fs)[注 1]
|
14
|
4
|
13
|
016.00(5人)[注 2]
|
04着
|
R1:51.54
|
-2.45
|
0川田将雅
|
57
|
Forever Young
|
計不
|
0000.04.05
|
メイダン
|
ドバイワールドC
|
G1
|
ダ2000m(Fs)[注 3]
|
11
|
3
|
11
|
033.00(7人)[注 4]
|
07着
|
R2:04.83
|
-1.33
|
0川田将雅
|
57
|
Hit Show
|
計不
|
- タイム欄のRはレコード勝ちを示す
- 海外の競走の「枠番」欄にはゲート番を記載
- 競走成績は2025年4月5日現在
血統表
脚注
注釈
- ^ 馬場状態の発表は「Fast」[40]。これをJRAは「良」と発表した。馬場状態#ダートコース参照。
- ^ オッズ・人気はレーシング・ポストのもの[40]。日本国内では、単勝オッズ22.8倍の7番人気であった。
- ^ 馬場状態の発表は「Fast」[41]。これをJRAは「良」と発表した[42]。馬場状態#ダートコース参照。
- ^ オッズ・人気はレーシング・ポストのもの[43]。日本国内では、単勝オッズ22.8倍の5番人気であった。
出典
外部リンク