タイプ種 I. duncani は1990年代中盤にオーストラリアのクイーンズランド州に分布するウィントン層(英語版)で発見された[3][2]。発見場所は乾燥した河床であり、頭蓋骨の前側部分を除く大部分が発見された[2]。化石の初期のプレパレーションはクイーンズランド博物館(英語版)で実施され、その後はクイーンズランド大学のスティーブ・ソールズベリーの古生物学研究室に移管された[2]。その後の4年に亘る遠征の後、ソールズベリーらの研究室は2005年4月に大きさのみオリジナルの標本と異なるほぼ完全な頭蓋骨を発見した[2]。学名はイシスフォード(英語版)の町の付近で化石が発見されたことにちなみ、種小名は化石の発見者であるイシスフォードの元副市長であるイアン・ダンカンへの献名である[2]。
第二の種 I. molnari はニューサウスウェールズ州のライトニング・リッジの付近に分布するグリマン・クリーク層(英語版)で発見された神経頭蓋が発見され、2019年に命名された。また、同一のユニットから産出した上顎骨断片に基づいて命名された Crocodylus (Bottosaurus) selaslophensis は I. molnari に再分類された[4] 。しかし、後に Hart (2020) は C. selaslophensis のホロタイプが AM F125553 と重複しないことを指摘し、C. selaslophensis を I. molnari とは別種の I. selaslophensis として扱った。なお、彼は両者がシノニムの関係にある可能性も言及した[5]。
Turner and Pritchard (2015) の系統解析では、イシスフォルディアはスシスクスと共にディロサウルス科(英語版)よりも派生的な非正鰐類型新鰐類とされ、ゴニオフォリス科よりも基盤的とされた[6]。Rio and Mannion (2021) はイシスフォルディアを正鰐類から除外し、パラアリゲーター科(英語版)の姉妹群とした[7]。また、Hart et al. (2019) は系統関係の議論を避け、比較的派生的な非正鰐類型新鰐類と正鰐類との間の過渡期の特徴が見られると指摘した[4]。
^Turner AH, Pritchard AC. (2015) The monophyly of Susisuchidae (Crocodyliformes) and its phylogenetic placement in Neosuchia. PeerJ 3:e759 https://doi.org/10.7717/peerj.759