アレクサンダー・ブブリク
アレクサンダー・スタニスラヴォヴィチ・ブブリク (Alexander Stanislavovich Bublik, ロシア語: Александр Станиславович Бублик, 1997年6月17日 - ) は、カザフスタンの男子プロテニス選手。ATPランキング自己最高位はシングルス17位、ダブルス47位。これまでにATPツアーでシングルス5勝を挙げている。身長196cm、体重82kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。 ロシア出身で、現在はカザフスタン国籍で選手登録をしている。 選手経歴ジュニア時代ロシアのガッチナで生まれる。4歳のときにテニスを始め、父親の指導を受ける。ITFジュニアサーキットではシングルス6勝、ダブルス5勝を挙げており、ジュニアでの最高ランキングは19位を記録していた。 2016年 プロ転向2016年にロシアからカザフスタンへ国籍を変更し、同年にプロに転向。年始の世界ランキング964位から205位までランキングを大幅に上昇させた。 2017年 トップ100入り![]() 全豪オープンで予選を通過してグランドスラム初出場を果たすと、1回戦で第16シードのリュカ・プイユを破り、グランドスラム初勝利を挙げた。2回戦ではマレク・ジャジリに敗れた。BNPパリバ・オープンでは予選でニコロズ・バシラシビリに敗れた。マイアミ・オープンでも予選敗退。全仏オープンでは予選決勝で敗退。ウィンブルドン選手権ではラッキールーザーとして本戦出場。1回戦では昨年度覇者・世界ランキング1位のアンディ・マリーにストレートで敗れた。全米オープンでは予選でキャメロン・ノリーに敗れた。クレムリン・カップでは予選を通過してベスト8入り。準々決勝ではリカルダス・ベランキスに敗れた。ATPチャレンジャーツアーを中心にツアーを巡り、チャレンジャー2勝を挙げた。世界ランキング100位圏内にも入り、95位を記録。年間最終ランキングは117位。 2018年 チャレンジャー3勝目![]() 世界ランキングが200位台まで下降したが、シーズン終盤にブラチスラヴァで開催されたATPチャレンジャーツアーで優勝し、チャレンジャー3勝目を挙げた。年間最終ランキングは168位。 2019年 トップ50入り全豪オープンでは予選敗退。ブダペストとポーで開催されたATPチャレンジャーツアーでそれぞれ優勝。マイアミ・オープンでは予選通過を果たすも、2回戦でニック・キリオスに敗れたが、その後モンテレイでのチャレンジャーで優勝し、今季チャレンジャー3勝目を挙げた。 ![]() 全仏オープンでは2回戦で前年準優勝者・第4シードのドミニク・ティームに1セットを奪う奮闘を見せるも敗退。ウィンブルドン選手権では初戦敗退。テニス殿堂オープンではATPツアー250で初の決勝進出。決勝でジョン・イスナーに敗れ、準優勝。全米オープンでは3回戦進出をする。さらに成都オープンでも決勝進出。決勝でパブロ・カレーニョ・ブスタに敗れ、準優勝。世界ランキング48位を更新し、トップ50入り。年間最終ランキングは56位。 2020年 全豪ダブルスベスト4全豪オープンでは1回戦でジョーダン・トンプソンに敗れたが、ダブルスでは同国のミハイル・ククシュキンと組み、ベスト4進出。オープン13では準決勝まで進出して、ステファノス・チチパスに敗れた。ウエスタン・アンド・サザン・オープンでは1回戦でカレン・ハチャノフに敗れた。全米オープンでは1回戦でカイル・エドマンドに敗退。全仏オープンでは1回戦で世界ランク9位のガエル・モンフィスを破る金星を挙げたが、2回戦ではロレンツォ・ソネゴに敗れた。年間最終ランキングは50位。 2021年 全仏ダブルス準優勝アンタルヤ・オープンでは準決勝で世界ランキング10位のマッテオ・ベレッティーニをストレートで破り、キャリア2回目の対トップ10選手勝利を挙げ、3度目のツアー決勝進出。アレックス・デミノーとの決勝では怪我にで途中棄権したことで準優勝。全豪オープンでは2回戦でドゥシャン・ラヨビッチに敗れた。シンガポール・テニス・オープンでは4度目のツアー決勝に進出。決勝ではアレクセイ・ポピリンに敗れ、準優勝。 マイアミ・オープンでは準々決勝まで進出。準々決勝ではヤニック・シナーに敗れた。モンテカルロ・マスターズではジェレミー・シャルディーに初戦敗退。マドリード・オープンでは準々決勝でキャスパー・ルードに敗れた。BNLイタリア国際ではマリン・チリッチに初戦敗退。 全仏オープンでは1回戦で第2シードのダニール・メドベージェフにストレートで敗れたが、同大会のダブルスでは同胞のアンドレイ・ゴルベフと組み、グランドスラム初の決勝進出。決勝ではフランスのニコラ・マユ/ピエール=ユーグ・エルベール組に敗れ、準優勝。6月14日にダブルスで自己最高ランキング49位を更新。ウィンブルドン選手権3回戦ではフベルト・フルカチュに敗退。 ナショナル・バンク・オープンでは2回戦でダニール・メドベージェフに、ウエスタン・アンド・サザン・オープンでは2回戦でグリゴール・ディミトロフに敗れた。全米オープンでは2回戦でジャック・ソックに敗れた。パリ・マスターズではキャスパー・ルードに敗れて、2回戦敗退。 デビスカップ2020ではベスト8入り。準々決勝ではデビスカップセルビア代表に敗退。年間最終ランキングは35位。 2022年 ツアー初優勝全豪オープンでは2回戦で第17シードのガエル・モンフィスに1-6, 0-6, 4-6のストレートで完敗したが、2月の南フランス・オープンでアレクサンダー・ズベレフを6-4, 6-3のストレートで破り、ツアー初優勝を果たした[1][2]。 BNPパリバ・オープンでは1回戦で元世界ランキング1位のアンディ・マリーを破るも、2回戦でグリゴール・ディミトロフに敗退。マイアミ・オープンではキャスパー・ルードに2回戦敗退。 ![]() モンテカルロ・マスターズではパブロ・カレーニョ・ブスタに2回戦敗退。マドリード・オープンではミオミル・キツマノビッチに初戦敗退。ローマ・マスターズではマルコス・ギロンに初戦敗退。全仏オープンでは2回戦で第28シードのキツマノビッチに6-4, 5-7, 2-6, 1-6で敗れた。ウィンブルドン選手権では3回戦で第23シードのフランシス・ティアフォーに敗れた。 テニス殿堂選手権では決勝でマキシム・クレッシーに敗れ、準優勝。ナショナル・バンク・オープンではジェンソン・ブルックスビーに初戦敗退。全米オープンでは2回戦で第12シードのカレーニョ・ブスタに6-4, 4-6, 3-6, 6-7(5)に敗退するも、モゼール・オープンでは決勝でロレンツォ・ソネゴに6-7(3), 2-6で敗れ、今季2度の準優勝。パリ・マスターズではミカエル・イマーに初戦敗退。年間最終ランキングは37位。 2023年 ツアー3勝目 トップ25入り1月、全豪オープンでは1回戦で第30シードのアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナに0-6, 7-6(3), 6-3, 4-6, 3-6のフルセットの末に敗れた[3]。 2月、デビスカップ予選に出場。チリのニコラス・ジャリーに2-6, 2-6で[4]、クリスチャン・ガリンに4-6, 6-3, 3-6で敗れた[5]。翌週行われた南フランス・オープンではグレゴワール・バレール に4-6, 7-6(12), 6-7(3)で初戦敗退[6]。 3月、BNPパリバ・オープンでは吳東霖に4-6, 4-6のストレートで初戦敗退。フェニックス・チャレンジャーではベスト8進出。準々決勝ではヤン=レナード・ストルフに4-6, 6-3, 4-6で敗れた。マイアミ・オープンではジェフリー ジョン・ウルフに5-7, 3-6のストレートで初戦敗退。 4月、モンテカルロ・マスターズではアレクサンダー・ズベレフに6-3, 2-6, 4-6の逆転で初戦敗退。バルセロナ・オープンではエーミル・ルースヴオリに0-6, 3-6のストレートで初戦敗退。マドリード・オープンではホルガ・ルーネに1-6, 6-4, 6-7で2回戦敗退。 5月、BNLイタリア国際では2回戦でベン・シェルトンを6-4, 1-6, 6-1の破るも、3回戦ではキャスパー・ルードに6-1, 4-6, 6-7の逆転で敗れた。全仏オープンではジュリオ・ゼッピエリに0-6, 6-4, 6-4, 3-6, 5-7のフルセットで初戦敗退となった。 6月、ハレ・オープンでは2回戦でヤン=レナード・ストルフを6-3, 6-7(4), 6-3、準々決勝でヤニック・シナーを7-5, 2-0(不戦勝)、準決勝でアレクサンダー・ズベレフを6-3, 7-5で下して、決勝でアンドレイ・ルブレフを6-3, 3-6, 6-3で破り、ATPツアー500初制覇を飾るとともに、1年4ヶ月ぶりのツアータイトル優勝、ツアー2勝目を挙げた[7][8]。さらに大会後には世界ランク27位を更新して、トップ30入りを果たした。 7月、ウィンブルドン選手権では第23シードとして出場。1回戦でマッケンジー・マクドナルドを6-7, 6-4, 6-4, 6-4、2回戦でウルフを6-3, 7-6, 6-0、3回戦でマクシミリアン・マーテラーを6-4, 6-1, 7-6でそれぞれ下して、初の4回戦まで進出した。4回戦では第7シードのアンドレイ・ルブレフに5-7, 3-6, 7-6(6), 7-6(5), 4-6のフルセットの熱戦の末に敗れ、ベスト8進出を逃した。 ![]() 8月、全米オープンでは第25シードとして出場するも、ドミニク・ティームに3-6, 2-6, 4-6のストレートで初戦敗退。 10月、ヨーロピアン・オープンでは決勝でアルトゥール・フィスを6-4, 6-4のストレートで破り、ツアー3勝目を挙げた。続くスイス・インドアではキャスパー・ルードに6-7(5), 2-6で初戦敗退。 11月、パリ・マスターズでは初の3回戦でグリゴール・ディミトロフに2-6, 2-6で敗れた。年間最終ランキングは33位。 2024年 ツアー4勝目 トップ20入り全豪オープンではスミット・ナガルに4-6, 2-6, 6-7(5)のストレートで初戦敗退するも、2月のモンペリエでは決勝でボルナ・コリッチに5-7, 6-2, 6-3の逆転で下して、史上初となる全試合逆転勝利でのツアー優勝を果たすとともに、ツアー4勝目を挙げた[9]。3月のドバイ・テニス選手権決勝ではウゴ・アンベールに4-6, 3-6のストレートで敗れたものの、準優勝を飾った。 2025年 全仏ベスト8 ツアー5勝目ノーシードとして迎えた全仏オープンでは2回戦で第9シードのアレックス・デミノーを2-6, 2-6, 6-4, 6-3, 6-2の2セットダウンの逆転で破り、フルセットの末に勝利。さらに4回戦では第5シードのジャック・ドレイパーを7-5, 3-6, 2-6, 4-6の逆転で破り、グランドスラム初のベスト8進出を果たした[10][11]。準々決勝では第1シードのヤニック・シナーに1-6, 5-7, 0-6のストレートで敗れるも、芝シーズンに突入した直後のテラ・ヴォートマン・オープン2回戦ではシナーを3-6, 6-3, 6-4の逆転で下し、2年ぶり2度目のベスト8進出を果たした。試合後に「今回の試合は特別なもの」「大きな成果」とコメントした[12]。世界1位にリベンジを果たした後も快進撃を見せ、準々決勝ではトマーシュ・マハーチを7-6(2), 6-3、準決勝ではカレン・ハチャノフを4-6, 7-6(5), 6-4の接戦を逆転勝ちして、決勝進出。決勝ではダニール・メドベージェフを6-3, 7-3(4)のストレートで破り、2年ぶり2度目の優勝を飾るとともに、約1年4ヵ月ぶりのタイトルとなり、ツアー5勝目を挙げた。ブブリクは試合後「引退しようと思っていた。言葉にするのが難しい。昨年のウィンブルドンから今年の夏まで、本当に辛い数ヵ月だった。(ウィンブルドン後、今年3月途中までマッチ4勝17敗)(昨年の)ウィンブルドンの後、もう楽しめなくなっていたから引退しようと思っていた。精神面で言えば、人生で一番厳しい試合だった」と明かした[13]。 プレースタイル身長196cmから繰り出される強力なサーブとコート上での予測不可能で気まぐれなプレースタイルが特徴である。アンダーサーブやドロップショットを多用し、時折トリックショットも加える傾向があり、しばしば対戦相手の不意を突く魅せるプレーをする。そのプレースタイルは型破りなプレーをすることが多いニック・キリオスのプレースタイルと類似している[14][15][16]。また、試合に負けるとラケット破壊も目立ち、20秒間に3本もラケットを破壊したこともある[17][18]。 ATPツアー決勝進出結果シングルス: 12回 (5勝7敗)
ダブルス: 1回 (0勝1敗)
成績
W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし. グランドスラム
大会最高成績
脚注
外部リンク
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