アルアイン (競走馬)
アルアイン(欧字名:Al Ain 香:艾恩遺跡、2014年5月1日 - )は、日本の競走馬・種牡馬[1]。主な勝ち鞍は2017年の皐月賞、2019年の大阪杯。 馬名の由来は、UAEアブダビ首長国東部にある遺跡群(アル・アインの文化的遺跡群)から。ユネスコの世界遺産で、アラビア語で「泉」(العين,al-‘ayn / al-‘ain)の意[7]。母ドバイマジェスティにちなんでの命名。 経歴2歳(2016年)10月29日の京都競馬場芝1600m新馬戦でデビュー。1番人気に応え2着に0.1秒差を付けデビュー戦を勝利で飾る[8]。 2戦目は昇級戦となる12月23日の阪神競馬場芝1600m千両賞に出走。ここでは後にシンザン記念を制するキョウヘイに1馬身差を付け2連勝となる[9]。 3歳(2017年)2017年の初戦は1月8日京都競馬場のシンザン記念に出走。2番人気に推されたが、直線で大きな不利を受けたことにより前走1馬身差で破ったキョウヘイの後塵を拝し6着に敗れる[10]。 休養をはさみ、3月25日の毎日杯に2番人気で出走。レースでは逃げたテイエムヒッタマゲを直線で捕らえ、また1番人気の僚馬サトノアーサーの追い込みを凌ぎ重賞初制覇を果たした[11]。 迎えたクラシック三冠の一冠目、4月16日の皐月賞では同父の牝馬ファンディーナが出走することで注目が集まる中、単勝オッズ22.4倍の9番人気にとどまる[12]。レースでは中団より前で進め、最終コーナーで前へ進出した。最後の直線では先に先頭に立ったダンビュライト (武豊)を捉えて先頭に立つと最後は追いすがる僚馬ペルシアンナイト (M.デムーロ)を振り切りゴール。GI初制覇を飾った[12]。勝ちタイムは1分57秒8と、前年の皐月賞でディーマジェスティが記録したレースレコードをコンマ1秒上回り、また2015年の中山金杯で同厩舎のラブリーデイが記録した1分57秒8のコースレコードと同タイムだった。騎乗した松山弘平はこの勝利により中央GI初制覇となった[13]。この時、決勝線手前で外側に斜行しダンビュライトの進路を妨害したため、騎乗した松山弘平騎手に過怠金5万円の制裁となった[要出典]。 二冠を目指して挑んだ次走5月28日の東京優駿は距離不安が懸念されていた[14]こともあり、6.3倍の4番人気で迎えた。前半1000m63秒2という超スローペースを3番手から追走し、道中でレイデオロやペルシアンナイトが一気に前に上がって行く展開の中でも位置をキープして直線を迎えたが、5着に終わった[15]。 秋初戦は9月18日のセントライト記念から始動し、1.7倍の圧倒的支持を受けた。レースでは5番手から競馬を進めて直線半ばで先頭に立ったが、外から追い込んできたミッキースワローに差し切られ2着に敗れた[16]。続く10月22日の菊花賞では神戸新聞杯でレイデオロの2着となっていたキセキに次ぐ2番人気に推されたが、台風21号の影響で歴史的な不良馬場[17]になっていたことが影響し、先団から伸びきれず7着となった[18]。
4歳(2018年)2018年の初戦は2月11日の京都記念を選択[19]。5番手追走から直線で外から前を追い、クリンチャーには敗れたもののレイデオロには先着し2着に入った[20]。続いて4月1日の大阪杯に出走し、金鯱賞を制したスワーヴリチャードに次ぐ2番人気の支持を受けた。スワーヴリチャードが向こう正面で一気に先頭に立つ中で先団に位置を取り、直線では前を行くスワーヴリチャードを追ったが差を詰められず、外から追い込んできたペルシアンナイトにも差されて3着に終わった[21]。次走は初の海外遠征となる4月29日のクイーンエリザベス2世カップにダンビュライトと共に出走した[22]が、直線では伸びを欠き5着となった[23][24]。 その後は放牧を挟み、9月23日のオールカマーで復帰[25]。2番手に位置を取って直線で一旦は先頭に立ったが、内からレイデオロに交わされてクビ差の2着に敗れた[26]。10月28日の天皇賞(秋)では本馬を含めGI馬が7頭出走[27]する中で5番人気となり、先手を取ったキセキを2番手から追走。直線でも粘りを見せ、勝ったレイデオロから0秒4差の4着に入った[28]。次走は3歳時のシンザン記念以来のマイル戦となるマイルチャンピオンシップに出走。逃げたアエロリットを前に見ながら先団に位置を取り、直線で内から伸びて来たステルヴィオとペルシアンナイトには差されたものの3着に健闘した[29]。 5歳(2019年)2019年の初戦として3月10日の金鯱賞に出走[30]。鞍上は北村友一を予定していたが、落馬負傷の影響で柴山雄一に乗り替わりとなった[31]。このレースからブリンカーを着用[32]し、ダノンプレミアムやリスグラシューなども出走する中[33]で3番人気に推され、好位の一角でレースを進めたが、直線では伸びを欠いて5着に敗れた[34]。 その後は鞍上に北村友一を迎え、前年に引き続き大阪杯に出走。前年の有馬記念馬ブラストワンピースや、天皇賞(秋)の後ジャパンカップでアーモンドアイの2着に逃げ粘ったキセキなどが揃い[35]、単勝オッズは出走馬14頭中9番人気に留まったが、レースでは前半1000m61秒台のゆったりとした流れの中で4番手の好位につけると、直線では内を突いて先頭のエポカドーロを交わし、外から追い込んできたキセキと最内から伸びてきたワグネリアンを振り切って優勝。皐月賞以来約2年振りとなる勝利をGI2勝目で飾った[36]。また、鞍上の北村友一にとってはこれがJRA・GI初制覇となった[37]。 続いてアーモンドアイ、レイデオロ、キセキに次ぐファン投票4位の票数を集めた[38]宝塚記念に出走。好スタートから3番手に位置を取ったが、直線では前を行くキセキとリスグラシューに差を開けられ、さらに外からスワーヴリチャードに差されて4着となった[39]。(詳細は第60回宝塚記念を参照) 秋初戦となった天皇賞(秋)はアーモンドアイ、ダノンプレミアム、サートゥルナーリアなどGI馬10頭が出走する[40]一戦となったが、本レースでは圧倒的に不利とされる[41]16頭中16番枠の大外からの発走となり、距離ロスに加えてレースレコードに0.1秒差という高速決着の中、直線で失速して初の2桁着順となる14着に敗退した[42]。(詳細は第160回天皇賞を参照) 11月17日、2018年に3着となったマイルチャンピオンシップに出走。鞍上にはデビュー戦以来となるライアン・ムーアが起用されたが[43]、16着に終わった[44]。ムーアはレース後、「もう少し前で運びたかった。今回のマイルは忙しかったです」と回顧した[44]。 12月4日、所有するサンデーレーシングから次走の第64回有馬記念を以って現役を引退し、翌年からブリーダーズ・スタリオン・ステーションにて種牡馬入りすることが発表された。12月22日の有馬記念では2年前のダービー以来のコンビとなる松山弘平鞍上で出走[45]、好位でレースを進めるも直線で一杯になり11着に終わった[46]。松山はレース後、「この舞台に連れてきてくださった関係者と馬に感謝しています。スタートも良く、しっかり反応して最後まで頑張ってくれました」とコメントした[47]。 その後12月27日付で競走馬登録を抹消。引退後はブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬となる[3]。
競走成績
以上の「競走成績」における内容はnetkeiba.comに基づく[48]。 種牡馬成績主な産駒
血統表
エピソード
出典
外部リンク |
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