アフリートアレックス (Afleet Alex) [2][4]とはアメリカ合衆国生産、調教の競走馬、種牡馬。主な勝ち鞍に2005年のアメリカクラシック二冠(プリークネスステークス、ベルモントステークス)、2004年のホープフルステークス。2005年のエクリプス賞最優秀3歳牡馬に選出された。
概要
- 特記事項なき場合、本節の出典はEQIBASE[1]
2002年5月9日にジョン・マーティン・シルヴァータンドが経営する牧場で生まれるが、母マギーホークは初乳が出ず、そのため乳母を用意する必要があったのだが、その間は生産者の娘が哺乳瓶を使いミルクを与えていた[5]。
2004年6月26日、デラウェアパーク競馬場のメイドン競走でデビューし、2着に11馬身4分の1差をつけて勝利をおさめる[6]。2戦目7月12日のアローワンス競走でも12馬身差をつけて2連勝とする[6]。重賞初出走となるサラトガ競馬場のサンフォードステークスに駒を進めて、レースでは1分9秒3のレースレコードで勝ち上がる[6]。初G1競走となるホープフルステークスも、後方からレースを進めてゴール前で先行馬をとらえて4連勝でG1競走を手中にした[7]。続くシャンペンステークスでは先に抜け出したプラウドアコレイドを捕まえきれず2着に敗れ[8]、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルでもイギリスから乗り込んできたウィルコの2着に終わり[9]、2戦連続2着でこの年を終える。
2005年は初戦となるオークローンパーク競馬場のマウンテンヴァレーステークスを勝利し2戦目のレベルステークスは6着に終わったが、アーカンソーダービーではフラワーアレイに8馬身差をつけて勝利する[10]。クラシック路線に乗り込み、ケンタッキーダービーは2番人気で迎えるも、レースでは伏兵で人気薄のジャコモと最低人気のクロージングアーギュメントに遅れを取って3着[11]。二冠目プリークネスステークスでは4コーナーで、先行のスクラッピーティーに大きく寄られてつまずく場面があったものの立て直し、最後は不利を与えたスクラッピーティーを4馬身4分の3差突き放して優勝[4][12][13]。三冠目ベルモントステークスも7馬身差で圧勝し、ポイントギヴン以来となるプリークネスステークスとベルモントステークスに勝利の形での二冠馬となった[14]。
その後7月の調教中に左前の管骨を骨折し、復帰が叶わないまま12月に引退した[4]。引退後のエクリプス賞年度代表馬選考では56票しか集められず、194票を獲得したセイントリアムに年度代表馬の座を譲ったが、最優秀3歳牡馬に選出された[3]。最優秀3歳牡馬に加えて馬主にも特別賞が授与されたが、これは馬名のアレックスが、5人の馬主の子供の名前がアレックスやアレクサンドラであったため付けられたもので[15]、またレモネード販売業者の娘で2004年8月に癌で死亡した8歳の少女もアレックスという名で、その縁があってレモネード販売業者の音頭取りで賞金の一部が小児癌基金に寄付されることになり、資金集めのための運動を行った甲斐があってアメリカクラシック三冠3レースでレモネードスタンドを展開するために招待されるなど活動が知れ渡って、その活動に対する表彰であった[16][17][18]。また、全米競馬協会によるファン投票で、大きな不利を受けながらも優勝したプリークネスステークスがモーメント・オブ・ザ・イヤーに選ばれた[19]。
競走成績
以下の内容は、EQIBASE[1]の情報および記載法に基づく。
出走日 |
競馬場 |
競走名 |
格 |
距離 |
着順 |
騎手 |
着差 |
1着(2着)馬
|
2004.06.26 |
デラウェアパーク |
メイドン |
|
D5.5f
|
1着 |
J.ローズ |
11 1/4馬身 |
(B Trick)
|
2004.07.12 |
デラウェアパーク |
アローワンス |
|
D5.5f
|
1着 |
J.ローズ |
12馬身 |
(Monster Chaser)
|
2004.07.29 |
サラトガ |
サンフォードS |
G2 |
D6f
|
1着 |
J.ローズ |
5 1/4馬身 |
(Flamenco)
|
2004.08.21 |
サラトガ |
ホープフルS |
G1 |
D7f
|
1着 |
J.ローズ |
クビ |
(Devils Disciple)
|
2004.10.09 |
ベルモントパーク |
シャンペンS |
G1 |
D8.5f
|
2着 |
J.ローズ |
1/2馬身 |
Proud Accolade
|
2004.10.30 |
ローンスターパーク |
BCジュヴェナイル |
G1 |
D8.5f
|
2着 |
J.ローズ |
3/4馬身 |
Wilko
|
2005.03.05 |
オークローンパーク |
マウンテンヴァレーS |
|
D6f
|
1着 |
J.ローズ |
2 3/4馬身 |
(Rzor)
|
2005.03.19 |
オークローンパーク |
レベルS |
G3 |
D8.5f
|
6着 |
J.R.ヴェラスケス |
12 1/2馬身 |
Greater Good
|
2005.04.16 |
オークローンパーク |
アーカンソーダービー |
G2 |
D9f
|
1着 |
J.ローズ |
8馬身 |
(Flower Alley)
|
2005.05.07 |
チャーチルダウンズ |
ケンタッキーダービー |
G1 |
D10f
|
3着 |
J.ローズ |
1馬身 |
Giacomo
|
2005.05.21 |
ピムリコ |
プリークネスS |
G1 |
D9.5f
|
1着 |
J.ローズ |
4 3/4馬身 |
(Scrappy T)
|
2005.06.11 |
ベルモントパーク |
ベルモントS |
G1 |
D12f
|
1着 |
J.ローズ |
7馬身 |
(Andromeda's Hero)
|
種牡馬時代
引退後はケンタッキー州レキシントンのゲインズウェイファームで種牡馬となり、初年度の種付料は4万ドルに設定された[20]。ブルードメアサイアーとして産駒も含めてG1競走勝ち馬を複数送り出したが、2020年度の時点では種付料は6500ドルに設定されている[21]。
2022年1月に種牡馬を引退、種牡馬引退後はゲインズウェイファームで余生を送る。
主な産駒
ブルードメアサイアーとしての産駒
血統表
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l “Afleet Alex (FL)”. EQUIBASE Horse Profile. Equibase Company LLC.. 2020年4月19日閲覧。
- ^ a b c d e f “Afleet Alex(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月19日閲覧。
- ^ a b “米年度代表馬はセイントリアム”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2006年1月24日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ a b c “米2冠馬アフリートアレックスが引退”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年12月2日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “Two Miracles Named Alex: The Thoroughbred race horse Afleet Alex and Alex's Lemonade Stand For Pediatric Cancer Research founded by Alexandra Scott | by Martha Ainsworth”. www.metanoia.org (2005年). 2020年4月19日閲覧。
- ^ a b c “アフリートの孫、米2歳重賞でレコード圧勝”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2004年7月30日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “アフリートアレックス、無敗でG1制覇”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2004年8月22日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “シャンペンS、アフリートアレックス敗れる”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2004年10月10日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “BCジュヴェナイル、英国馬ウィルコ差し切り”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2004年10月31日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “アフリートアレックス、8馬身差の圧勝”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年4月17日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “ケンタッキーダービー、伏兵ジャコモ差し切る”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年5月8日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “プリークネスS、アフリートアレックス制す”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年5月22日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “Looking Back at Afleet Alex and Tapit”. bloodhorse.com.. Blood-Horse LLC. (2005年5月22日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “ベルモントS、アフリートアレックス2冠達成”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2005年6月12日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ Jensen, Mike (April 27, 2015). "After 10 years, memories of Afleet Alex abound". The Philadelphia Inquirer.
- ^ “Afleet Alex - 10 Years Later”. Alex's Lemonade Stand (14 May 2015). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “Afleet Alex owners to receive Special Eclipse Award”. American Turf Monthly.. American Turf Monthly. (2006年1月12日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “Special Eclipse Award to Afleet Alex's Owners”. bloodhorse.com.. Blood-Horse LLC. (2006年1月9日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “モーメント・オブ・ザ・イヤーにアフリートアレックス”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2006年1月24日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “Afleet Alex to Stand at Gainesway for $40,000”. bloodhorse.com. 2020年4月19日閲覧。
- ^ “Tapit Leads Gainesway’s 2020 Roster At $200,000”. PaulickReport.com. Blenheim Publishing LLC. (2019年10月25日). 2020年4月19日閲覧。
- ^ “Afleet Express(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月19日閲覧。
- ^ “Dublin(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月19日閲覧。
- ^ “ビタースウィート”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月19日閲覧。
- ^ “Iotapa (KY)”. EQUIBASE Horse Profile. Equibase Company LLC.. 2020年4月19日閲覧。
- ^ “Materiality(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月19日閲覧。
- ^ “Texas Red (KY)”. EQUIBASE Horse Profile. Equibase Company LLC.. 2020年4月19日閲覧。
- ^ “シャーラレイ(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月19日閲覧。
- ^ “Sir Winston (KY)”. EQUIBASE Horse Profile. Equibase Company LLC.. 2020年4月26日閲覧。
- ^ “Plactical Move (KY)”. EQUIBASE Horse Profile. Equibase Company LLC.. 2023年4月9日閲覧。
- ^ a b c “Afleet Alex(USA) 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月19日閲覧。
- ^ a b “Afleet Alexの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年4月19日閲覧。
外部リンク