アカアシカツオドリ
アカアシカツオドリ(赤脚鰹鳥、Sula sula)は、カツオドリ目カツオドリ科カツオドリ属に分類される鳥類。属名および種小名の sula はノルウェー語でシロカツオドリを指す呼称に由来する。 分布インド洋、大西洋、太平洋の熱帯および亜熱帯の海域に分布する[1][2]。 日本では少数が南西諸島、硫黄列島、小笠原諸島に飛来する[3]。2017年には南硫黄島で集団繁殖が確認されている[4]。また、八重山列島の仲御神島には毎年、若齢鳥を中心に数羽~10羽程度が飛来し、1975年と1977年には繁殖も確認されている[5][6]。 本州では東京都(1978年)、神奈川県(1975年)の記録があり[7]、近年には東京都内(2008年7月)で保護されている[8]。北海道では、茅部郡森町(2008年9月)で幼鳥が保護され[9]、利尻島(2006年7月)においても若鳥の飛来が記録されている[10]。福岡市西区の今津湾に飛来した例もある。[要出典] 形態全長約75cm[11] (70-80cm[2])。翼開長約143cm[11] (140-145cm[2])。翼長30.6-40.2cm、嘴峰長7.19-9.1cm、跗蹠長3.12-4.09cm、尾長19.2-24.3cm[2]。体重0.94-1.07kg[12]。雌雄同色。全身は白色(白色型)や灰褐色(褐色型)の羽毛で覆われる。白い羽毛で覆われるが、翼上面の色彩が灰褐色(さらに頭部から体上面も灰褐色)の個体もいる(中間型)。初列風切や次列風切の色彩は黒い。尾羽はくさび型で先端が尖り[1]、色彩は白色(白色型、中間型)や黒褐色(褐色型)。日本では中間型と思われるものも観察されているが[13]、褐色型は確認されていない[1]。 顔には羽毛がなく赤い皮膚が露出し、眼の周囲の皮膚は青みがかった灰色。嘴の色彩は淡青色や青紫色。足は赤い。 若鳥の褐色型は全体として褐色であるが、白色型は全体に白みがある[3]。嘴の色彩はピンク色で、先端は紫がかった褐色[3]。足はピンクがかった灰色[11]。幼鳥は褐色型とよく似るが、足が黄色で[1][14]、白色型の幼鳥は頭部が白みを帯びる[1]。 亜種3亜種に分かれるとされる。
生態熱帯から亜熱帯の海洋に生息し[1]、20羽以下の群れを形成して生活する[12]。 食性は動物食で、魚類、軟体動物を食べる。主に空中から水中の獲物を探し、獲物を発見すると急降下して潜水し捕らえる。海面付近を跳躍しているトビウオを捕食することもある。 周年繁殖する。集団繁殖地(コロニー)を形成し、低木の樹上に木の枯枝を組み合わせた皿形の巣を作り[7][12]、1回に1-2個(主に1個)の卵を産む。卵は青色無斑で、大きさは5.9-7.2cm × 3.5-4.85cm[7]。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は42-46日。雛は孵化してから100-144日で巣立つが、幼鳥は巣立ってからも数か月は親鳥から食物を与えられる[12]。生後2-3年で性成熟し、寿命は20年以上。 小笠原航路で、聟島列島の北北西約60kmで記録された個体が船に近付き、約1時間・40km飛翔した後、その船に止まり就眠した。その後、青ヶ島の東、約60kmで飛び立つまで12時間10分、約450kmを船上で過ごした記録がある[20]。 人間との関係卵も含めて食用とされることもあり、食用の乱獲により生息数は減少している。 日本では1972年に仲御神島が「仲の神島海鳥繁殖地」として国の天然記念物に指定されている[21]。ただし、セグロアジサシ等の海鳥の集団繁殖地としてであり、アカアシカツオドリの繁殖例があるのは指定後である。 絶滅危惧IB類 (EN)(環境省レッドリスト) 画像
脚注
参考文献
関連項目外部リンク
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