アウストリアダクティルス
アウストリアダクティルス (Austriadactylus) は"嘴口竜亜目"翼竜の1属。化石はオーストリアの後期三畳紀(中期ノーリアン[1])の岩盤から産出している。 この属は2002年にFabio Marco Dalla Vecchiaたちによって命名された。模式種はAustriadactylus cristatusである。属名は翼竜の翼指に因み、ラテン語の"Austria"とギリシャ語の"daktylos"(指)に由来する。種小名はラテン語で「トサカがある」の意味で、頭骨のトサカから来ている。 この属はチロル州のAnkerschlag近辺にある廃鉱のノーリアンのSeefelder Bedsから発見された岩板上の押し潰された部分的な骨格からなる標本番号SMNS 56342を模式標本としている。その上に数点の骨が残っていた岩板のカウンターパートは失われている。この化石は、頭骨・下顎・数個の脊椎・部分的な四肢骨・肩帯・尾の初めの部分からなる。 細長い頭骨は11 cm の長さがある。頭骨には鼻先に行くに従って高くなり、最高2 cm に達する骨質のトサカがある。三角形の鼻孔は頭骨で最大の開口部である。同じく三角形の前眼窩窓は眼窩より小さい。歯は形の異なるものがあり、本種は異歯性である。ほとんどの歯は小さく三尖歯である。上顎前部には5本のより大きく反り返った単冠歯が獲物を捕まえるように並んでおり、さらに6-7 本の同様の歯が口の奥の方でたくさんの小さな歯の間に散らばって生えていた。最少で17本、おそらく最大でも25本の三尖歯が上顎にあり、大型小型含めると全部でおそらく74本の歯が頭骨にはあった。下顎歯の数は推定不可能である。 柔軟な尾には、他の基底的翼竜にはある尾を固めている椎骨の棒状伸長部が存在しない。翼開長は約120 cm と推測されている。 アウストリアダクティルスは2002年に記載者によって翼竜類の中のincertae sedisとして分類されたが、後のいくつかの分析ではCampylognathoididaeの中のカンピログナトイデスとエウディモルフォドンに類縁があることが示されている。この属がエウディモルフォドンの新参異名である可能性も指摘されているが、おそらくその場合でも同属の別の種となる。以下の系統分析は Upchurch et al. (2015) に従う[2]。
出典
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