ペテイノサウルス
ペテイノサウルス (Peteinosaurus 「翼のある爬虫類[1]」) は翼竜の属。後期三畳紀の後期ノーリアン期(およそ221-210Ma[2])に生息していた。 名称この属はドイツの古生物学者ルパート・ヴィルト (Rupert Wild) によって1978年に記載された[3]。タイプ種は Peteinosaurus zambellii である。属名はギリシア語の πέτεινός「翼のある」と σαῦρος「トカゲ」に由来し、後者のσαῦροςは多くの爬虫類の学名に用いられている。種小名の zambellii はベルガモ自然史博物館のキュレーター Rocco Zambelli への献名である。 記載ペテイノサウルスは最小の翼竜の一つである。ペテイノサウルスの翼開長は約60cm で、体重はクロウタドリよりも軽い[2]。 標本3個の化石はイタリアのチェーネ近郊で見つかっている[4]。最初の化石で模式標本の MCSNB 2886 は不完全でバラバラになった骨格だった。第2標本の MCSNB 3359 はつながった骨格で、胸腰椎、固められた尾、翼、後肢、足などが残っているが埋没する前に水流で洗われた可能性がある[1]。この標本はパラタイプ標本となっているが、ペテイノサウルス特有の特徴が何一つ確認できないので、実は別の翼竜であるという可能性もある。このパラタイプ標本には20cmほどの長い尾があり、長く伸びた椎骨の延長部によってしっかりと固められているが、この特徴は三畳紀の翼竜に一般的に見られる特徴である。第3の標本は MCSNB 3496 で、これも骨格の一部からなる。全ての標本は未成熟個体で、頭蓋骨が保存されているものはない。 ほとんどの翼竜と同じくペテイノサウルスの骨格は強靱であるが非常に軽量である。ペテイノサウルスは三形歯性、すなわち3種類の円錐歯を持っている。ペテイノサウルスの食性は昆虫食であると考えられている[4]。ペテイノサウルスの第5趾は伸長しており爪がない。その関節は他の趾骨とは異なった平面で曲がるようになっており、ソルデスの標本 PIN 2585/3 に保存されていたような腿間膜を制御することができた[要出典]。 系統と分類ペテイノサウルスは知られている中で最古の翼竜の一つであり、後の時代に現れるプテラノドンなどが6mを超す翼開長を持っていたのに対し、わずか60cmの小さな翼開長しか持たない。その翼は後生の翼竜と比べて体との対比の上でも小さく、翼長は後肢長の2倍の長さしかないが[4]、他の翼竜では翼長は後肢長の少なくとも3倍の長さになる[4]。同じくイタリアで発見された三畳紀翼竜であるエウディモルフォドンが保持していたような特殊化した多歯性も存在せず、ペテイノサウルスが備えているのは単冠歯である[4]。 これら全ての要因から導かれるのは、ペテイノサウルスは既知の翼竜の中でおそらく最も基底的なグループであるディモルフォドン科に属するということであり、1988年にRobert L. Carroll によってそこに分類された[5]。そのグループに属する他のメンバーは知られている限り1つだけで、これら2属が属する科名にその名を表すディモルフォドンである[4]。しかしながら、後に行われた分岐分析ではその二者に近い関係があるとは示されなかった。ペテイノサウルスが基底的位置にいる可能性は Fabio Marco Dalla Vecchia によって主張されたが、彼はデイヴィッド・アンウィン (David Unwin) が最も基底的であるとしたプレオンダクティルスはペテイノサウルスの後行シノニムではないかとも述べている。2010年にBrian Andres 他によって行われた分岐分析では、ペテイノサウルスをエウディモルフォドンやアウストリアダクティルスと共に、より基底的なグループとしてLonchognathaに分類した[6]。下記の系統分析は Upchurch et al. (2015) [7]の形状に従った。
しかしながら、Mark Witton はペテイノサウルスを真のディモルフォドン科であると考えている[8]。 出典
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