『へんないきもの』は、デザイン・ライターである早川いくをの2004年の著作。また、同書籍を元にした食玩の名称。約45万部を売り上げるベストセラーとなった。続編に『またまたへんないきもの』、小説に『へんないきもの三千里』、類似本に『とってもへんないきものたち』、『へんなせっくすのいきもの』などがある。『またまたへんないきもの』、『へんないきもの三千里』についてもここで説明する。
概要
地球に蠢く奇妙な生物を、時にギャグや現代社会への皮肉・風刺を交えて紹介している。
新江ノ島水族館などでこの書籍と提携したイベントも開催されており[1]、著者も協力している。
また、2005年10月にアガツマから同書籍のイラストを元にした「変な生き物のフィギュア」が付属する、同名の食玩が発売されている。
へんないきもの三千里
芦屋ユカリという、生き物嫌いで「おしゃれ魔女」の異名を取る小学六年生の少女が、恋愛成就の呪術(ヒキガエルの耳後線から出る液を吸う)によって異界へ飛ばされ、そこで人間と比較的同じ大きさ、人語を操る「へんないきもの」と遭遇する、という体裁で以下の生物が紹介される。横軸として、リゾート会社に取締役として勤め開発計画を進める父真三、「セレブ界のファッションリーダー」で新興宗教「お多福教」を信仰する母シズコ、生物オタクである兄がマス・メディアに翻弄される「芦屋家の崩壊」が描かれる。
主な掲載生物
へんないきもの
またまたへんないきもの
へんないきもの三千里
著者の出演番組
類似書
脚注
- ^ えのすいトリーター日誌 2006/11/04
- ^ DVD版において早川のアシスタントを務める。この種の二割にあたる「サボり組」には岡ノ谷一夫、 吉田重人共著 『ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係』 岩波書店 2008.11 (岩波科学ライブラリー) ISBN 978-4-00-007491-9 38頁によれば、「独立して所帯を持つため、太る」オス個体がいる。また同著32頁によれば、女王は群れの中で、ストレスが最も多く睡眠時間がもっとも短く、女王の交代が繁殖メスとついでに繁殖オスも殺されることが多いなどの事実から、疲れた子供を「おド突き」遊ばすのみではなく、「サカリのついた娘が繁殖メスになるのを防ぐため」ド突きまわす可能性もあるらしい。
- ^ この種の「カエルアンコウ」への安直な改名に対して、著者は本文中にて「臭い物に蓋」と苦言を呈している。
- ^ 「乾眠状態で百年生きる」という観測例は 鈴木忠著『クマムシ?!』 岩波書店 (岩波科学ライブラリー)96頁によれば、2001年の報告によって典拠がわからないことが判明した。尚単行本での「クマムシモーニング娘。」が文庫版では「クマムシAKB48」になっている物の、この件に関しては言及が無い。
- ^ 藤倉克則 奥谷喬司 丸山正編著、『潜水調査船の見た深海生物』 東海大学出版会 ISBN 978-4-486-01787-5 2008年発行 117頁によれば、「ウロコフネタマガイ」は仮の和名であり、「スケーリーフット」と呼称されていた。なお北村雄一著『深海生物ファイル』ネコ・パブリッシング ISBN 4-7770-5125-0 220頁によれば、この種が生息する熱水噴出孔には「毒針を刺して捕食する貝類」がいるので、それに対抗するため鎧が発達したという。またこの装甲巻貝の「へんないきもの」である点として、他の熱噴出口棲貝類が鰓へ共生させている微生物を、消化管に住まわせて鎧の製作に当てているところがあげられる。尚、ツノナシオハラエビは「背甲部に住む、食用の細菌が繁殖し得、自分が生存し得る適温」の湯加減を、退化した視覚器官で判断する「ビバノンノな名前」にふさわしい生態を持つが、ユノハナガニはその名前にも関わらず捕食性である。
- ^ エイリアン(厳密には「チェストバスターと呼ばれる固体)のモデル説を唱えている。尚H・R・ギーガーは、「性器に似たもの」「体内に入った異物」をモチーフとする作品を作る。
- ^ 尚進化論との関連で言えば、頭足類は、人類の持つ「網膜の受像部分に蔓延る視神経」ではなく、網膜の裏に視神経がついた、インテリジェント・デザインの眼球を持つ。
- ^ この種の一部の個体は、水面に物を落として、近づいてきた獲物を捕食する、という行動を行う。
- ^ 厳密には、ハワイに学名Eupithecia staurophragmaと呼ばれる捕食性のシャクトリムシの一種がいる
- ^ ちなみに海生生物で、ウニの仲間である。
- ^ 尚、花輪は「ギヒイイ」「ギチギチ」のようなオノマトペを多用する漫画家である。
参考文献