いっき団結
『いっき団結』(いっきだんけつ、英題:Ikki Unite)は、サンソフトより2023年2月15日に発売されたゲームソフト。 概要サンソフトが1985年にリリースした『いっき』を基にしつつ、オンライン協力プレイに対応した新規タイトルとして制作された。『いっき』のリリース当時には、本来集団で行う一揆を題材としながらゲーム内に登場するのは1人または2人であるということがユーザーからネタにされていたが、本作では最大16人のプレイヤーで協力しながらゲームを進めていく[1]。こうした内容や、ドロップアイテムがプレイごとに異なるなど毎回違ったゲーム展開となることを指して、サンソフトではジャンル名を「団結ローグライクアクション」と称している[2]。なお、『いっき』を基にしたオンラインゲームとしては2010年に『いっき おんらいん』が発売されているが、こちらは最大12人のプレイヤーが2つのチームに分かれて対戦するという内容になっている。 サンソフトは2022年8月より「SUNSOFT is back!」と銘打って過去の自社レトロゲームのIPを積極的に活用する方針を打ち出しており、本作はその第1弾作品として発表された[3]。『いっき』は当時のユーザーから「元祖クソゲー」などと呼ばれながらも70万本以上売れたことからサンソフトの作品の中でも日本での知名度が高く、時代を経ても顧客から作品について声掛けされる機会が多かったため、『いっき』を復活させようと企画が立ち上げられた[4][2]。 システムプレイヤーは後述の16人のキャラクターのうちの1人を操作する。本作には、1人用オフラインモードの「シングルプレイ」と最大16人のプレイヤーが参加するオンラインモードの「マルチプレイ」があり、マルチプレイモードの操作キャラクターはランダムで選択される。シングルプレイの場合は、道中で連れ歩く仲間を雇う(追加する)ことが可能。 見下ろし型の広大なマップの四隅[注 1]のいずれかにキャラクターが配置された状態からゲームが開始される。マルチプレイモードでは16人のキャラクターが4人ずつのグループに分かれて四隅に配置されている。道中では、経路を塞ぐように位置しているボスを倒しながら進んでいき、マップの中央の屋敷で待ち構える代官を倒せばゲームクリアとなる。プレイ中には制限時間が設けられており、ボスを倒すと時間が延長されるが、時間切れの時点でゲームオーバーとなる。 プレイヤーが行う基本操作は上下左右キーでのキャラクターの移動のみで、敵への攻撃やキャラクターの固有能力発動は自動的に行われる。また、敵を倒すなどして手に入る銭が一定額に達するとレベルアップし、画面上に提示される能力強化などの複数項目の中から1つを選択し入手できる[注 2]。こうしたシステムは、poncleが開発したゲーム『Vampire Survivors』に類似している。 各キャラクターは、制限なく使用できる「メイン武器」、および一度使うと再使用までにクールダウンが必要な「メインアイテム」を装備しており、道中のショップなどで手に入る「サブ武器」と「サブアイテム」も装備できる。サブ武器の使用には特定の素材が必要で、使用ごとに消費される[注 3]。武器やアイテムは、鍛冶屋でレベルを上げたり道中で出会う仙人から課される「仙人クエスト」をクリアしてレア度を上げることで強化される。このほか、ショップで特定の「団結アイテム」を入手し道中で「プロテインA」というアイテムを拾うと、固有能力の「団結スキル」が発動する。 ダメージを受けて体力が尽きたキャラクターはその場で籠の中に捕らえられた状態となる。他のキャラクターが籠にしばらく重なり続けると復帰させることができ、重なる人数が多いほど復帰の時間が速まる。ただし、重なっている状態のキャラクターは攻撃ができなくなる。全てのキャラクターの体力が尽きるとゲームオーバーとなる。 2023年3月24日実施のアップデートにより、道中で「魔叉魅の鏡(まさみのかがみ)」を入手すると、高難易度の「裏面」に行けるようになった[5]。裏面では新たにマップの四隅から始まり、より強力なボスを倒しながら進んだ末に、マップ中央の屋敷でヤマタノオロチとの戦いが行われる。 操作キャラクター16人のキャラクターは、敵への攻撃と仲間のサポートを両方こなす「探索型」、攻撃に特化した「攻撃型」、自身や仲間を強化する「強化型」、仲間を回復できる能力を持つ「回復型」の4種類に大別される。 探索型
攻撃型
強化型
回復型
開発本作の開発は、『いっき』を題材とした『Vampire Survivors』のようなゲームをマルチプレイ作品として作ってはどうか、というコンセプトで2022年3月頃から始まり、開始当初には、以前にリリースしたフィーチャーフォン版の『いっき』の素材を流用した4人プレイ版を2週間ほどで試作した[6]。『Vampire Survivors』は早期アクセス版がリリースされた2021年10月時点ではさほど注目されず翌2022年1月から人気が急上昇したという作品で[7]、本作の開発はそれからわずか2か月後という速さで開始されている[2]。当時は、サンソフトのブランドを抱えるサン電子が業績立て直しの施策を進めている最中で社員数が減少している状況にあり、開発は小規模のチームで行われた[2]。 開発中の2022年9月12日には、VTuberの戌神ころねによるゲーム実況配信が行われた[8]。これにより『いっき』を知らない若い世代が本作に興味を持ち、10月7日から9日に実施されたクローズドβテストでは多くの若い世代が参加した[4]。ただ、参加者から「面白いんだけど、粗削り」などの否定的な意見が寄せられたことから、ファミリーコンピュータ版『いっき』の発売日(1985年11月28日)に合わせて2022年11月28日に発売するという当初の計画を翌年2月に延期した[9]。これを受けて、当初の発売日前日の11月27日に「いっきフェス」と題した2度目のクローズドβテストを実施し、厳しい意見があった一方で「最初より良くなった」という意見も多く寄せられた[9]。 関連項目
脚注注釈出典
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