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この項目では、ZELDAの1982年のアルバムについて説明しています。バンドについては「ZELDA (バンド)」をご覧ください。 |
ZELDA(ゼルダ)は、1982年8月25日にリリースされたZELDAの1枚目のスタジオ・アルバム。発売元は日本フォノグラム。プロデュースはLIZARDのモモヨ[1][2][3]。LPとして発売された。2回にわたりCDで再発売されている[4]。
また次作のアルバム『CARNAVAL』とともに、1987年にカップリングCD『ZELDA〜CARNAVAL』として再発売された[2]。
解説
ZELDAのファースト・アルバムであり、シングル『ミラージュ・ラヴァー』を同時発売してメジャー・デビューした。なお、それ以前のインディーズ時代には2枚のシングルをリリースしている(ZELDA (バンド)#ディスコグラフィーを参照)。
メジャー・デビュー以前から交流のあったLIZARDのモモヨをプロデューサーに迎え、当時のパンク・ロックムーブメントであった東京ロッカーズ色が強く出た、モモヨの影響力が濃い音作りとなった。初のメジャーレーベルでの制作ということで、自由かつ自主的に制作できたインディーズ時代とは異なり、制作には様々な制約もあったようである。本作の制作にあたり、ZELDAのオリジナル曲のほか、モモヨが楽曲を描き下ろしている。シングルカット曲もモモヨの作品である。なお菅原庸介(すがわら ようすけ)はモモヨの別名義で、モモヨの自伝的小説『蜥蜴の王国』でも菅原庸介名義で刊行している。
本作発表時のメンバーは、リーダーでベーシストの小嶋さちほ、作詞担当でボーカリストの高橋佐代子のコアメンバーのほか、ギタリストは鈴木洋子、ドラマーは野沢久仁子であった。次作の『CARNAVAL』ではメンバー交代があり、ギタリストが石原富紀江、ドラマーが小澤亜子に変更されている(ZELDA (バンド)#メンバーを参照)。
東京出身の高橋が都市の心象風景を描いた文学的な歌詞と、抑揚の少ない歌唱とメロディは「無機質」と評され、メジャー・デビュー前後の最初期の曲調はファンから「暗黒ZELDA」とも呼ばれた[5]。東京ロッカーズの影響を強く受けたパンク・ロック期のZELDAが凝縮されたアルバムである。
収録曲
- エスケイプ
- モモヨの作詞・作曲・編曲による、疾走感あるロックナンバー。
- カップリングCDではカットされている[2]。
- 真暗闇―ある日の光景―
- 初期のパンキッシュな「暗黒ZELDA」を象徴するような楽曲。
- 月光飛翔(ムーンライト・フライト)
- 1970年代歌謡曲風のキラキラした、いかにもガールズバンド風の楽曲。
- カップリングCDではカットされている[2]。
- ロボトメイア
- 1980年代初頭に多く見られた、管理社会をテーマにした楽曲。
- 開発地区はいつでも夕暮れ
- 沖縄音階風の単調なリフレインで構成される楽曲。都市再開発をモチーフとしており、初期ZELDAの定番である「埋立地」をテーマとした作品群の萌芽がみられる。
- ミラージュ・ラヴァー
- シングルカット曲。アルバムと同時発売。メジャーレーベルからのファーストシングル。ロックナンバーのラブソング。
- DAMの通信カラオケに収録されている[6]。
- 密林伝説
- ここで歌われる「密林」とは、後のZELDAが傾倒したワールドミュージックの世界ではなく、その歌詞はファンタジー的である。
- Ash-Lah
- 歌詞では「アシュラ」と歌われ、コンビナートが登場する。1980年にインディーズレーベル「ジャンク・コネクション」からシングルリリースした楽曲の再録。メジャーデビュー前後の最初期のZELDAを代表する楽曲。
- DAMの通信カラオケに収録されている[6]。
- と・ら・わ・れ
- 「暗黒ZELDA」的なストレートなパンク・ロックナンバー。ライブでも頻繁に演奏され、この時期の楽曲では「Ash-Lah」と並んで知名度が高い。
- DAMの通信カラオケに収録されている[6]。
- ソナタ815
- 高橋佐代子のポエトリーリーディングと「自由は永遠時計」のリフレイン、時計の擬音で構成される、本作中もっとも前衛的な楽曲。
- カップリングCDではカットされている[2]。
参加アーティスト
出典はアルバムのライナーノーツによる[1][2]。
- ZELDA
- モモヨ:ギター、エレクトロニクス
- 中村ていゆう:ドラムス(Track 4)
- WAKA:ベース(Track 4)
- SHINNOSUKE:サックス(Track 1,5)
バージョン
- LP:1982年8月25日、日本フォノグラム、規格品番:28PL-42
- CD:1989年、日本フォノグラム、規格品番:PLD-8024
- CD:1994年、日本フォノグラム、規格品番:PHCL-8024
- カップリングCD『ZELDA〜CARNAVAL』:1987年9月30日、日本フォノグラム、規格品番:35LD-507
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク