Raja (魚)

Raja
カガミエイ Raja miraletus
Raja のタイプ種)
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
: 軟骨魚綱 Chondrichthyes
: ガンギエイ目 Rajiformes
: ガンギエイ科 Rajidae
: Raja
学名
Raja
Linnaeus1758
イボガンギエイ
Raja microocellata
シワエイ

Rajaガンギエイ目ガンギエイ科に分類される属階級(属グループ)分類群の一つ。通常は独立のとして扱われる。タイプ種カガミエイ Raja miraletusで、Rajaガンギエイ科 Rajidaeタイプ属である[1]

語源はラテン語エイを意味する「raia」(女性名詞)。

Raja に対し「ガンギエイ属」や「メガネカスベ属」の属和名が使用されたことがあるが、その後ガンギエイメガネカスベがそれぞれ別の属に移されたため不適当な属和名となった。

海洋生物データベース WoRMS(2023年8月12日版)[1]によれば以下の種が知られる[1]

属和名

この属の属和名としては「ガンギエイ属」や「メガネカスベ属」があるが、2023年時点ではどちらの属和名も使用し得ない。すなわち、かつてはガンギエイRaja に分類されていたため、Raja が「ガンギエイ属」の属和名で呼ばれたが[2]、その後の分類学の進展によってガンギエイが別属 Dipturus に分類されるようになると Dipturus がガンギエイ属と呼ばれるようになり、 Raja の方は、その後も Raja に置かれていたメガネカスベの和名に因み「メガネカスベ属」と呼ばれるようになった[3]。しかしメガネカスベも2012に創設された属 Beringraja に属位が変更されたため(ただし BeringrajaRaja の異名とする立場もある)、この分類に従う場合にはRaja をメガネカスベ属と呼ぶことも適当でなくなった。

和名の付け方には学名のような厳密なルール(命名規約)がなく、特に属和名や科和名は、命名者が命名時点でその属や科に分類されると考える代表的な種の和名を元に命名する傾向があり、その属や科のタイプ種やタイプ属が何であるかが配慮されないことが多い。そのため、後に属和名や科和名の元となった種が別属や別科に移された場合、種和名と属和名や科和名との間に齟齬や混乱が生じ、分かりにくなることがある。Raja もその一例である。 したがって、例えば属のタイプ種であるカガミエイに因んで Raja の和名を「カガミエイ属」とするなら、ガンギエイやメガネカスベなどがこの属を出入りすることがあっても何ら問題は生じないことになる。

脚注

  1. ^ a b c Froese, R. and D. Pauly. Editors. (2023). FishBase. Raja Linnaeus, 1758. Accessed through: World Register of Marine Species at: https://www.marinespecies.org/aphia.php?p=taxdetails&id=105766 on 2023-08-12.
  2. ^ 松原喜代松 (1955-03-25). 魚類の形態と検索 I. 東京: 石崎書店. pp. 789 (p.136). doi:10.11501/1374705 
  3. ^ 中坊徹次(編) (2013-02-26). 日本産魚類検索全種の同定 第三版. 秦野市: 東海大学出版会. pp. 2530 (p.213). ISBN 9784486018049 

関連項目