OT-62 TOPAS
OT-62 TOPASは、チェコスロバキアとポーランドが1950年代末から60年代初頭にかけて共同開発した装軌式の装甲兵員輸送車および派生車種の総称である。 ソビエト連邦で1950年代に開発されたBTR-50を開発のベースとしており、ほぼ同じものであることから実質的にはBTR-50のライセンス生産型であるとも言える。 名称の"OT-62"はチェコ語で"Obrněný Transportér vzor 62"、つまり日本語で"装甲兵員輸送車 モデル62年型"というような意味であり、"TOPAS"はポーランド語で"Transportér Obrněný Pásový"、つまり日本語で"装軌式輸送車"というような意味である。 概要1950年代にチェコスロバキアはソ連からBTR-50のライセンス生産権を購入し、これを元にチェコスロバキア軍およびポーランド軍向けにBTR-50の発展改良型を開発する事となった。計画は1958年に開始され、1962年に試作車両が完成した。評価試験に合格した本車はチェコスロバキア軍でOT-62、ポーランド軍でTOPASとしてそれぞれ採用された。 OT-62 TOPASの全体的な形状は当然ではあるがBTR-50に酷似しており、兵員室前方に2つの張り出しを持つデザインはBTR-50の指揮車両型であるBTR-50PUに類似している[1][2]。BTR-50との外見上の最も目立つ相違点は、OT-62 TOPASには兵員室の左右両側面に昇降用のドア (ハッチ) がある事である。 中身の違いとしては、エンジンがBTR-50の出力240hpの6気筒ディーゼルエンジンから300hpの6気筒ディーゼルエンジンに変更されており、これにより路上での最高速度が44km/hから60km/hに増加している。 最初に開発されたOT-62 TOPASは非武装であったが、チェコスロバキア・ポーランドでそれぞれ、OT-62B、TOPAS-2APと呼ばれる銃塔搭載型が開発されている。また特殊な派生型としては、クレーンを装着した装甲回収車型のDTP-62がチェコスロバキア軍で、WPT-TOPASがポーランド軍でそれぞれ開発されている。名称の"DTP"は"Dílna Technické Pomoci"、日本語で"装甲回収車"、"WPT"は"Wóz Pogotowia Technicznego"、日本語で"技術支援車両"の意味である。 OT-62 TOPASは開発したチェコスロバキア、ポーランドで運用されただけではなく、多数の国に輸出されている。ユーザーのひとつであるエジプトおよびシリアはOT-62 TOPASをソ連製BTR-50、PT-76などと共に第三次中東戦争で実戦に投入しており、これらの車両の中には敵軍であるイスラエル軍に鹵獲されたものも少なからずあった。そしてこの後の消耗戦争の期間および1973年の第四次中東戦争では、双方の陣営がBTR-50やOT-62 TOPASを運用する状態となった。イスラエル軍が運用した車両は現在もラトルン戦車博物館に実車が展示されている。これら鹵獲車両は後にイスラエルと友好関係にあった南レバノン軍などにも供与されている。 形式・派生型チェコスロバキア
ポーランド
その他
運用国現役国
退役国
画像
脚注・出典
関連項目
外部リンク
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