Massive open online courseMassive Open Online Course (MOOC、ムーク) またはMassive Open Online Courses (MOOCs、ムークス) は、インターネット上で誰もが無料[1][2] で受講できる大規模な開かれた講義のことである[3][4]。 代表的なプラットフォームとしては「コーセラ」「エデックス」や、日本版としてはJMOOC[5]が提供する「gacco」「OUJ MOOC」があり、条件を満たせば修了証が交付される[3]。 歴史MOOCが実際に稼働したのは最近であるが、概念としては古くから提唱されていた。1962年にダグラス・エンゲルバートはSRIインターナショナルでコンピュータを用いた講義運営のフレームワークを提示した。将来個人が所有するコンピュータどうしがつながり世界的規模のネットワークを形成すれば、知識共有がよりよくできるようになると主張した。それをうけてイヴァン・イリイチらはコンピュータ技術を用いれば、だれでも参加することが可能なオープンな教育を行うことができると考えた。1971年にイリイチは、現在の教育手法は硬直しており教育を改善する必要があると考えた。その方法としてコンピュータ技術を用いて中央集権化されていない'learning web'を構築し、多くの学生が参加可能な学習効率の高い教育システムを作ることで、「学校のない社会」をつくろうと考えた。そして良い教育システムが持つべき3つの目標を上げた。
多くの人は、この考えを急進的でユートピア的であり、技術的に不可能であると考えた。それでも少なくない人がこの考えに共感し、その後もさまざまな動きがあったが、無料参加の大規模講義であるMOOCが実際に稼働するまでには長い時間が必要であった。MOOCという言葉は2008年にNational Institute for Technology in Liberal Educationの Dave Cormierによって提唱された。すぐに無料のオンライン講義という意味で使われるようになり、アサバスカ大学のGeorge Siemensとカナダ国家研究会議のStephen Downesらによって最初のMOOCが開催された。その講義は "Connectivism and Connective Knowledge" と呼ばれ、ネットワークを利用した学習の理論であるコネクティビズムが題材とされており、マニトバ大学の授業料を払っている25名の受講者だけでなく、オンライン講義として無料で受講することができた。オンライン受講生は2,300名であった。授業内容はRSSで確認可能であり、Moodleの掲示板機能やブログ、Second Life、オンラインミーティングなどのを用いて授業参加することができた。 主にアメリカの大学で運営されており、基本的に無料で参加することができる。各種アプリケーションが開発されており、ビデオ講義を受けるだけでなく、知識確認のための試験問題などを受けることができる。また参加者のユーザーコミュニティーも用意されており、コース運営側にも有益なフィードバックがかえるため講義運営の効率も向上している。そのため参加者が多いほど効果的な運用が可能となる。MOOC関連技術の進歩と、参加者の増加による運営コミュニケーションの発達という二つの要因により、急激に発展している。 代表的なプラットフォーム課題と批評6つの取り組むべき問題MOOCのガイド[6]はMOOCについて6つの取り組むべき問題が有り得ると指摘する。
効果的なMOOCの開発でのこれらの一般的な課題はジャーナリストと大学関係者からの批評により付きまとう。 ロバート・ゼムスキー(2014)はそれらがそのピークを過ぎたことを主張する:「そうなった;わずかにそうせざるを得なかった;そして今それらは実質的に減少する過程にある。」[7]他の者はごく小さな終了の比率から起こる反発について指摘した。[8] 低い修了率ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学が共同で設立したedXは、MOOCのコース修了率が5.5%であったことを2016年に明らかにした[9]。その後の2019年に発表された研究[10]においても、大半のMOOC受講生は途中で諦めてしまうことが明らかになった。 またこの研究は、MOOCへの参加の増加に発展途上国はほとんど見られず、世界で裕福な国々に集中していることも明らかにした。 脚注
関連項目外部リンク
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