MEIKO
MEIKO(めいこ)とは、クリプトン・フューチャー・メディアが発売しているバーチャルシンガーソフトウェアとそのキャラクター[1]。「ピアプロキャラクターズ」に分類される[1]。 概要クリプトン社の女性バーチャルシンガー[1]。主な愛称は「姉さん」[2]。栗色のショートボブ、赤いショート丈のトップス、ミニスカートが特徴[1]。 世界初の日本語対応バーチャル・シンガーソフトウェアであり、同種(VOCALOID[3])の製品で“パッケージにキャラクターを起用する”という試みを初めて行ったパイオニア[1]。同種の歌唱合成ソフト・楽器を“実際に人の姿をしたキャラクターに歌ってもらう”概念とする「バーチャルシンガー」の先駆け的な存在である[3]。 第1弾製品は2004年11月5日に発売[1]。当時の水準の3倍以上の本数を売り上げるも、この時点では市場そのものが小規模で、同じクリプトン社製品「KAITO」の売り上げ低迷で市場拡大に至らなかったこともあり、ジャンル(現在のボカロ音楽)を形成するまでには至らなかった[4]。 その後、同社製品の「初音ミク」の大ヒットの影響でKAITOと共に再び人気を集める形となった[5][2][6]。MEIKO及びKAITOがいなければミクの成功はなかったと言われており、ボカロ音楽の概念を最初に日本へと持ち込んだ「偉大なる先駆者」とも評価される[3]。 現在ではミク、鏡音リン・レン、巡音ルカ、KAITOと共に「ピアプロキャラクターズ」として名を連ねている[3]。 バーチャルシンガーソフトウェア初代の開発担当はクリプトンの社員[7]。この人物は佐々木渉(初音ミクの生みの親)の学生時代からの友人であり、佐々木は同氏の退社後にクリプトンに入社した[7]。V3以降は佐々木が企画開発を担当。
デザインMEIKOのパッケージにはマイクを握った女の子(MEIKO)のアニメ風の絵が描かれているが、当初はマイクのイラストが候補として挙がっていたという[12]。しかしDTM未経験者も興味を持ちやすいようにとの考えから、マイクの案は破棄され「歌っている人格」をアピールするためMEIKOの名前をイメージした女の子のイラストを採用することになった。このパッケージイラストを手がけたのは、クリプトンの社員である[12]。 「MEIKO V3」のイラストは「初音ミク V3」のイラストを手がけたiXimaが担当している。なお初代MEIKOとは若干ながらも一部装飾品が変更されている(ネックレスやブレスレットの追加など。ただし初代ともKAITO以降にあるヘッドセットマイクは無い)。 キャラクターイラストの使用という路線は後のCVシリーズなどの同社製バーチャルシンガーにも引き継がれている[3]。 なおパッケージイラストについてはキャラクター化を意図したものではなかったが[13]、2009年6月に発表された同社製品のキャラクターの利用についての規約「ピアプロ・キャラクター・ライセンス」においてはMEIKOもキャラクターとして扱われるようになっている[14]。キャラクターの利用についてはピアプロ#キャラクターのライセンスを参照。 反響発売~2006年肉声と比べればまだまだ不自然さの残るMEIKOの歌声に対し業界の反応は良くはなかったが[15]特別な設備も人脈も必要なく個人のパソコンのみで女性ボーカルが作成できることからアマチュアDTM愛好家の支持を得[16]、1000本売れればヒットとされるバーチャルイスントゥルメント市場にあって初年度だけで約3000本もの売り上げを記録した[15]。DTM専門誌DTMマガジンでは2005年3月号よりMEIKOを使いこなすための連載記事が組まれた他、当時の読者投稿コーナー「超★極辛道場」にもMEIKOを使用した投稿作品が多数寄せられ2005年7月号ではMEIKOのモデルの拝郷メイコ本人がこのコーナーのオーディオ番組にゲスト出演をした。2006年にはMEIKOを使った楽曲のコンテストも行われ[17]、コンテストの優秀作品については拝郷メイコによるレコーディングが行われている。しかし音楽製作ソフトとしては異例のヒットを遂げたMEIKOではあったが当時はアマチュアDTM愛好家の間での話題性に留まり[16]、広く知られることはなかった。 2007年以降2007年の半ば、すでに廃れていたはずのMEIKOの売れ行きが伸び始めた[15]。当時急速にユーザー数を増やしていた動画投稿サイトニコニコ動画にMEIKOで作成された歌唱を使用した動画が投稿され、人気を集めていた[18]。更に同年8月31日、MEIKOと同じクリプトン・フューチャー・メディアからVOCALOIDの後継であるVOCALOID2を使用したキャラクター・ボーカル・シリーズの第1弾初音ミクが発売されると初音ミクを使用した動画もニコニコ動画へ投稿されそれをきっかけに初音ミクはMEIKOを凌ぐ大ヒットを記録、MEIKOを含むVOCALOIDシリーズの存在はDTM愛好家以外にも広く知られるようになった。 初音ミクをはじめとするキャラクター・ボーカル・シリーズはキャラクターが歌うというイメージを前面に押し出した商品である。初音ミクのキャラクターとしての人気が高まるにつれ元々キャラクター商品ではなかったMEIKOをもまた「初音ミクの関連キャラクター」として受容されるようになり[19]、キャラクターとしての人気を広げた。 2007年以降、MEIKOを用いて作成されたオリジナル曲やカバー曲、パッケージのキャラクターを用いたPVなどが多数制作されニコニコ動画などに投稿されている。また、2007年9月にニコニコ動画に投稿されたワンカップPによる動画「初音ミクが来ないのでまだスネています」でMEIKOで歌わせた「ワンカップを一気飲み 明日は届くといいな」という歌詞をきっかけに酒好きというイメージが広まり[20]、2011年に発売されたMEIKOのフィギュアにも、一升瓶にワンカップ、グラスなどの小物を付属させるといった形で取り入れられている[21]。 主役企画MEIKOのメディア展開は、下記の3種に大別される。
なお、ソーシャル媒体での公式アカウントは初音ミク名義である。 KarenTによる配信権利元であるクリプトン・フューチャー・メディアのレーベル「KarenT」により、iTunes Store、AmazonMP3、moraなどでMEIKOを用いた楽曲コンテンツが販売されている。 2024年6月現在、曲数は720、収録アルバムは300にのぼる(KarenT公式サイトの表示数より)。 プロジェクト・企画
模型フィギュア、プラモデル、ドール(※初音ミクシリーズ、ピアプロキャラクターズとして展開されたものも記載する)。
作品
脚注注釈出典
参考文献
ムック
新聞・タブロイド
雑誌
その他
関連項目
外部リンク |
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