『MAKI II』(マキ・ツー)は、浅川マキの通算2枚目のアルバム。1971年9月5日に東芝音楽工業 - EXPRESS・レーベル(現:ユニバーサルミュージック合同会社内EMIレコーズ・ジャパンレーベル)より発売された。
概要
- 日本的情感のニュアンスが強かった前作『浅川マキの世界』のイメージと異なり、ジャズ、ブルース、ゴスペルなどに流れるスピリチュアルな波動に共振しながら、彼女が自立した音楽活動を創り出していること、そしてその世界が本質的なパワーを持ったものであることを、このアルバムは教えてくれている。[1]
- 「朝日のあたる家」のみ、ライブ録音。
- タイトルは『MAKI II』以外に、『浅川マキ II』とも表記される。
- 歌詩カードは浅川マキ本人による直筆の歌詩が印刷されている。
- オリジナルLP盤には、東芝の当時の高音質規格「PTS-DX-CLEAR SOUND SX-68(PTS-Ⅱ方式)」のシールがジャケットに貼付してある物とない物とがある。
- (なお「PTS-DX-CLEAR SOUND SX-68(PTS-Ⅱ方式)」とは、1971年〜72年頃に東芝が採用していた技術で、この効果で歪みが少ないクリアな音となり、高域の抜けも良くなるというものである。[2])
- 1992年に、東芝EMI及びアルファレコードの “音蔵シリーズ” の一枚として初CD化。
- 2011年1月に、本作を含む70年代アルバム10作、6月に80年代のアルバム14作がデジタルリマスタリングされた音源に、オリジナルレコード(LP盤)の歌詩カード(一部の作品に例外、及び色や紙質などの差異あり)、レコードレーベルを再現した、紙ジャケット仕様で復刻(初CD化作品含む)。
- 2011年に発売した紙ジャケット盤は、スキャン元のオリジナルレコードジャケットにシミが発生していたため、裏ジャケット下部に何箇所か点ジミが修正されることなく、そのまま印刷されている。
- 2016年3月23日、ユニバーサルミュージックより限定アナログLP盤発売。規格品番:UPJY9027 (JAN 4988031135006)。
収録曲
Side A
- 少年
- 4thシングル(A面)として、このアルバム発売から翌月10月にシングル・カット。
- シングル盤の歌詩カード部分には浅川マキ直筆の歌詩が印刷された。
- 眠るのがこわい
- ジン ハウス ブルース GIN HOUSE BLUES
- 日本語詩:浅川マキ/作曲:Henry Troy - Fletcher H. Henderson/編曲:山木幸三郎
- JASRACデータベース上では、作詞:Henry Fletcher Henderson/作曲:Henry Troy と登録[4]。
- 花いちもんめ
- ゴビンダ(英語版) GOVINDA
- JASRACデータベース上では、外国作品/出典:Z (各種参考資料)、
作品コード:0O7-0897-8 GOVINDA /ORIGINAL/ と登録[4]。
- ジョージ・ハリスン系列の作品で、インド音楽に接近していた頃の作品[5][6]。
- サンスクリット語で唄われている。
- 少年(Part II)
Side B
- めくら花
- 4thシングル(B面)として、このアルバム発売から翌月10月にシングル・カット。
- シングル盤の歌詩カード部分には浅川マキ直筆の歌詩が印刷された。
- 雪の海
- 歌詩カードで「雪」が「雪」の字体で書かれている[9]。
- 港の彼岸花
- 3rdシングル(A面)。未表記だが、アルバム・ヴァージョンで収録。シングル・ヴァージョンとでは歌唱テイクが異なる。
- あたしが娼婦になったなら
- 「わたしが娼婦になったなら」、「私が娼婦になったなら」との表記もある。
- JASRACデータベース上では、内国作品/出典:PO(出版者作品届)、
作品コード:095-2427-4 あたしが娼婦になったなら と登録[4]。
- ゴー ダウン モーゼ GO DOWN MOSES
- JASRACデータベース上では、外国作品/出典:Z (各種参考資料)、
作品コード:0O5-7962-1 GO DOWN MOSES /ORIGINAL/ と登録[4]。
- 「行け モーゼ」との日本語タイトルも存在する[4]。
- 朝日のあたる家 THE HOUSE OF THE RISING SUN
- 1971年6月15日、新宿・花園神社にて収録。
- 「朝日楼」とも表記される。
- JASRACデータベース上では、内国作品/出典:PO (出版者作品届)、
作品コード:000-9581-8 朝日楼 と登録[4]。
- ※本作は『MAKI LIVE』にも「朝日楼」というタイトルで収録されるが、スタジオ録音された音源は存在しない。
クレジット
演奏者
- 浅川マキ - Vocals
- 山木幸三郎 - Arranger
- 今田勝 - Piano(Tr.02、03、06、09、10)、Organ(Tr.04、11)
- 飯吉肇 - Piano(Tr.01)
- 江草啓介 - Piano(Tr.07)、Organ(Tr.05)
- 久富ひろむ - Organ(Tr.06、09)
- 栗林実 - Organ(Tr.07)
- 中牟礼貞則 - Acoustic Guitar(Tr.03)、Electric Guitar(Tr.02、04、06、09、10、11)
- 秋山実 - Electric Guitars(Tr.01)
- 成毛滋 - Electric Guitar(Tr.07)
- 野口武義 - Electric Guitar(Tr.07、08)
- 瀬谷福太郎 - Electric Guitar(Tr.08)
- 萩原信義 - Acoustic Guitar(Tr.12)
- 杉浦芳博 - Acoustic Guitar(Tr.12)
- 荒川康男 - Electric Bass(Tr.01)
- 寺川正興 - Electric Bass(Tr.02、03、04、06、09、10、11)
- 江藤勲 - Electric Bass(Tr.05、07、08)
- 田畑貞一 - Drums(Tr.01)
- モト・野村 - Drums(Tr.02、03、04、06、09、10、11)
- つのだ・ひろ - Drums(Tr.05、07、08)
- 宮本勲 - Percussion(Tr.05)
- 川原正美 - Percussion(Tr.05)
- 川原直美 - Percussion(Tr.05)
- 南里文雄 - Trumpet(Tr.03)
- 村田文治 - Trumpet(Tr.02、06、09)
- 羽鳥幸次 - Trumpet(Tr.02、06、09、10)
- 片岡輝彦 - Trombone(Tr.02、06、09、10)
- 上高政通 - Trombone(Tr.02)
- 戸倉誠一 - Trombone(Tr.02)
- 青木 武 - Trombone(Tr.02)
- 市原宏祐 - Tenor Saxophone(Tr.04、10)、Alto Saxophone(Tr.06、09)
- 砂原俊三 - Baritone Saxophone(Tr.10)
- 玉木宏樹 - Violin(Tr.01)
- 風間文彦 - Pianica(Tr.01)
- 寺口譲 - Pianica(Tr.06)、Harmonica(Tr.09)
- 原田実 - Harmonica(Tr.08)
- 望月太八 - Flute(Tr.02)
- 横田年昭 - Flute(Tr.04)
- 上原陽子 - Sitar(Tr.05)
- ゴビンダーズ - Chorus(Tr.05)
- セントラル・チャーチ・コワイア - Male Chorus(Tr.11)
- アカデミア・チェロ・クァルテット(Tr.01)
スタッフ
- 寺本幸司 - Producer
- 渋谷森久 - Director
- 森知明 - Recording Engineer
- 田村仁 - Photographer
- 周東圀夫 - Designer
発売形態
形態
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発売日
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品番
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発売元
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備考
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LP
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1971年09月05日
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ETP-8117
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東芝音楽工業
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オリジナル発売日。「PTS-DX-CLEAR SOUND SX-68」シールがジャケットに貼付してあるものとないもがある。
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1975年04月20日
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ETP-7205
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東芝EMI
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【LP再発】帯は東芝EMI統一の写真入黒帯。¥2300盤
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2016年03月23日
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UPJY9027 (JAN 4988031135006)
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ユニバーサルミュージック
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【LP限定再発】¥3888盤
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CT
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ZA-1184
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東芝音工業
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レコード及びCDとはジャケット違い、曲順違い。
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CD
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1992年07月22日
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TOCT-6557
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東芝EMI
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【初CD化】 音蔵シリーズの1枚として。ジャケットに、オリジナルレコード盤に貼付してあった「PTS-DX-CLEAR SOUND SX-68」シールがそのまま印刷されている。
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2011年01月21日
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TOCT-27042
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EMIミュージック・ジャパン
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【CD再発】※完全限定生産盤 2011年デジタルリマスタリング/紙ジャケット仕様。裏ジャケ下部に点ジミが印刷されている。
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脚注・出典