M82 (天体)
座標: 09h 55m 52.430s, +69° 40′ 46.93″ M82 (NGC 3034) は、おおぐま座にある不規則銀河。距離は1200万光年。 概要双眼鏡では小さくぼんやりと見える。口径5cmの望遠鏡では、細長い姿を見ることができる。6cmの望遠鏡では、周辺のでこぼこや片方が明るいのが分かってくる。中心部の複雑な様相は、この口径でも観察できる。4インチ屈折でマラスは「非常に多くの大小様々の明るい光点が示され、正しく諸うつつする宇宙の様相を思わせる」とした。M81の丸い形との対照が面白い。その形から葉巻銀河[3] (Cigar Galaxy[1]) ともいう。 M81とM82はM81銀河団と呼ばれる同一の銀河団に所属しており、お互いの銀河の中心核は15万光年しか離れていない[2]。数千万年前、M81とM82は接近遭遇し、M82は巨大なM81の重力の影響を受けて変形させられている[2]。 M81に近接されたためにスターバーストが引き起こされているスターバースト銀河である。また中心部から極方向に向かって、電離した水素ガスが吹き出している。これは「スーパーウィンド」という。 チャンドラX線観測衛星により、中心部から600光年離れたところからX線が観測された。X線源には、太陽の約500倍の質量を持つ中型ブラックホールがあると考えられている。 観測史1774年にヨハン・ボーデがM81と同時に発見した[2]。ボーデは「星雲状の光斑で青く楕円」としている[4]。1781年シャルル・メシエは「星のない星雲でM81に先行、M81ほどはっきりしない。望遠鏡で同じ視野にみえる。端に微星があり、微かで全体がのびている」とした[4]。ジョン・ハーシェルは「非常に大きく明るく、腕が出ている」としている[4]。スミスは「長くて狭く、北端が明るく、M81より青白い」と記した[4]。1871年ロス卿は「ボーデの星雲。奇妙に曲がりくねった腕がある」とした。 画像
出典
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