LOHAS
LOHAS(ロハス、ローハス)とは、英語の "lifestyles of health and sustainability" (健康で持続可能な、またこれを重視する生活様式) の頭文字をとった略語で、「健康と地球環境」意識の高いライフスタイルを指す用語である[1]。 元々は、1990年後半にアメリカの西部コロラド州ボルダー周辺で生まれたもので、社会学者のポール・レイ (P. H. Ray) と心理学者のシェリー・アンダーソン (S. R. Anderson) による全米10万人以上を対象にした社会調査を基に生み出されたマーケティングコンセプトである[2]。彼らはこの調査から、TraditionalsやModernsに属さない層「カルチュアル・クリエイティブ」(CC) という層を導き出した。この層は、エコロジーや環境、人間関係、平和、社会主義などの世界的な課題や、自己実現、自己表現など自分に高い関心を持つ層であり、全米で5000万人がこのような価値観を持つとされた。この結果に対し、エコロジー製品企業ガイアム (Gaiam) の社長ジルカ・リサビ (J. Rysavy) がレイに提案し、ロハス (LOHAS) というマーケティングコンセプトが生まれた[2]。 アメリカでは毎年LOHAS市場を拡大するためのLOHAS会議が開催されている。2002年、日本経済新聞がLOHASを紹介する記事を掲載した。 日本では2004年(平成16年)頃からライフスタイルを表現する言葉として注目されたが、現在は定義が曖昧なバズワードの一つとして扱われている。定義の曖昧さを逆手に取りエコロジカルなイメージを商品やビジネスに関連付けるために用いられることも少なくなかったが、それもSDGs(エスディージーズ)に取って代わられている。 世界展開アメリカにおける LOHASアメリカの調査機関NMIが、LOHAS層を「環境と健康に関心、社会に対する問題意識、自己啓発・精神性の向上に関心が高く、実際の行動に移す人々」と定義し、2002年よりその割合を調査している。この調査にはカルチュアル・クリエイティブズを提唱したレイもアドバイザーとして協力している。2005年の調査によるとアメリカの成人人口の23%がLOHAS層だという(他、LOHAS層に近いが行動に至らない NOMADICS: 39%、価値観を特に持たないCENTRISTS: 27%、日々の生活に追われる INDIFFERENTS: 12%)。
日本におけるロハス日本経済新聞が2002年(平成14年)9月、大和田順子によるLOHASを紹介する記事を掲載。その後、月刊誌『ソトコト』が2004年(平成16年)4月号でロハス特集を組むなど、マスメディアが注目したことでロハスが広まっていった。2005年(平成17年)より、イースクエアがNMIと同様の調査を日本でも行っている。同年の調査によると、日本の成人の29 %がLOHAS層だという(他、NOMADICS: 27 %、CENTRISTS: 28 %、INDIFFERENTS: 16 %)。
ロハスの商標登録→詳細は「§ 『ソトコト』と三井物産によるロハスの商標登録」を参照
ビジネスとしてのロハス2005年における米LOHASマーケット規模は2兆円、5年以内には20兆円とも言われている[要出典]。 LOHASの5大マーケット頭文字をとってSHAPEと呼ばれている
消費者としてのロハスロハスピープルとも言われ、エコや健康、自己開発や社会的責任をもって意識的な消費を心がける。ロハスピープルの情報源は、マスコミよりも専門家の意見やクチコミを重視する傾向にある。 ロハス関連団体ロハスクラブ有限責任中間法人。ロハスクラブの活動内容は、「ロハス商品の審査・承認」、「ロハスマークの発行・許諾」、「ロハスデザイン大賞の運営」「ロハス・ライセンスビジネスの展開」と発表されている。
ロハスデザイン大賞ロハスクラブが主催し、環境省が後援するコンテストで、「個人」「企業・事業・プロダクト」「環境活動」に賞を与える。 NPOローハスクラブロハスコンシェルジェの資格をとれるロハスアカデミーなどを主催 LOHAS WORLD(Organic Forum Japan)2003年国内で初めてのLOHASの推進団体として活動を始める。2006年2007年国内初ロハス展示会LOHAS WORLD SPRINGやロハスビジネスマッチング、2006年~2008年カリフォルニア州サンタモニカ、マリナデルレイ、ボールダーLOHAS会議への参加、ビジネスツアーなどを主催。愛犬と健やかなライフスタイルをテーマとしたドッグクラブといったクラブ制度も発足。2007年沖縄ロハスフェスティバルを宜野湾コンベンションホールにて主催開催。2009年グリーンEXPOを横浜パシフィコで主催プロデュース開催。同時に大手百貨店にてグリーンライフスタイルゾーンの催事をエシカルブランドとして催事展開。2015年9月一般社団法人Organic Forum Japan設立、2016年11月 第1回オーガニックライフスタイルEXPOが東京国際フォーラムで開催以降、2020年第5回オーガニックライフスタイルEXPO浜松町産業貿易センターで開催。国内のオーガニックライフスタイルビジネスの推進の柱の一つとなる。 ロハスビジネスアライアンス(LBA) ロハスの価値観に基づくビジネスを活性化するプラットフォームとなる活動を通じて、LOHAS分野での事業創造・発展に寄与し、人々の健康と持続可能な社会の実現に貢献する。 『ソトコト』と三井物産によるロハスの商標登録商標の自由化「ロハス」の商標登録を行いライセンスビジネスを計画していたトド・プレス(『ソトコト』を発行する木楽舎のグループ企業)と三井物産両社は、シャープの販売促進コピー「LOHASのタネ入っています。シャープの家電」に対して商標権侵害である旨警告を行なった事もある[要出典]が、2006年(平成18年)5月、他社から商標使用料を取るのをあきらめ、他社が使っても抗議しないと決めた[3]。 商標取得の経緯『ソトコト』を編集しているトド・プレスが中心となり、1業種1社を基本としてロハスという言葉の使用権利を販売するライセンスビジネスを展開する予定であったが、自由化に伴い事実上の中止になった。トド社社長であり『ソトコト』編集長の小黒一三は、ロハスという言葉を知る前に新しい消費者層が出てきたと感じ、ロハスという言葉が都市生活者のライフスタイルの新しい呼称としてぴったりだと思った、と語っている[4]。 登録状況
出願状況
ライセンスを買った企業
略年表
雑誌TV・ラジオ番組
風刺作品
脚注参考文献
関連項目外部リンク
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