HIP 65426は、スペクトル型がA2 Vに分類されるA型主系列星である[6]。質量は太陽の2倍弱、半径は太陽の1.8倍程度と推定される[4]。既知のA型主系列星の中では特に自転が速い恒星の一つで、自転速度は260 km/s以上と見積もられている[3]。これだけ自転速度が大きいと、HIP 65426の自転軸は視線方向に対して垂直に近いとみられる[4]。
HIP 65426は、さそり座OB2アソシエーションの一部である、下部ケンタウルス座・みなみじゅうじ座(Lower Centaurus-Crux、LCC)アソシエーションの一員だと考えられている[7]。LCCアソシエーションの恒星は、金属量が概ね太陽と同程度と考えられており、それをHIP 65426の前提として、等年齢線から年齢を推定すると大体1400万年となり、誤差の範囲ではLCCアソシエーションの年齢およそ1700万年と整合する[4]。若い星であるが、スピッツァー宇宙望遠鏡による遠赤外線観測では赤外超過がみられず、残骸円盤(英語版)は存在しないと考えられる[8]。近赤外線による撮像観測でも、星周物質が散乱した光による星周構造は検出されていない[4]。
HIP 65426から西に約142秒角離れた位置にある褐色矮星候補、2MASS J13242119-5129503は、年周視差と固有運動がHIP 65426と似ており、年齢もほぼ同じことからHIP 65426の伴星ではないかと考えられた[9]。しかし、両星の速度差を詳しく調べたところ、重力的に束縛されている場合の上限を超えており、連星ではないと結論づけられた[9]。
^ abcdESA (1997), The HIPPARCOS and TYCHO catalogues. Astrometric and photometric star catalogues derived from the ESA HIPPARCOS Space Astrometry Mission, ESA SP Series, 1200, Noordwijk, Netherlands: ESA Publications Division, Bibcode: 1997ESASP1200.....E, ISBN9290923997
^Otten, G. P. P. L.; et al. (2021-02), “Direct characterization of young giant exoplanets at high spectral resolution by coupling SPHERE and CRIRES+”, Astronomy & Astrophysics646: A150, Bibcode: 2021A&A...646A.150O, doi:10.1051/0004-6361/202038517
^ abMarleau, Gabriel-Dominique; et al. (2019-04), “Exploring the formation by core accretion and the luminosity evolution of directly imaged planets. The case of HIP 65426 b”, Astronomy & Astrophysics624: A20, Bibcode: 2019A&A...624A..20M, doi:10.1051/0004-6361/201833597