Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼
『Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼』(エヴァーオアシス せいれいとタネビトのミラージュ、英題: Ever Oasis)は、任天堂より2017年7月13日に発売されたニンテンドー3DS用ゲームソフト。 概要砂漠に覆われた世界を舞台としたアクションアドベンチャーRPG。プロデューサー及びディレクターは、スクウェア・エニックスのアクションRPG『聖剣伝説』シリーズの生みの親である石井浩一が務めている。石井がかつてエジプトを旅行した際、その幻想的な風景の数々に魅了され、エジプトのような世界をモチーフにしたファンタジー作品を作りたいと考えたことが制作動機の一つとなった[6]。 本作では、「オアシスの発展」と「砂漠での冒険」の2つの要素が柱となっている。拠点となるオアシスにやってくる旅人の要望に応えるために主人公が砂漠を冒険し、要望が叶った旅人がオアシスに定住する、というサイクルが続くことでオアシスが発展していく。 ストーリーとある地に広がる大きな砂漠「ヴィストラーダ」では、心の中に種を持つ種族「タネビト」が暮らしており、砂漠に潤いを与える役割を担っていた。一方で、生き物に取り憑き怪物へと変貌させる存在「カオス」がタネビトたちの生活を脅かしていた。この脅威から人々を守るべく、大樹の種を持つタネビト「大樹の子」は水の精霊と力を合わせて大きな虹に包まれたオアシスを形成、その虹の光によりカオスは退けられた。その後、大樹の子たちは各地にわたり、多くのオアシスを作った。 こうして人々が平穏に暮らすようになったヴィストラーダで、ある時、カオスが再び猛威を振るい始めた。カオスは各地のオアシスを次々と飲み込んでいき、その魔手は最後に残されたオアシスにまで及んだ。オアシスを襲撃したカオスの権化・黒竜に対しオアシスの長・ニアカが応戦したが抵抗むなしくオアシスは壊滅し、砂漠から全てのオアシスが消えた。 砂漠の一角にある小さな泉に棲む水の精霊イスナは、オアシスの消滅を嘆いていた。すると突然、イスナの前にひとりのタネビトが現れた。そのタネビトは、最後のオアシスから逃げ延び、長を務めていた兄のニアカから新たなオアシスを作るよう託された「大樹の子」であった。事情を聞き思いを共有したイスナは、大樹の子の手を取りオアシスを作り出した。大樹の子は、この新しいオアシスの長として、オアシスの発展と人々の幸せのため奔走することとなった。 キャラクター
システムオアシス本作では、オアシスを拠点として物語が展開する。オアシスには様々な旅人が訪れるが、旅人の悩みを解決したり要望を叶えたりすることで「ナカマ」となり、オアシスに定住するようになる。ナカマが一定数に達するごとにオアシスのレベルが上がり発展する。主人公が冒険に出る際にはナカマを選んで連れていくことができる。 なお、本作ではオアシスに限らず常にゲーム内の時間が経過し、昼夜の変化がある。 大通り / 新区画後述の店「ハナミセ」や、ハナミセの集客や利益を増やす設備「デコ草」「アソビバナ」を設置できる区画。オアシスが発展するごとにエリアが拡大する。「新区画」はオアシスが一定の大きさになった際に新たに追加される。
栽培園畑や樹木で作物を育てることができる場所。畑の作物の成熟はゲーム内の時間で2日間を要するが、アクアジェムを消費すると1日で成熟する。オアシスのレベルアップにより栽培できるエリアが広がる。 また、後述のように作物の育成をタネビトに任せることもできる。 噴水広場オアシスの玄関口となる広場。オアシスを訪れた行商人が露店で品物を販売することがあるほか、オアシスがある程度発展した後に訪れるタネビトの男性「サフラー」とその妹「ジャミレフ」が窓口を開き、主人公の冒険やオアシスの発展をサポートする。
大樹の泉
砂漠オアシスの外部は砂漠地帯が広がっている。砂漠は複数の区域に分かれ、ダンジョンや集落がある。各地にはサボテンなど素材として採取できるものが点在し、カオスに侵食された怪物「カオスモンスター」が徘徊している。 冒険は主人公とナカマを合わせ最大3人で行う。冒険中、操作キャラクターは自由に切り替えることができる。冒険に出ているタネビトのハナミセは閉店状態になる。 オアシスや砂漠の各地には「セーブスポット」が設置されている。ここではセーブ、HPの回復、他のセーブスポットへのワープができる。またこれとは別に、任意の場所で「アクアゲート」を用いてオアシスに帰還できる(後述の「ヒエログリフの迷宮」など一部の場所を除く)。帰還後は、オアシスのセーブスポットからアクアゲートを使用した地点へ再び戻れる。 戦闘砂漠やダンジョンでは、カオスモンスターに近づくと戦闘が開始される。カオスモンスターは「ケモノ属」「ウロコ属」「ヨロイ属」「カブト属」「ツバサ属」「フシギ属」「カオス属」の7種類に大別される。複数の属性を備えた敵もいる。屋外に出現する敵の種類は昼と夜で異なり、夜の敵はより高い能力を持つ。 敵を倒し戦闘が終了すると、敵に応じた素材が手に入る。一方、経験値はその場ではなくオアシスに帰還した際にまとめて得られる。経験値が一定値に達するとレベルアップしステータスが上昇する。この時、特別な能力が備わることもある。 武器剣、ボーラ、杖、ボウガンはそれぞれ多くの種類があり、オアシスで装備を変更できる。一方、ヤリ、ハンマー、双剣は初期装備のもののみで変更はできない。装備できる武器はキャラクターごとに異なる。一部の武器はダンジョンの謎解きにも用いられる。 ボーラ、杖、ボウガン以外の武器は、攻撃時に攻撃ボタンをタイミングよく押すことでコンボが発動し大ダメージを与えることができる。また、レベルアップすることで、より威力の高いコンボが追加される。 各武器は敵の属性との相性があり、属性が有利な場合はダメージが増加し不利な場合は減少する。以下の()内は○が有利、×が不利。
クラス主人公とナカマにはクラスが設定されている。主人公とケモビトのクラスは固有のもので、主人公以外のタネビトは「魔法使い」「ヒーラー」「コレクター」のいずれかのクラスについている。クラスの変更はできない。 クラスごとに特有の能力があり、同行するナカマ全員に好影響を与える。
ダンジョン砂漠の各地には大小様々なダンジョンがある。ダンジョン内には仕掛けが施されていることが多く、前述のように武器を用いて仕掛けを作動させたり、一部のタネビトが持つ能力「シードボール」(体をボールのように変化させて転がる能力)や「パラフラワー」(高く跳び上がり滑空する能力)を駆使して攻略することになる。一部のダンジョンには強力なボスがおり、撃破することで重要アイテムが手に入る。 ヒエログリフの迷宮砂漠の特定の3箇所には「砂漠の迷宮」「樹海の迷宮」「大峡谷の迷宮」というダンジョンがある。これら3つは「ヒエログリフの迷宮」と呼ばれている。いずれもゲームクリアに必須のものではないが、迷宮内では他の場所には無いアイテムを入手できる。 迷宮の入り口前にある台に冒険の中で入手した石版を3枚はめ込むことで内部に入れる。石板は「カブト」「ケモノ」「ウロコ」「ツバサ」「カオス」の絵柄のものがそれぞれ金、銀、銅の3色ずつある。迷宮内では石板の種類に応じた属性の敵が多く登場する。また、銅、銀、金の順で強い敵が登場し、珍しいアイテムが出現しやすくなる。 迷宮は多くの部屋が連なって構成されている。部屋の種類は主に、強敵が出現する部屋、罠が設置された部屋、宝箱が置かれた部屋、「ヒールスポット」(後述)が設置された部屋の4つがあり、それぞれの部屋の扉は赤、青、緑、黄のいずれかの色に染まっている。同色の部屋は全て同じ特徴を持つ。部屋の種類は迷宮の探索ごとに毎回変化する。 迷宮の最奥にいるボスを倒し、その先の部屋にある宝箱の中身を取得すると迷宮のクリアとなる。 迷宮内には、通常のダンジョンには無い以下のような仕掛けがある。
出典
外部リンク |
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