EXO1EXO1(exonuclease 1)は、ヒトではEXO1遺伝子にコードされる酵素である[5][6][7]。 EXO1は5'→3'エキソヌクレアーゼ活性に加え、リボヌクレアーゼH活性(DNA/RNAハイブリッドのRNAを切断するエンドヌクレアーゼ活性)を持つタンパク質である[8]。MSH2と相互作用し、DNAミスマッチ修復や相同組換えに関与している。EXO1遺伝子からは選択的スプライシングにより、2種類のアイソフォームをコードする3種類の転写バリアントが生じる[7]。 減数分裂EXO1(Exo1、ExoI)は、出芽酵母とマウスにおいて、減数第一分裂中期の進行に必要不可欠であることが示されている[9][10]。 減数分裂時の組換えは、DNAの二本鎖切断によって開始されることが多い。組換え時には、resectionと呼ばれる過程において切断部の5'末端のDNA断片が切断除去される。続いて起こるstrand invasionの段階では、切断されたDNA分子の3'末端オーバーハングが切断されていない相同染色体のDNAへ「侵入」し、Dループ(displacement loop)が形成される。次に起こる一連のイベントは、乗換え(CO)型もしくは非乗換え(NCO)型の組換えという主要な2つの経路のいずれかである(遺伝的組換え、相同組換えを参照)。乗換え型の組換えをもたらす経路は、ダブルホリデイジャンクション(DHJ)中間体の形成を伴う。乗換え型組換えが完了するためには、ホリデイジャンクション構造の解消が必要である。 出芽酵母の減数分裂時には、Exo1遺伝子の転写が強力に誘導される[9]。減数分裂細胞では、Exo1の変異によって二本鎖切断のプロセシングや乗換え型組換えの頻度が低下する[9]。減数分裂時の組換えにおいて、Exo1は時期的、生化学的に異なる2つの機能を持つ[11]。まず、Exo1は二本鎖切断末端部のDNAを除去する5'→3'エキソヌクレアーゼとして機能する。組換え過程のより後期の段階では、Exo1は乗換え型組換えを行うためにDHJ構造の解消を促進する機能を果たす。この機能はヌクレアーゼ活性には依存しない。Exo1はDHJ構造の解消の際にはExo1はMLH1-MLH3ヘテロ二量体(MutLγ)やSgs1(BLMのオルソログ)と共に機能し、乗換えの大部分を生み出すjoint molecule resolution pathwayを構成している[12]。 Exo1が欠損したオスのマウスは減数分裂のパキテン期を正常に進行することができるが、生殖細胞の大部分はキアズマの喪失のため第一分裂前期を正常に進行することができない[10]。このExo1の役割はヌクレアーゼ活性自体によって媒介されているわけではなく、Exo1のヌクレアーゼドメインに点変異を有するマウスでも減数分裂の欠陥は検出されない[13]。 相互作用EXO1は、MSH2[6][14][15]、MLH1[15]と相互作用することが示されている。 出典s
関連文献
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