ロゴタイプ
CPシステムII (シーピーシステム ツー)とは、1993年 に『スーパーストリートファイターII 』と共に出荷されたカプコン 開発のアーケードゲーム 用システム基板 である。海外を中心にCPS-2 と略されることがある。以降、記事中ではこの略称を用いる。
概要
CPS-2は、2種類のボードから成り立っている。
Aボード
JAMMA ハーネス に接続し、またCPS-2用ゲームに共通の構成要素を含む。
Bボード
ゲーム本体が格納される。
A、Bのボードの関係は、基本的には家庭用ゲーム機 とそのカートリッジ の関係と同じものである。2種類のボードは出荷地域(リージョン)ごとに色分けされ、同じ色の組み合わせでないと使用できない。CPS-3 と比べると、基板は非常に大きい。
CPS-2はプログラムROM を暗号化 することでプロテクトされており、Bボードには復号 キーを格納したバッテリーバックアップ メモリ が備わっている。だが電池 が切れると復号キーがメモリから消失してしまい、暗号化されたプログラムをデコード出来ずゲームが実行できなくなる。電池切れを含めての故障は、メーカー側に送れば2万円程度で修理出来るシステムであった(2015年3月15日から2019年2月27日までは電池交換のみで、電池交換+セキュリティ書き込みで7,500円程度+送料)。ただし改造(個人による電池交換を含む)防止のために貼ってある封印のシールがないと、修理に応じないというシステムでもあった。『ヴァンパイア 』以降、封印シールは廃止された。
後に発売されたCPS-3は電圧 の許容幅が狭く、多少のオーバーでも故障の原因になってしまい、更にソフト変更時のインストールに時間がかかる仕様だった。それに対してCPS-2は、壊れにくく非常に安定したパフォーマンスを誇り、対応ソフトも多かった。
部品調達難に伴い、2015年 3月31日 (カプコンサービスセンター2015年3月14日到着分)に基板自体の修理サポートが終了した[ 1] 。継続されていたカートリッジの電池交換も、カプコンサービスセンターからセガ・ロジスティクスサービス へのアーケードゲームの修理サポート業務移管に伴い、2019年 2月28日 (カプコンサービスセンター2019年2月27日到着分)をもって終了した[ 2] [ 3] 。これに伴い、基板自体が故障したり、セキュリティ・カートリッジの電池が切れた場合は完全に稼働不可となった(セガ・ロジスティクスサービスによるメーカーサポートも受けられない)。
Qサウンドロゴ画面
CPS-2には音声のサラウンド効果を演出するQサウンド (英語版 ) のチップが内蔵されており、一部の後期作品を除きゲームのデモ画面ではQサウンドのロゴ画面が表示される。CPS-2のゲームの移植作品でも、パッケージやディスクのレーベル面にQサウンドのロゴが印刷されていたり、ゲーム中にQサウンドのロゴが表示されたりする[ 4] 。
Qサウンドロゴ画面では、ゆったりとした曲調の音楽とともに、画面上部に『QSOUND VIRTUAL AUDIO 』のロゴ、画面中央にQサウンドの権利関係の英文、画面下部に『CAPCOM 』のロゴが表示される。音楽は各作品でアレンジが異なり、また『ストリートファイターZERO3 』と『プロギアの嵐 』の2作品のみは共通して異なる曲が流れ、タクミコーポレーション とエイティング /ライジング が開発した作品は音楽は流れない。PlayStation 2 の『ロックマン パワーバトルファイターズ』と『ストリートファイターZERO ファイターズ ジェネレーション 』はBGMも含めてこの画面が再現されている[ 5] 。
Qサウンドの権利関係の英文は権利の変遷に合わせて大きく分けて3パターン存在し、またゲーム中で使われるフォントで表示される場合と、ロゴ画面用の独自のフォントで表示される場合がある。
英文の内容は以下の通り。
パターン1:『スーパーストリートファイターII』で使用
QSound Chips have been developed by Archer
and incorporate Archer's proprietary QSound
sound enhancement technology
パターン2:『ダンジョンズ&ドラゴンズ タワーオブドゥーム』から『X-MEN VS. STREET FIGHTER』まで使用
QSound Chips have been developed by QSound
and incorporate QSound's proprietary QSound
sound enhancement technology.
最後のピリオドがないパターンも存在する。
パターン2.1:『スーパーストリートファイターIIX』で使用
QSound Chips have been developed by QSound
QSound and incorporate QSound's proprietary
QSound sound enhancecment technology.
3行目の『enhancecment』は原文ママ。2行目の最初に『QSound』の単語が追加されている。このゲーム以外にはこのパターンが存在しないため、文章が誤っている可能性がある。
パターン2.2:『19XX -THE WAR AGAINST DESTINY-』と『グレート魔法大作戦』で使用
QSound Chips
have been developed
by QSound and
incorporate QSound'sproprietary
QSound sound
enhancement technology.
4行目の『QSound'sproprietary』は原文ママ。縦画面の作品のため、改行が多くなっている。
パターン3:『バトルサーキット』以降(『グレート魔法大作戦』を除く)で使用
QSound technology is protected by U.S.
patent Nos.5,105,462 and 5,208,860 and
numerous foreign patents.
QSound,Virtual Audio and the QSound logo
are trademarks of QSound Labs,Inc.
ミッチェル 開発の作品にはロゴ画面が存在しない。
リージョンカラー
仕様
メインCPU :カプコンカスタム 68000 @ 16MHz
サウンドCPU:ZiLog Z80 @ 8MHz
サウンドチップ:Qサウンド @ 4MHz
カラーパレット:32ビット
最大同時発色数:4,096色
タイルあたりの色数:16(4ビット/ピクセル)
オブジェクト数:900(16×16ピクセル)
スクロール面数:3
解像度:384×224
作品リスト
断りが無いものは販売・開発共にカプコン。
備考
CPS-1とCPS-2はいずれもゲームのスコアランキングを保存することはできない(電源投入やリセット時にランキングが初期化される)。
脚注
^ 弊社基板製品保守サービス業務終了のご案内 カプコン 2014年9月
^ 弊社製品のサービス対応終了に関するご案内 カプコン 2018年 11月12日
^ 業務用アミューズメント機器のサービス業務移管スケジュールに関するお知らせ カプコン 2019年3月4日
^ ゲーム中の音楽が全て家庭用にアレンジされた『ストリートファイターZERO2』除く。
^ ただし前者は「CAPCOM 」ロゴが消されている。
^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad 「現在発売中のシステム基板とソフト一覧 」『ゲームマシン』第569号1998年8月1日。2023年3月21日 閲覧。
^ “『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利! ”. ファミ通.com (2022年7月15日). 2023年4月14日 閲覧。
^ “「カプコン ファイティング コレクション」レビュー 幻の名作「ウォーザード」がついにプレイできる! カプコン珠玉の10タイトルがオンライン機能をひっさげて蘇る!! ”. GAME Watch . インプレス (2022年6月20日). 2023年4月14日 閲覧。
^ 「「CPSII」のシューティング 敵弾をはね返す カプコンから「ギガウイング」 」『ゲームマシン』第584号1999年4月1日、16面。2023年3月21日 閲覧。
関連項目