BMW・M10エンジン
M10エンジンは、BMWが1962年~1988年まで生産していた直列4気筒SOHCガソリンエンジンである。1936年に生産終了したBMW 309以来の4気筒エンジンで、BMW・ノイエクラッセに搭載された M10ユニットは26年間、350万台以上のモデルに搭載されてきた。 レース用としてはF1で使われたターボチャージャー搭載のM12ユニットは同ユニットのブロックをベースに、最高出力1400PS(1030kw)を発揮した。また、市販仕様ではE30型M3に搭載されたS14ユニットも同ユニットのブロックをベースにショートストローク化され、更にS38ユニットのシリンダヘッドを4気筒用に短くしたものを組み合わせてDOHC化している。 1987年に後継であるM40エンジンへ徐々に切り替わっていった。 開発エンジニア兼レーシングドライバーであったアレックス・フォン・ファルケンハウゼン男爵は、BMWから1.3Lエンジンの開発を依頼されたが、将来性を見据えて最低でも1.5Lでなければ将来のニーズには見合わないと当時の経営陣を説得。最大で2.0Lまで拡大出来るエンジンの提案がM10エンジン設計に繋がっている。 構造M10ユニットは鋳鉄製のブロック(鍛造クランクシャフト、バランスウェイト、5ベアリング)にアルミニウム合金製ヘッド(1気筒2バルブかつ半球型の燃焼室にチェーン駆動のカムシャフト)を組み合わせている。 初期型はボア82mm、ストローク71mmの1499ccで最高出力は80PS(59kW、79hp)であった。 命名規則1962年~1974年まではM115(M1型の1500cc)とされていたが、1975年にM10エンジンとして認知されてから、1980年にM10B18("M10シリーズ"、"ガソリン"モデルの排気量"1800cc")という現在のBMWのエンジン型式で見られるエンジンコードとなった バリエーションM1151499ccで75-82PSを発揮するユニットである。ソレックス製38PDSIキャブレターを装備しているが、圧縮比8.0のローエンドモデルと圧縮比8.8のハイエンドモデルの2種類が存在する。 搭載車両 M1161573ccで86-105PS(ツインキャブレター仕様)、84-103PS(シングルキャブレター仕様)を発揮するユニットである。シングルキャブレターモデルは圧縮比8.6(ソレックス製38PDSIキャブレター)、ツインキャブレター仕様は圧縮比9.5(ソレックス製40PHHキャブレター)である。 搭載車種
M41エンジンは圧縮比8.3で90PSを発揮する。組み合わせられるキャブレターはソレックス製32DIDAキャブレターである。 搭載車種
M98エンジンは圧縮比9.5で75PSを発揮する。組み合わせられるキャブレターはピアブルグ製1B2キャブレターである。 搭載車種
M10B1889mmx71mmの1766ccで、仕様にもよるが90~105PSを発揮する。ソレックス製キャブレターもしくはボッシュ製機械式インジェクションが組み合わせられる。 搭載車種
M11884mmx80mmの1773ccで、90~130PSを発揮する。ウェーバーもしくはソレックス製キャブレターが組み合わせられる。 搭載車種 2.0LエンジンM05エンジンは、89mmx80mmの1990ccで100-120PSを発揮する。 搭載車種
M15エンジンはクーゲルフィッシャー製機械式インジェクションを備え、130PSを発揮。tiiエンジンとも呼ばれている。 搭載車両 搭載車種
M43/1エンジンは圧縮比8.1で110PSを発揮する。 搭載車種 M64エンジンはボッシュ製Kジェトロニック機械式インジェクションを備え、圧縮比9.3で125PSを発揮する。 搭載車種
M31エンジンは、圧縮比6.9、KKK製BLDターボチャージャーを備え7psi(約0.483バール)のブースト圧で170PSを発揮する。クーゲルフィッシャー製PL04型機械式インジェクションを装備している。 搭載車種
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