野球 の第65回カリビアンシリーズ (英 : 65th Caribbean Series 、西 : 65.a Serie del Caribe )は、2023年2月2日から10日にかけて計32試合が、ベネズエラ・ボリバル共和国 カラカス都市圏 の2球場で開催された。その結果、ドミニカ共和国 代表ティグレス・デル・リセイ がベネズエラ代表レオネス・デル・カラカス との決勝戦を3-0で制し、15年ぶり11度目の優勝を成し遂げた。ドミニカ共和国勢の優勝は2021年大会 のアギラス・シバエーニャス 以来2年ぶり22度目で、球団単位でも国・地域単位でも、ティグレスおよびドミニカ共和国勢が保持する優勝回数の歴代最多記録がさらに伸びた。賞金として、優勝のティグレスには15万ドルが、準優勝のレオネスには10万ドルが、3位決定戦を制したメキシコ 代表カニェロス・デ・ロス・モチス には5万4000ドルが、それぞれ贈られた[ 1] 。ティグレスの先発投手シーザー・バルデス が予選ラウンドと決勝戦の2度のレオネス戦にいずれも先発登板し、計12.1イニングで無失点の好投を見せて大会MVP に選出された[ 2] 。
ベネズエラでは2013年3月の現職大統領ウゴ・チャベス死去 以降、後継大統領 ニコラス・マドゥロ による野党勢力弾圧、原油価格 低迷に伴うハイパーインフレーション の進行、アメリカ合衆国 による経済制裁 などにより政情不安が深刻化した。これを受けて大会が2018年 ・2019年 の2年連続で開催地をベネズエラから他国へ移していたため[ 注 1] [ 3] 、ベネズエラ開催は2014年 以来9年ぶりとなる。ベネズエラ政府は今大会を「国家再生」の宣伝、いわゆる "スポーツウォッシング " に利用することを目論み[ 4] 、メジャーリーグベースボール 傘下の選手を出場させるためにアメリカ合衆国財務省 外国資産管理局 へ制裁緩和を働きかけたり、会場のひとつとなる新球場エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ の建設工事を加速させたりした[ 5] 。こうして開催された今大会、ラ・リンコナダでの試合にレオネスが出場した7日間の総観客動員数は23万1572人に達し、そのうち初日の3万5691人は1日の観客動員として大会新記録となった[ 6] 。大会終了後、マドゥロは今大会を「過去最高の大会になった」と絶賛したうえで、その要因のひとつに「近代的で素晴らしい」球場の存在を挙げた[ 7] 。しかしそのラ・リンコナダで大会3日目の試合中に停電 が発生し、インフラストラクチャー がまだまだ脆弱なことが露呈する場面もあった[ 8] 。反マドゥロ派ジャーナリストのオマール・エスタシオは、政権のプロパガンダ に大会が乗っ取られたと批判したうえで「病院が潰れていき、国民が月収6ドルしか得られないこの国で、既に2万人収容の球場 もあるカラカス に数千万ドルもかけて新球場を建てる意味はあったのか」と問いかけている[ 9] 。また、動画共有サイト "YouTube " 上でマドゥロ派の何者かが架空のニュースチャンネルのアカウントを作り、真偽不明の情報とディープフェイク を用いて大会の成功を英語 で伝える動画を公開、それを国営放送局 ベネソラーナ・デ・テレビシオン が外国メディア報道の引用という体裁で放送する、といった虚偽報道 と思しき事案も確認されている[ 注 2] [ 10] 。
開催までの経緯
開催地
今大会の開催地は、カラカス都市圏 にある以下の2球場である。2球場での分散開催は、同じくベネズエラ で開催された2006年 以来17年ぶり2回目[ 注 3] [ 11] 。
今大会のベネズエラ開催は2022年1月、主催団体カリブ海プロ野球連合(CBPC)コミッショナーのフアン・フランシスコ・プエーヨが同国テレビ局のインタビューに対し「計画中」として明かした。このとき開催球場候補に挙げられたのは、リベルタドル市内のエスタディオ・ウニベルシタリオ・デ・カラカス だった[ 12] 。同国リーグ "リーガ・ベネソラーナ・デ・ベイスボル・プロフェシオナル "(LVBP)会長ジュセッペ・パルミサーノは、開催球場候補をウニベルシタリオとフォールム・ラ・グアイラとしつつ、建設中のラ・リンコナダについても、年内に使用可能な状態となるまで工事が進むのなら開催球場にできるとの見解を示した[ 13] 。その後7月下旬には、大会の開催地がラ・リンコナダとフォールム・ラ・グアイラに決まったと発表された。プエーヨはラ・リンコナダの工事進捗について順調と認め、パルミサーノはウニベルシタリオについて出場チームの希望次第で練習拠点にしうると述べた[ 14] 。CBPCは11月にも幹部をベネズエラへ派遣して現場視察を行い、ラ・リンコナダでの開催にお墨付きを与えた[ 15] 。だが結局、ラ・リンコナダの工事は年内には終わらなかった。大会組織委員長ウンベルト・オロペサによると、1月中旬でも一部座席への椅子 の設置などができていなかった[ 16] 。大会の開幕まで1週間を切った段階でも24時間態勢で3,000人以上の作業員が工事に従事する有様だったが[ 5] 、開幕前日には大統領 ニコラス・マドゥロ やプエーヨらが出席して開場式典が実施され[ 17] 、なんとか開幕の日を迎えた。
出場チーム
出場国・地域には2014年 より、CBPC加盟の4か国・地域に加えて招待国枠が設けられた。2020年 から2022年 までの3年間は、招待国枠としてパナマ とコロンビア のリーグ王者が招待されていた。今大会ではその招待国枠がさらに2枠増え、新たにキューバ とキュラソー のリーグ王者が招待されることとなった[ 11] 。
キューバ勢は2014年から2019年 まで6年連続で招待されていた。2020年大会にも当初は出場予定だったが、開催地プエルトリコ がアメリカ合衆国 のコモンウェルス(自治連邦区) であることから、同国連邦政府 によるキューバ選手団への査証 発給の見通しが立たず、招待枠をコロンビアへ譲らざるを得なくなった[ 18] 。これ以降キューバ勢の招待が止まっていたため、出場は今大会が4年ぶりとなる。以前は "セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル "(SNB)王者が出場していたが、その後の国内リーグ構造改変により、今大会には2022-23シーズンから始まった新リーグ "リーガ・エリテ・デル・ベイスボル・クバーノ "(LEBC)の王者が出場する[ 注 4] [ 19] 。これに対し、キュラソー勢の出場は初めてである。国内リーグ "全国選手権AAリーグ "(CNCAAL)のレベルは他国・地域より落ちるが[ 20] 、同国野球連盟会長イェドレク・マグダレーナは今大会への招待が発表された2022年5月、北アメリカ のマイナーリーグベースボール でプレイする選手を中心にメジャーリーガー も加えて出場チームを編成すると表明した[ 21] 。
この2か国・地域が選ばれたのは、LVBP側の提案によるものという[ 20] 。その一方で、過去数年にわたり出場を熱望しながら今回も選ばれなかったのがニカラグア である。2013年にはキューバに続く出場候補国としてパナマやコロンビアとともにメジャーリーグベースボール から名前を挙げられ[ 22] 、2018年にはその3か国による予選を勝ち上がれば本大会出場という案がCBPC内で検討されたこともあった[ 23] 。しかしその後、ベネズエラの2019年大会開催権返上やキューバ勢の2020年大会出場断念といったトラブルに乗じてパナマ勢やコロンビア勢が招待され、ニカラグアは置いてきぼりを食っていた。同国リーグ "リーガ・ニカラグエンセ・デ・ベイスボル・プロフェシオナル " 会長パンカサーン・アルセは、2021年にも大会出場を求める書簡をCBPCへ送っていた[ 24] 。CBPCコミッショナーのプエーヨは、同国の加入は「もう少し先の話になる。まずはこの8か国・地域体制が定着するかどうかだ」と述べた[ 20] 。ニカラグア球界にとって悲願のカリビアンシリーズ出場は、翌2024年大会 で実現することとなる[ 25] 。
今大会への出場権を得たチームは以下の通り。
大会形式
出場チームを8チームへ増やすにあたりLVBPは、予選ラウンドを4チームずつ2グループに分けて行い、各グループの1位チームどうしで決勝戦を実施する、という大会形式を構想していた[ 20] 。しかしこれは採用されず、予選ラウンドは8チームの1回戦総当たりで行い、上位4チームが決勝トーナメントへ進む形式が採用された。もし複数のチームが同じ勝敗で並んだ場合は、直接対決の勝敗により順位を定める。ただし3チーム以上が同率かつ直接対決の勝敗でも並ぶ場合は、直接対決でのチーム・クオリティ・バランス 、すなわち(得点/攻撃イニング数)-(失点/守備イニング数)の数値で優劣をつける[ 34] 。決勝トーナメントでは、前年までと同様の準決勝→決勝に加え、今大会では史上初めて3位決定戦も実施される[ 35] 。また試合では、延長戦 に突入した場合は無死二塁からイニングを始めるタイブレーク 方式が導入される[ 36] 。
試合結果
2023年のカリビアンシリーズは2月2日に開幕し、9日間で予選ラウンド28試合、決勝トーナメント4試合の計32試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付
試合
先攻球団
スコア
後攻球団
開催地
出場球団本拠地と開催地の位置
2月0 2日(木)
予選ラウンド
アグリクルトーレス
3 -1
ワイルドキャッツKJ74
マクート
カニェロス・デ・ロス・モチス
5 -4
ティグレス・デル・リセイ
リベルタドル
バケーロス・デ・モンテリア
7 -1
インディオス・デ・マヤグエス
マクート
レオネス・デル・カラカス
5 -2
フェデラーレス・デ・チリキ
リベルタドル
2月0 3日(金)
フェデラーレス・デ・チリキ
6 -5
バケーロス・デ・モンテリア
リベルタドル
ティグレス・デル・リセイ
3 -1
アグリクルトーレス
マクート
ワイルドキャッツKJ74
2 -1
カニェロス・デ・ロス・モチス
リベルタドル
インディオス・デ・マヤグエス
6 -1
レオネス・デル・カラカス
マクート
2月0 4日(土)
ワイルドキャッツKJ74
1 -0
フェデラーレス・デ・チリキ
リベルタドル
インディオス・デ・マヤグエス
4-6
ティグレス・デル・リセイ
マクート
バケーロス・デ・モンテリア
6-7x
カニェロス・デ・ロス・モチス
リベルタドル
アグリクルトーレス
3-20
レオネス・デル・カラカス
リベルタドル
2月0 5日(日)
バケーロス・デ・モンテリア
6 -5
ワイルドキャッツKJ74
マクート
カニェロス・デ・ロス・モチス
6 -5
アグリクルトーレス
リベルタドル
インディオス・デ・マヤグエス
2-3
フェデラーレス・デ・チリキ
マクート
ティグレス・デル・リセイ
2-3x
レオネス・デル・カラカス
リベルタドル
2月0 6日(月)
アグリクルトーレス
4-5
バケーロス・デ・モンテリア
リベルタドル
ティグレス・デル・リセイ
10 -1
フェデラーレス・デ・チリキ
マクート
ワイルドキャッツKJ74
1-3
インディオス・デ・マヤグエス
リベルタドル
カニェロス・デ・ロス・モチス
7 -0
レオネス・デル・カラカス
リベルタドル
2月0 7日(火)
アグリクルトーレス
3-4x
インディオス・デ・マヤグエス
リベルタドル
フェデラーレス・デ・チリキ
1-2
カニェロス・デ・ロス・モチス
マクート
バケーロス・デ・モンテリア
11 -1
ティグレス・デル・リセイ
リベルタドル
レオネス・デル・カラカス
8 -6
ワイルドキャッツKJ74
マクート
2月0 8日(水)
フェデラーレス・デ・チリキ
10 -4
アグリクルトーレス
リベルタドル
ワイルドキャッツKJ74
2-6
ティグレス・デル・リセイ
マクート
インディオス・デ・マヤグエス
9 -3
カニェロス・デ・ロス・モチス
リベルタドル
レオネス・デル・カラカス
7 -4
バケーロス・デ・モンテリア
リベルタドル
2月0 9日(木)
準決勝
ティグレス・デル・リセイ
8 -3
カニェロス・デ・ロス・モチス
マクート
バケーロス・デ・モンテリア
5-7
レオネス・デル・カラカス
リベルタドル
2月10日(金)
3位決定戦
バケーロス・デ・モンテリア
0-1
カニェロス・デ・ロス・モチス
リベルタドル
決勝戦
ティグレス・デル・リセイ
3 -0
レオネス・デル・カラカス
リベルタドル
優勝: ティグレス・デル・リセイ(15年ぶり11度目)
予選ラウンド
シャイロン・マルティス (写真は2009年4月4日、メジャーリーグベースボール のワシントン・ナショナルズ 在籍時に撮影)
2月2日午前、ラ・グアイラ州 マクート のエスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ で第1試合が始まり、第65回カリビアンシリーズが開幕した。その試合には今大会が初出場となるキュラソー 代表ワイルドキャッツKJ74 が登場し、キューバ 代表アグリクルトーレス と対戦した。ワイルドキャッツは5回裏一死一・三塁から1番ダレン・セフェリナ の二ゴロが併殺 崩れとなる間に1点を先制するも[ 37] 、8回表に8番アンドレス・デラクルーズ のソロ本塁打 で追いつかれる。そのままタイブレーク 形式の延長戦 に突入すると、表の守備では2番手投手シャイロン・マルティス が先頭打者ギジェルモ・アビレス の適時打で勝ち越しを許したのに対し、裏の攻撃ではアンディ・バルガス の前に三者凡退に抑え込まれて敗れ、初試合初勝利とはならなかった。続いて首都地区 リベルタドル のエスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ で第2試合が、フォールム・ラ・グアイラで第3試合が行われたのち、ラ・リンコナダで第4試合開始前に大会の開会式が催された。シモン・ボリバル交響楽団 とエル・システマ 傘下の合唱団によるベネズエラ 国歌 『勇敢なる人民に栄光を 』のあと、レオネス・デル・カラカス のファンとしても知られる歌手のオスカル・デ・レオン が登場、40分以上にわたってコンサートを披露した[ 38] 。そして始球式 では、主催団体カリブ海プロ野球連合コミッショナーのフアン・フランシスコ・プエーヨがボールを投じた[ 39] 。第4試合は大会史上最多となる3万5691人の観客が集まった前で行われ[ 6] 、地元のレオネスがパナマ 代表フェデラーレス・デ・チリキ と対戦した。レオネスは初回表に3番エルナン・ペレス の適時打で1点を先制するが、2回裏に一度は逆転を許す。それでも4回表、相手先発投手デイビス・ロメロ が無死一・二塁で肉刺 をつぶして降板すると[ 39] 、2番手ウィルフレド・ペレイラ から2者連続四球 を選んで押し出しで同点とし、続く2番ウィルフレド・トーバー の二ゴロで勝ち越した。その後は8回表と9回表にも1点ずつ加えて突き放し、5-2で初戦を飾った。
大会2日目、第3試合でワイルドキャッツがキュラソー勢史上初勝利を挙げた[ 40] 。メキシコ 代表カニェロス・デ・ロス・モチス と対戦し、3回表に1番ロジャー・バーナディーナ と2番レイ=パトリック・ディダー の連続二塁打 で先制、5回表にもバーナディーナの適時打で1点を追加し、相手の反撃を6番ジョーイ・テルドスラビッチ のソロ本塁打のみにとどめて継投でリードを守りきった。この日はこの試合も含め、全4試合が前日勝利チームと敗戦チームの対戦となり、全て後者が勝利した。その結果、全8チームが1勝1敗で並んだ[ 41] 。この混戦状態から3日目・4日目と連勝して一歩抜け出したのが、カニェロスとレオネスだった。カニェロスは3日目、コロンビア 代表バケーロス・デ・モンテリア を相手に3点ビハインドから追いつくと、最後は9回裏一死満塁 から3番ロベルト・バレンズエラ への死球 により7x-6のサヨナラ勝利 を収めた。この試合にカニェロスの4番・一塁として先発出場したのが、コロンビア人のレイナルド・ロドリゲス である。彼はこのシーズン、まずメキシコリーグ "リーガ・メヒカーナ・デル・パシフィコ " のアギラス・デ・メヒカリ でプレイし、そのあとコロンビアリーグ "リーガ・コロンビアーナ・デ・ベイスボル・プロフェシオナル " 優勝決定シリーズに合わせてバケーロスへ移籍していた。大会規定により彼の招集優先権はメキシコ側にあり、同リーグのカニェロスがアギラスからの補強選手として彼を指名したため、彼は母国のバケーロスに残れず、つい先日までの古巣と対戦することになった[ 42] 。この日は8回裏二死一・三塁から四球で出塁すると、6番オルランド・ピーナ の適時打で同点となる6点目のホームを踏んだ。カニェロスは翌日も、アグリクルトーレス戦で3-5から逆転して1点差勝利を挙げた。レオネスは3日目、アグリクルトーレス相手に20-3と大勝した。この1試合でレオネス打線が奪った20得点は最多タイ記録であり、また放った25安打 は最多記録を46年ぶりに更新した[ 注 5] [ 3] 。翌日、ドミニカ共和国 代表ティグレス・デル・リセイ との試合は一転して0-0のまま延長戦に入り、10回・11回と互いに1点ずつ奪い合う展開となったあと、12回裏一死一・二塁から7番ホセ・ロンドン のサヨナラ適時打で勝利した。この試合では投手陣が要所を締め、ティグレス打線を得点圏 で19打数1安打に封じた[ 43] 。
レイナルド・ロドリゲス (写真は2013年4月4日、マイナーリーグベースボール AA級ニューブリテン 在籍時に撮影)
同率で首位に並ぶこの2チームが、5日目の第4試合で直接対決した。両チームの監督、カニェロスのホセ・モレノ とレオネスのホセ・アルガシル は同じベネズエラ人というだけでなく、顔なじみの仲であった。というのも、同国リーグ "リーガ・ベネソラーナ・デ・ベイスボル・プロフェシオナル " のカルデナレス・デ・ララ において、2017-18シーズンから通算3季にわたりJ・モレノが監督として指揮を執り、彼の下でアルガシルが三塁コーチを務めていたためである[ 44] 。しかし手の内を知る両者の対決は一方的な展開になった。レオネス先発投手JC・ラミレス をカニェロス打線が打ち崩し、2回表に無死一・二塁から6番テルドスラビッチの適時二塁打で2点を先制すると、3回表にも無死二・三塁から3番バレンズエラの三塁打 で2点を加える。レオネスはノーウィス・グディーニョ へ継投したが、カニェロスはさらに4番R・ロドリゲスが適時打でバレンズエラを還し1点、二死後7番フリアン・オルネラス の振り逃げ 間にR・ロドリゲスが二塁から生還し1点を追加、3回終了時で6-0とした。この両イニングも含め、カニェロス打線は初回から6イニング連続で先頭打者を出塁させた[ 45] 。これに対しレオネス打線は、カニェロス先発投手ルイス・ミランダ の前に6イニングで2安打のみ。カニェロスがさらに1点を加えた直後の8回裏には、相手の3番手ブランドン・コーチ から2四球で二死一・二塁の好機を作ったものの、カニェロスがラファエル・コルドバ へ継投すると、1番アリ・カスティーヨ が二ゴロに倒れた。こうしてカニェロスがこの試合を7-0で制し、4勝1敗の単独首位に浮上した。J・モレノは、試合前に母国の国歌を耳にしたとき「涙 がウルッときたことは否定できない」といい[ 44] 、試合内容についてはミランダの好投を称えた[ 45] 。アルガシルは「メキシコが我々よりもいい試合をした」と完敗を認め、前日のティグレスとの試合が延長12回までもつれたことによる疲労について訊かれると「それは言い訳にはならない」と否定した[ 46] 。
翌6日目の第1試合では、1勝4敗で単独最下位のアグリクルトーレスと、2勝3敗で5位タイのプエルトリコ 代表インディオス・デ・マヤグエス が対戦した。アグリクルトーレスは1点をリードして迎えた9回裏、二塁手カルロス・ベニテス に代えてユリアン・ミラン を守備に就かせる。A・バルガスは3イニング目のマウンドに上がり、二死一・三塁と逆転の走者を背負いながらも、打席の1番ブライアン・トーレス を0ボール2ストライクに追い込む。しかし3球目をB・トーレスが二塁方向へ弾き返すと、打球はミランの後逸により外野へ転がり、インディオスが同点に追いついた。なおも二・三塁から敬遠 により満塁策がとられたあと、3番エマヌエル・リベラ の中前打でインディオスが逆転サヨナラ勝利を収めた。これにより、アグリクルトーレスの予選ラウンド敗退が決まった[ 47] 。続く第2試合では、単独首位カニェロスがフェデラーレスに2-1で勝利し、予選ラウンド突破の第1号となった[ 48] 。カニェロスは翌日の試合で敗れればレオネスあるいはバケーロスと5勝2敗で並ぶが、いずれに対しても直接対決で勝利しているため、この時点で予選ラウンド首位通過が確定した。また、第3試合ではバケーロスがティグレスを11-1で、第4試合ではレオネスがワイルドキャッツを8-6で、それぞれ下した。7日目にはバケーロスとレオネスの直接対決が組まれているが、その結果にかかわらずバケーロスは予選ラウンド突破が決まった[ 49] 。7日目、バケーロスは敗れてティグレスおよびインディオスと4勝3敗で並んでも、いずれに対しても直接対決で勝利しているためこの両チームを上回り3位となる。その一方でレオネスには、7日目にティグレスおよびインディオスと4勝3敗で並んだ場合、3球団間の直接対決が1勝1敗の三すくみ のためチーム・クオリティ・バランス 勝負となり、その数値が最も悪いレオネスが敗退するという可能性が残されていた[ 50] 。またワイルドキャッツとフェデラーレスにも、自身の勝利に加えて他チームの敗戦も必須という厳しい条件ながら、決勝トーナメント進出への道は閉ざされていなかった。
ビマエル・マシン (写真は2016年8月20日、マイナーリーグベースボール A級サウスベンド 在籍時に撮影)
最終7日目はまず第1試合、フェデラーレスがアグリクルトーレスに10-4で逆転勝ちした。フェデラーレスは1点を追う3回表に4番ジョー・デルーカ の適時打で同点とし、なおも一死満塁から6番ジョニー・サントス の走者一掃二塁打で逆転、その後も加点しつつ相手の反撃を7回裏の3点のみに封じた。アグリクルトーレスはこの敗戦により、2日目からの6連敗で最下位となった。監督のカルロス・マルティ は低迷について、国内の主力選手が3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック へ向けて日本 での合宿に参加しており、補強選手によるチーム強化がほとんどできなかったことを指摘した[ 51] 。また、アグリクルトーレスには物資の欠乏がみられ、ティグレスの亡命 キューバ人選手ヘンリー・ウルティア は自身のTwitter 上にて、アグリクルトーレスへ渡すために集めた包帯 や鎮痛剤 などの映像を投稿している[ 52] 。フェデラーレスは勝ち抜けの可能性を残した。しかし第2試合、ティグレスがワイルドキャッツを6-2で下したことで、ティグレスを含む4チームが4勝に達したため、3勝以下のフェデラーレスとワイルドキャッツは敗退が決まった。1-1で迎えた7回裏、ティグレスは一死三塁から2番ロビンソン・カノ の適時二塁打で勝ち越し、さらに代打 ラモン・ヘルナンデス の3点本塁打で突き放した。また、第3試合ではインディオスがカニェロスに9-3で勝利し、ティグレスに続いて4勝目を挙げた。インディオスは初回表に4番ビマエル・マシン の適時打で1点を先行、3回表には先頭打者B・トーレスからの3連打や5番エドウィン・ディアス の3点本塁打で4点を奪い、一度は2点差まで詰め寄られたものの追いつかせることなく試合を終わらせた。この試合はインディオス監督のマコ・オリベラス にとって大会通算28勝目で、フェリックス・フェルミン が保持していた歴代最多記録を更新する1勝にもなった[ 53] 。この3試合を経て新たにティグレスの決勝トーナメント進出が決まり、残りは1枠となった。第4試合でバケーロスとレオネスが対戦し、バケーロスが勝てばインディオスが、レオネスが勝てばレオネスが、決勝トーナメント進出となる。
第4試合はラ・リンコナダで午後8時過ぎに始まり、地元のレオネスが優位に進める。2回表、5番オズワルド と8番オーランド のアルシア兄弟が四球で出塁し二死一・二塁とすると、9番フランシスコ・アルシア と1番A・カスティーヨの連続適時打で3点を先制する。バケーロスもその裏、一死一・二塁から7番ファビアン・ペルトゥス の適時打で1点を返す。だが、なおも続く好機に8番パベル・マンサネーロ は三振 、さらに二塁走者ヘスス・マリアーガ がレオネス先発投手ジョーリス・チャシーン の牽制 に刺され、追加点はならなかった。レオネスは3回表に2点を加えて5-1と点差を広げたあと、5回表にも無死一・二塁とする。ここで7番カルロス・リベロ が中前へ抜けようかという打球 を放つも、二塁手ダヤン・フリアス がワンバウンドで捕球した。フリアスは二塁を踏んで一塁走者を封殺 したあと近くにいた二塁走者にタッチ し、一塁への送球 で打者走者リベロもアウトにして三重殺 を完成させた。大会史上、三重殺成立は3年ぶり4度目の出来事だった[ 注 6] [ 54] 。バケーロスはその直後の5回裏に9番F・アルシアの適時打で1点を返し、6回裏には先頭打者アンドレス・アングロ が四球を選んでチャシーンを降板に追い込んだ。チャシーンはバケーロス打線について、狙い球を絞りボール球に手を出さないためアウトにしづらかったと振り返った[ 55] 。マウンドを引き継いだミゲル・ソコロビッチ に対し、バケーロスは二死二・三塁から8番マンサネーロの二塁打で2点を加え、1点差に詰め寄った。しかしソコロビッチは、9番フリアスを見逃し三振に仕留めて危機を脱した。結果的には、バケーロスの反撃はここまでとなった。レオネスは7回裏をアーナルド・ヘルナンデス が、8回裏をリカルド・ロドリゲス が、それぞれ三者凡退に封じる。打線が2点を加えたあとの9回裏は、抑え投手アンソニー・ビスカヤ が無失点で締め、レオネスが7-4で勝利した。この結果、レオネスが2位で決勝トーナメントへ進出し、インディオスは4勝3敗でバケーロスやティグレスと並んだものの、直接対決でいずれにも敗れていることから5位で予選ラウンド敗退となった。
1日目 2月2日
第1試合@エスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ (ラ・グアイラ州 マクート )
第2試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
第3試合@エスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ (ラ・グアイラ州 マクート )
第4試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
2日目 2月3日
第1試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
第2試合@エスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ (ラ・グアイラ州 マクート )
第3試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
第4試合@エスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ (ラ・グアイラ州 マクート )
3日目 2月4日
第1試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
第2試合@エスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ (ラ・グアイラ州 マクート )
第3試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
第4試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
4日目 2月5日
第1試合@エスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ (ラ・グアイラ州 マクート )
第2試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
第3試合@エスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ (ラ・グアイラ州 マクート )
第4試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
5日目 2月6日
第1試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
第2試合@エスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ (ラ・グアイラ州 マクート )
第3試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
第4試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
6日目 2月7日
第1試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
第2試合@エスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ (ラ・グアイラ州 マクート )
第3試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
第4試合@エスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ (ラ・グアイラ州 マクート )
7日目 2月8日
第1試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
第2試合@エスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ (ラ・グアイラ州 マクート )
第3試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
第4試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
決勝トーナメント
予選ラウンド終了の翌日から2日間、決勝トーナメントが行われた。準決勝の組み合わせは、予選ラウンド1位のメキシコ 代表カニェロス・デ・ロス・モチス 対4位のドミニカ共和国 代表ティグレス・デル・リセイ 、および2位のベネズエラ 代表レオネス・デル・カラカス 対3位のコロンビア 代表バケーロス・デ・モンテリア となった[ 35] 。決勝戦・3位決定戦も含めて全て予選ラウンド上位のチームが後攻となる。
ホセ・ロンドン (写真は2019年6月4日、メジャーリーグベースボール のシカゴ・ホワイトソックス 在籍時に撮影)
準決勝第1試合のカニェロス対ティグレスは、ラ・グアイラ州 マクート のエスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ で行われた。今大会のティグレスはこの球場と相性がよく、予選ラウンドの4勝は全てこの球場で挙げていた[ 56] 。試合は序盤からティグレスが先行する。初回表一死満塁 から5番メル・ロハス・ジュニア の犠牲フライ で1点を先制すると、2回表にも一死三塁から9番グスタボ・ヌニェス の適時打で1点を加える。これに対しカニェロスは2回裏、先頭打者から2者連続四球 で一・二塁の好機を迎えるも6番ジョーイ・テルドスラビッチ が中飛、7番フリアン・オルネラス が遊ゴロ併殺 に倒れ反撃とはならず。逆に4回表、先発投手マット・ポブリコ が3点目を失い降板すると、代わったファビアン・コタ も二死満塁から4番ヘンリー・ウルティア に2点適時打を浴び、0-5に引き離された。カニェロス側には、監督のホセ・モレノ が「我々の手ではコントロールできないこともある。例えば天気 とか、審判 の判定とか」と述べたように、球審によるボール /ストライク 判定が自軍不利に偏っているとの不満があった[ 57] 。2-5で迎えた7回表、3番手投手サムエル・サスエタ が6番ケルビン・グティエレス に2点本塁打 を許したのを機にチームに溜まっていた鬱憤が爆発、投手コーチのジョバンニ・カラーラ やサスエタが審判に強く抗議し、サスエタに退場 処分が下された[ 58] 。その後は両チームが1点ずつを加えて8-3となり、9回裏はティグレスのハイロ・アセンシオ が三者凡退で締めて試合終了、ティグレスが勝利した。この結果、2020年大会 以降ドミニカ共和国勢は4年連続で決勝戦進出[ 59] 、メキシコ勢は4年連続で準決勝敗退となった[ 60] 。なお、ポブリコは大会終了後の2月24日、アメリカ合衆国 イリノイ州 シカゴ 近郊の自宅で亡くなっているのが発見され、結果的に今大会が生涯最後の公式戦登板となった[ 注 7] [ 61] 。
準決勝第2試合は首都地区 リベルタドル のエスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ で、奇しくも前日の予選ラウンド最終戦と同じ顔合わせで行われた。バケーロスの先発投手フリオ・ビバス はベネズエラ出身で、このシーズンはバケーロスの前に母国リーグ "リーガ・ベネソラーナ・デ・ベイスボル・プロフェシオナル "(LVBP)のブラボス・デ・マルガリータ でも投げていたため、レオネスとも対戦経験があった[ 55] 。初回裏、レオネスはそのビバスから二死満塁の好機を作り、6番ホセ・ロンドン の2点適時打で先制する。3回表、バケーロスが1番グスタボ・カンペーロ の適時二塁打 で1点を返す。レオネスはその裏、今度は無死で再び満塁として6番ロンドンに打順を回すが、ロンドンは遊飛に倒れる。このとき遊撃手ダヤン・フリアス が捕球後に三塁手ファビアン・ペルトゥス へ送球 したところ、ペルトゥスのグラブ が三塁走者ダンリー・バスケス の顔をかすめたらしく、これをきっかけに両者の間で小競り合いが発生し、両チームのダグアウトやブルペン から選手総出となる騒ぎがあった[ 62] 。試合再開後、ビバスは7番イサイアス・テハダ への押し出し死球 で3点目を失い降板、マウンドを引き継いだサムエル・ブルゴス も8番オーランド・アルシア に犠牲フライを許し点差を広げられた。バケーロスは5回表に1番カンペーロの適時三塁打 などで2点を奪い1点差とするが、レオネスはその裏6番ロンドンの2点本塁打で3点差に戻した。ロンドンはこの日の4打点 で今大会15打点とし、歴代最多記録を更新した[ 注 8] [ 63] 。8回表、バケーロスが2点差に迫りなおも二死二塁とすると、レオネスは抑え投手のアンソニー・ビスカヤ を投入して後続を断つ。ビスカヤはイニングをまたいで9回表も登板し、相手打線を三者凡退に封じた。こうしてレオネスが7-5で勝利し、ティグレスが待つ決勝戦へ駒を進めた。
シーザー・バルデス (写真は2015年10月18日、台湾プロ野球 のLamigoモンキーズ 在籍時に撮影)
大会最終日は、3位決定戦・決勝戦ともにラ・リンコナダで開催された。まず3位決定戦のカニェロス対バケーロスでは、それぞれの先発投手、ジェフ・キンリー とカルロス・ケベード による投手戦が展開された[ 64] 。表のバケーロスの攻撃では散発的に単打 が出るものの、キンリーは後続を打ち取り二塁を踏ませない。これに対し裏のカニェロスの攻撃では、初回裏に一死二塁、2回裏に二死二塁、4回裏に一死一・二塁、とたびたび走者が得点圏 へ進むが、こちらもケベードが失点を防ぐ。0-0のまま迎えた6回表、バケーロスが無死一・二塁と好機を作るも、キンリーは3番ジョーダン・ディアス を三ゴロ併殺、4番ダニエル・ベジョーヒン を右飛に仕留めて危機を脱した。その裏、バケーロスはケベードに代えてケビン・エスコルシア を登板させたが、先頭打者アービング・ロペス から2者連続で死球をぶつける。カニェロスは4番レイナルド・ロドリゲス が三ゴロ併殺に倒れるもI・ロペスを三塁へ進め、5番テルドスラビッチの適時打で先制点を奪った。7回表、カニェロスの投手がこの回からセサル・バルガス に代わると、バケーロスは再び無死一・二塁とする。しかし7番アンドレス・アングロ は犠牲バント 失敗で走者を進められず、その後C・バルガスの暴投 で二・三塁となるも、後続が2者連続三振 を喫して同点・逆転の好機を逸した。試合はこのまま1-0で終了し、カニェロスが3位となった。今大会で零封勝利を2試合記録したのはカニェロスだけである[ 65] 。監督のJ・モレノは、カニェロスが20年ぶりに国内リーグ "リーガ・メヒカーナ・デル・パシフィコ " を制し、今大会で3位になったことについて嬉しく思うと述べた[ 64] 。ただ大会終了後、彼は母国ベネズエラ・LVBPのブラボスで指揮を執るため退団し、カニェロスは後任にフェリックス・フェルミン を招聘することとなる[ 66] 。
決勝戦では、地元のレオネスと歴代最多優勝のティグレスが対戦した。レオネスが勝てば2006年 以来17年ぶり3度目、ティグレスが勝てば2008年 以来15年ぶり11度目の優勝となる。今大会と2006年大会には、ベネズエラ国内の2球場で分散開催されたことや[ 注 3] 、最終試合でレオネス対ティグレスが組まれ、レオネスが勝利すれば優勝決定となることなど[ 注 9] 、複数の共通点があった[ 67] 。それぞれの先発投手、エリック・レアル とシーザー・バルデス は今大会4日目、予選ラウンドでの対戦でも互いに先発し、いずれも6イニング無失点の好投を見せていた[ 68] 。そこから中4日のこの試合で、相手投手を攻略したのはティグレスだった。2回表、先頭打者ウルティアがフルカウントからの7球目を見極めて四球で出塁し、続く5番ロハスの中前打で無死一・三塁とする。ここで6番グティエレスが犠牲フライを右翼へ運び、E・レアルから8イニング目で初めて得点を奪った。その裏レオネスは先頭打者エルナン・ペレス が中前打で出塁し、一死後に盗塁 で二塁へ進むが、C・バルデスは6番ロンドンを三ゴロ、7番I・テハダを三振に仕留めて同点とはさせなかった。ティグレスは5回表にも一死一・三塁とし、3番ヤマイコ・ナバーロ の適時打で2点目を挙げ、E・レアルを降板に追い込んだ。C・バルデスは味方打線の援護を得て、その後も相手打線を封じていく。7回裏一死で右肘を痛めて降板するまで無失点を続け、前回登板と合わせると12.1イニングで1点も許さなかった[ 69] 。レオネス打線は後続の救援投手に対しても攻略の糸口をつかめず、7回裏の残りはジョナサン・アロ に、8回裏はフェルナンド・エイバッド に抑えられる。結局この日、レオネス打線は全て単打の3安打のみに封じ込まれ、また塁上に走者を2人以上同時に置いた場面を一度も作れずに終わった[ 70] 。ティグレスは9回表にも1点を加え、その裏をアセンシオが三者凡退で締めて3-0で勝利し、優勝を決めた。
ドミニカ共和国大統領 ルイス・アビナデル はティグレスの優勝について、Twitter で "#PlátanoPower"(「#バナナ の力」)というハッシュタグ をつけて祝福の言葉を投稿した[ 71] 。決勝戦翌日の11日、ティグレス一行は空路でベネズエラからドミニカ共和国へ帰国した。一行が当初の予定から2時間半ほど遅れて午後9時頃、サント・ドミンゴ州 ボカチカ のラス・アメリカス国際空港 に到着すると、集まっていたファンが歓声で出迎えた[ 72] 。14日には、監督のホセ・オファーマン や主将エミリオ・ボニファシオ ら一部選手が国民宮殿 を表敬訪問し、アビナデルと面会した。この年のティグレスがアビナデルのもとへ表敬訪問するのは2度目である。前回はカリビアンシリーズ開幕を2日後に控えた1月31日で、そのときアビナデルは「ティグレスはカリビアンシリーズでも勝つだろう」と話していた[ 73] 。これを受けて今回の表敬訪問で、ボニファシオは「大統領はかねてより、ティグレスがシリーズ王座を持って帰ってくるのだとおっしゃっていましたが、我々はその使命を果たしました。ファンに楽しんでもらい、優勝という結果を残せたこと、選手一同とても嬉しく思います」と述べた[ 74] 。
8日目 2月9日(準決勝)
第1試合@エスタディオ・フォールム・ラ・グアイラ (ラ・グアイラ州 マクート )
第2試合@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
9日目 2月10日(決勝・3位決定戦)
第1試合 3位決定戦@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
第2試合 決勝戦@エスタディオ・デ・ベイスボル・デ・ラ・リンコナダ (首都地区 リベルタドル )
大会オールスターチーム(ベストナイン)
記者109名の投票による選出の大会オールスターチーム(西 : Equipo Todos Estrellas 、ベストナイン)が準決勝終了後に発表された[ 75] 。受賞者は以下の通り。
脚注
注釈
出典
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外部リンク