魂の書〜ザ・ブック・オブ・ソウルズ〜
『魂の書〜ザ・ブック・オブ・ソウルズ〜』(原題:The Book of Souls)は、イギリスのヘヴィメタル・バンド、アイアン・メイデンが2015年に発表した16作目のスタジオ・アルバム。 背景バンド初の2枚組スタジオ・アルバムで、ブルース・ディッキンソンが単独で作詞・作曲した「エンパイア・オブ・ザ・クラウズ」は、アイアン・メイデンの楽曲としては最長の18分に及ぶ[1]。「ティアーズ・オブ・ア・クラウン」は、2014年8月11日に自殺したコメディアン、ロビン・ウィリアムズにインスパイアされた曲である[21]。 レコーディングは、『ブレイヴ・ニュー・ワールド』(2000年)と同じくパリのギヨーム・テル・スタジオで行われ、ディッキンソンは「俺達全員にとって特別な思い出のあるスタジオさ。当時と同じマジカルな雰囲気が今でも生きていることが分かって、俺達は本当に嬉しくなり、そこにいるだけで最高だったよ」とコメントしている[1]。 リリース本作リリース前にブルース・ディッキンソンが腫瘍の治療に入ったため、発売は9月4日に延期された[22]。本作は2枚組CDの通常盤に加えて、ハードカバーのブックレットが追加されたデラックス・エディション盤や、3枚組のアナログLPとしても発売された[23]。 反響全英アルバムチャートでは、バンドにとって通算5作目の1位獲得アルバムとなり、合計12週トップ100入りした[2]。オフィシャル・チャート・カンパニーが集計した2015年の年間アルバム・チャートでは57位となった[24]。 フィンランドのアルバム・チャートでは2週連続で1位を獲得し、合計21週にわたりトップ50入りを果たすヒット作となった[11]。 アメリカでは発売初週に7万4000組を売り上げ[25]、総合アルバム・チャートのBillboard 200では4位に達し、前スタジオ・アルバム『ファイナル・フロンティア』(2010年)と並び同国における自己最高記録となった[15]。また、『ビルボード』のロック・アルバム・チャート、ハードロック・アルバム・チャート、インディペンデント・アルバム・チャートではいずれも2位に達し、デジタル・アルバム・チャートでは5位を記録した[15]。サウンドスキャンによると、この7万4000組という記録は、アイアン・メイデンにとって1991年以降最高の初週売上枚数であり、『Xファクター』以降のスタジオアルバム6枚連続で、前のアルバムの初週売上枚数を越えるという記録を打ち立てた(Xファクター:6000枚<バーチャル・イレブン:1万枚<ブレイブ・ニュー・ワールド:3万8000枚<死の舞踏:4万枚<戦記:5万6000枚<ファイナル・フロンティア:6万3000枚<魂の書:7万4000枚)[26]。 評価Thom Jurekはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「2006年の『ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス〜戦記』や2010年の『ファイナル・フロンティア』も長大な曲を提示していたが、『魂の書〜ザ・ブック・オブ・ソウルズ〜』は、それらと比較してもなお大作主義である」「何度も繰り返し聴けば、彼らの最高傑作という立ち位置を得ることだろう」と評している[27]。Kory Growは『ローリング・ストーン』誌のレビューにおいて「最近になって舌癌の恐怖から逃れたボーカリスト、ブルース・ディッキンソンが、空襲のサイレンとマリア・カラスの間を行き来する声を出してくれたことが最も感動的だ」と評している[28]。また、CDJournal.comのミニ・レビューでは「2枚組ゆえの罠も見事に回避し、ライヴ感満載の生っぽさと迫真性は、物理的な90分長の時間を無効化する」と評されている[29]。 2015年11月には、『クラシック・ロック』誌によって年間最優秀アルバムに選ばれた[30]。 収録曲ディスク1
ディスク2
参加ミュージシャン
アディショナル・ミュージシャン
脚注・出典
|
Portal di Ensiklopedia Dunia