字義
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古文/古代の形
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隷変形
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漢語拼音
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概要
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年、収穫(稔) |
秊 |
年 |
nián |
元来、古代の金文形では (秂)であるこの字は、背中で穀物(禾)を運ぶ人(人)の会意文字であった。すなわち、収穫。人もまた、上古中国語:/*njin/への音声標識(音符)としての機能を与えられている。西周時代の後、古代の金文形は人に付加的な1画を加え、千をもたらし、/*sn̥ʰiːn/への音符として機能し続けながら、 を生み出し、篆書形 (秊)の基盤を形作った。隷変の簡略化ののち、その結果、生じた隷書形は (年)となった。[3][4]
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かみなり |
靁 |
雷 |
léi |
元来、義符雨(「雨」)+声符畾(上古中国語:/*ruːl/)、下の要素は、隷変中に田に簡変されるようになった[5][6]。
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死者に供え物をする |
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/66/%E5%A5%A0-seal.svg/28px-%E5%A5%A0-seal.svg.png) |
奠 |
diàn |
元来は、莚(一)の上に載せられた酒樽の象形文字(酉)、より後の形には溢れ出す酒を表す2つの筆画(八)が加えられ、次いで更に2つの筆画(八)がその莚に加えられ、2本の脚(丌)を持つ台を形作った。隷変中に、丌は、結局、隷書形となる大に突変した。[7][8]
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もって、よって、~で、ので、だから、したがって、他 |
㠯 |
以 |
yǐ |
元来は物を運ぶ人(人)の象形文字、篆書形 は、隷変の間、調変されて隷書形以を創り出した[9][10]。
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得る |
𢔶 |
得 |
dé |
篆書形 、この貝が、より早期の隷書の異体字への隷変のさ中、早々に目に単純化し、より後の異体字は更にこの構成要素を旦にまで崩し、その隷書形は現代の字形に受け継がれた[11][12]。
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納める |
圅 |
函 |
hán |
篆書形: [13][14]。
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変更 |
㪅 |
更 |
gèng |
篆書形 は、声符丙(上古中国語:/*pqraŋʔ)/)+義符攴(「叩く」)からなる[15][16]。
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盤上遊戯 |
棊 |
棋 |
qí |
篆書形 は、義符木(「樹木、材木」)+声符其(上古中国語:/*kɯ/、/*ɡɯ/)からなる。この構成要素木は、隷変中に左側に再配置された。[17][18]
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無 |
橆 |
無 |
wú |
古代の金文形 は、元来、踊りながら両手に2つの物体をささげる人の象形文字で、篆書形は となった。隷変の間、その構成要素木が調変され、結果、字は無になった。この字は「無」のための音声的な借用(仮借)であり、一方で /舞(声符無/*ma/+義符舛、「足取り」からなる)が、元来の「踊り」という意味を保持している。[19][20]
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思考 |
恖 |
思 |
sī |
篆書形 は、声符囟(上古中国語:/*snɯns/)+義符心(「心」)からなり、その構成要素囟が、隷変中、完全に無関係な字田にまで崩れた[21][22][1]。
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前、先 |
歬 |
前 |
qián |
篆書形 は、元来、小舟(舟)の上で前進する足(止)を描写している。隷変中、止は䒑に、同時に舟は月に簡変された。前の中の刂(「小刀」)の追加は、 /𣦃/𠝣に見られるように、元来、「切る」(上古中国語:/*ʔslenʔ/)の意味を表すのに使われたためである。しかし、前が、歬の代わりに使われるようになったので、「切る」のための字を表現する目的で、追加の刀(「小刀」)が加えられたのが剪である。[23][24]
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並んで、一斉に、そのうえ |
竝 |
並 |
bìng |
篆書形 は、立(立っている人)の重複であり、隷変の推移中に調変をこうむった[25][26]。
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丘 |
丠 |
丘 |
qiū |
篆書形: 、北(「北」)を表す と比較せよ[27][28]。
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のぼる |
椉 |
乘 |
chéng |
篆書形 は、元来、明らかに足( /舛)で木(木)に登ることを表すが、後に、隷変中、禾+北に単純化された[29][30]。
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ぐるりと回転する |
𠄢 |
亘 |
xuān |
篆書形 は、二(「2」)+囘(「転回」)の会意文字からなる[31]。
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十二支の4番目 |
戼 |
卯 |
mǎo |
元来、篆書形 に見られるように、生贄を真っ二つに割く商朝の儀式を描写した[32][33]。
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死 |
𣦸 |
死 |
sǐ |
元来、篆書形 に見られるように、 /歹(人の亡骸)+ /人(人)からなる会意文字である[34][35]。
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(取り)去る |
㚎 |
去 |
qù |
篆書形: 。上の構成要素が土に単純化し、下の構成要素が厶に単純化した。起源は激しく議論されており、『説文解字』は、義符大(「人」)+声符𠙴(/*kʰaʔ/か/*kʰas/)を持つ形声文字であると提案する[36]が、一方で、Schuessler (2007)は、人の下の肛門を描写して「一掃する」を表していると提案する[37]。別の解釈には、洞穴から出て来る人や互いに出て来る唇(呿、「口を開く」からの再借用)、器物の上の覆いを表す大(盍、「覆いかぶせる」からの再借用)などがある。
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~も、また、句末強勢助詞 |
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/db/%E4%B9%9F-seal.svg/28px-%E4%B9%9F-seal.svg.png) |
也 |
yě |
『説文解字』はこの字を女性の陰部の象形文字と説明する。隷変形は原形から著しく単純化されている。[38][39]
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夏、夏王朝 |
夓 |
夏 |
xià |
隷変形は、その篆書形 からの構成要素である𦥑と頁(頭)の脚を取り除く[40][41]。
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何(疑問詞)、はなはだしい |
𠥄 |
甚 |
shèn, shén |
隷変形は、篆書形 の上部の構成要素を調変するが、元来、甘+匹の会意文字である[42][43]。
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生きる、生まれる、生(なま) |
𤯓 |
生 |
shēng |
篆書形 は、地面から出現する芽生え(屮)表す[44][45]。
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用いる |
𤰃 |
用 |
yòng |
篆書形 (上古中国語:/*loŋs/、異体字:𠂦、𤰆、𠂵)は、元来、水桶の象形文字を描写した。桶(上古中国語:/*l̥ʰoːŋʔ/、「桶」)と比較せよ。[46][47]
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同盟 |
𥂗 |
盟 |
méng |
篆書形 は、囧(「窓」)を持つが、隷変中に日(「太陽」)に単純化された[48][49]。朙は、明(上古中国語:/*mraŋ/、「明るい」)の古代の形であった[50][51]。
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花 |
𠌶 |
花 |
huā |
篆書形: 。𠌶と華( /𦻏)の字は、元来、同じ字であったが、『説文解字』の中で誤って2つの別個の見出し語に分割された[52][53]。華(上古中国語:/*ɡʷraː/、動詞「花咲く」)は、𠌶(上古中国語:/*hʷraː/、名詞「花」)の派生である[54]。
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冬葵、蒲葵、蔠葵 |
𦮙 |
葵 |
kuí |
篆書形:𦮙[55][56]。
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西 |
㢴 |
西 |
xī |
篆書形 は元来は袋か籠を表す象形文字だったが、「西」を意味するために音声的に借用(仮借)された[57][58]。
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角、縁、片側 |
𨘢 |
邊 |
biān |
より早い青銅器の銘文(金文)形 は、辵と自・穴・方からなった。篆書形 における右下部の構成要素は、方が崩されるようになった結果である。より後に形を成した隷書の異体字として、構成要素方が文書に再出現を果たした。[59][60]
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食べる |
𠊊 |
食 |
shí |
篆書形: 。現代の隷変形の下の構成要素は、皀( 「食器」)の単純化であり、良( )や艮( )と無関係で親縁性はない。[61][62]
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夢幻 |
𠄔 |
幻 |
huàn |
篆書形 は、元来、予( 、「与える」)の反転だった[63][64]。
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故郷 |
![𨞰](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/55/%E9%84%89-seal.svg/28px-%E9%84%89-seal.svg.png) |
鄉 |
xiāng |
元来は、青銅器銘文(金文)において「饗宴」を表す𠨍(「互いに顔を向け合う2人」)+皀(「食器」)からなる会意文字である。隷書形への移行の間、𠨍が𨙨と邑( )にまで崩されるようになった。隷変の簡略化に伴って、邑が、語源的に親縁関係にある阝部に簡略化されるようになり、𨙨が無関係の乡部( /幺と親縁関係にある)に簡略化され、皀が無関係の構成要素良に置き換えられた。「故郷」の意味は音声借用(仮借)経由で獲得された。一方で、「饗宴」を表すには饗(上古中国語:/*qʰaŋʔ/)が採用された。[65][66]
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香気 |
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/2d/%E9%A6%99-seal.svg/28px-%E9%A6%99-seal.svg.png) |
香 |
xiāng |
篆書形は黍(「キビ」)+甘(「甘い」)からなったが、隷変形が黍を禾(「穀物植物」)に単純化し、下の構成要素甘を、無関係な字である曰(「~と言う」)に置き換えた[67][68]。
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魚 |
𤋳 |
魚 |
yú |
篆書形: [69][70]。
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夜 |
𡖍 |
夜 |
yè |
篆書形 は、声符亦( 、上古中国語:/*laːɡ/)+義符夕( 、「三日月」)からなり、夜の右下の構成要素は隷変に伴う夕の崩れたものである。一方で、亠+亻は亦の簡変である。[71][72]
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胃 |
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/83/%E8%83%83-seal.svg/28px-%E8%83%83-seal.svg.png) |
胃 |
wèi |
視覚的に胃を表した象形要素 が田に単純化された[73][74]。
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排泄物 |
𦳊 |
屎 |
shǐ |
篆書形 は、艸(「草」)+胃(「胃」)からなる会意文字であった。隷書への移行に伴って、文献中で幅広い使用を獲得したこの字形は、戦国時代からの金文形 に基づいている。[75][76]
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移住する |
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/9c/%E5%BE%99-seal.svg/28px-%E5%BE%99-seal.svg.png) |
徙 |
xǐ |
左の構成要素辵の片割れである止は、隷変中に右へ再配置され、結果、それぞれ頭に2つの止が載り、偶然の一致で歨( 、即ち步、「歩く」の商代の形)と同じ構造をもって統合されることになった[77][78]。
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